青空に栗の木が映える
5月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3778
ナイス数:2126
それなりに読んだつもりだけど、結果的にはいつも通りかな。畑や庭仕事、サボろうかな。
うるしの話 (岩波文庫)の感想
半世紀も前に岩波新書で刊行された本。古い話にも耳を傾けたい。本日、読了。書き手は生涯、漆や蒔絵に携わった第一人者。本文もだが、第二部の「漆とともに六十年」が面白い。数々の業績もあるが、志の高さ、生き方の潔さが印象的。
読了日:05月28日 著者:松田 権六
フランシス・ベーコン 感覚の論理学の感想
読了。ほとんど理解できなかった。粗暴、狂暴、炸裂する心身。それでいて、にじみ出る詩情。この詩情が醸し出されているがゆえに、野蛮なまでの絵の未熟さ(技術の未熟ではなく、生半可な成熟を拒み続ける、その強靭さに注目している)にもかかわらず、つい見入ってしまう
読了日:05月26日 著者:ジル ドゥルーズ
文庫 若い読者のための第三のチンパンジー (草思社文庫)の感想
同氏著の『銃・病原菌・鉄―一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』がロングセラーとなっていることから、急遽、過去の著作を簡潔に纏めて出版した本みたい。既読感があるのは当然で、こうした研修を発展させて『銃・病原菌・鉄』なる研究に至ったのだから。
どの科学や研究も、専門化細分化が進む一方である。だからこそ、幅広いジャンルを横断する研究のニーズも高まっているのだろう。昔は、哲学がその役目を果たしていた。それが研究者の層の広がりで専門化が進んだ。それは必然性があったのだし、これからもその傾向に変わりはないだろう。
読了日:05月24日 著者:ジャレド ダイアモンド,レベッカ ステフォフ
思考の技法 -直観ポンプと77の思考術-の感想
たぶん、現代アメリカの最高の哲学者(の一人)であると思っている。
神や意識、精神や生命など、神秘のベールの向こうに秘蔵するか論述を超えると見做しがちなテーマを<解明>してきた哲学者。進化の思想についても、リチャード・ドーキンスと共に、生命の神秘という迷宮に逃げ込ませることを徹底して論難してきた。
読了日:05月22日 著者:ダニエル・C・デネット
D.H.ロレンス幻視譚集 (平凡社ライブラリー)の感想
『息子と恋人』や特に『チャタレー夫人の恋人』ほどには洗練されていない。やや生硬な感も覚えた。ただ、最晩年の聖書論『黙示録』にも感じたことだが、ロレンスの関心のエッセンスが時に剥き出しになっているようで、興味深かった。どの作品も、ロレンスが亡くなる数年前から3年ほど前に書かれたもの。生硬と感じた私の感想は見当違いなのかもしれない。むしろ、幻視譚の形で彼の根底にある世界へ直截に対面しようという切迫感が自分にそう錯覚させたのかもしれない。
読了日:05月16日 著者:D.H. ロレンス
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)の感想
一万三〇〇〇年にわたる人類史と副題にあるが、なにゆえ一万三〇〇〇年なのか。
それは、一万三〇〇〇年前というのは、最終氷河期が終わった時点を指すからである。その時点では、人類は南太平洋や中南米を含め、世界各地に人類が広がっており、似たり寄ったりの狩猟採集生活をしていた。それがそれぞれに異なった経路をたどっていく、しかも、その経路は実に多彩。
こういった問題をこれだけ視野広く捉えて叙述した歴史書はあるのかどうか、小生は知らない。とにかく面白かったとしか感想を言えない自分が情けない。
読了日:05月13日 著者:ジャレド・ダイアモンド
インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫)の感想
再読。感想については、ブログで書いた。当時のスペインの政治状況の中で、よくぞこれだけの記録を残し、当局に報告したものだ。身の危険も相当にあったようだし。
本書の解説が非常に詳しく、本文もだが、解説も読みごたえがあったことは付記しておきたい。
読了日:05月09日 著者:ラス・カサス
豊乳肥臀 下 (平凡社ライブラリー)の感想
影響を受けた作家として名の上がったトルストイは、一瞬、意外の感もあったが、当然ながら挙げるべき作家だと納得した。
本書『豊乳肥臀』は、誰かが言っていたように思うのだが、現代版且つ中国版(いうまでもなく莫 言版)の「戦争と平和」なのである。カフカ的な不条理もたっぷり過ぎるほど書き込まれている。
但し、カフカ的寡黙さは、欠片も見いだせない。ひたすら喧騒の場面と言動の連続である。
読了日:05月06日 著者:莫 言
音楽の美しい宇宙:和声、旋律、リズム (アルケミスト双書)の感想
装丁の好ましさに似合わぬ内容の充実ぶり。音楽をあくまで音を楽しむだけで済ませている自分には、やや理解が難しい。音楽の奥深さを教えられると同時に、自らの学習や演奏活動に生かせられる人が羨ましいと感じたよ。
読了日:05月04日 著者:ジェイソン・マーティヌー
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)の感想
日本で云えば、縄文時代の開始期以降の人類史。なにゆえに、1万3000年にわたる人類史なのだろう。
本書をようやくにして読んでいるが、刊行久しいとはいえ、読むに値する本だ。文献リストが興味深い。早速、下巻へ。
読了日:05月01日 著者:ジャレド・ダイアモンド
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