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2018/06/16

老舎作『駱駝祥子』に感服

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→ 向日葵、開花。今日も寒くて可哀想。 向日葵や陽光浴びる日を待てり

 今日(水曜日)も夕方、庭仕事。内庭の落ち葉拾いに、蔓延る笹の退治。地下茎を見つけ出しては、ハサミでぶつ切り。サンダルだったけど、手袋だけは嵌めて。築山風の内庭の地面がようやく半分だけ見えてきた(← 苦笑)! 
「赤の女王」やら「平家物語」などを読み続けている。特に後者は900頁近い。読書に専念できないけど、庭仕事がいい気分転換になっている?!
 今日(金曜日)も、お昼頃、サンダルに素手で(つまり部屋での格好で)二時間近く庭仕事。つい、やっちゃう。蚊に刺されてしまった。

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← アンズ、豊作かも。お酒や蜂蜜、用意しないと。アンズ酒や瓶に漬かって熟してね

 紫陽花。語源は? 1)叔父さん叔母さん好みの花 ➡ おじさん+おばさん ➡ あじさん ➡ あじさい。 2)紫陽花の花々が小さい ➡ あ、小さい! ➡ あちいさい ➡ あじさい。 3)どことなく地味 ➡ あージジイ臭い ➡ あージジ臭い ➡ アジサイ。 4)花の香りがやや鯵の臭いに似ている ➡ 鯵臭い ➡ あじさい。 さて、正解はどれでしょう?

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→ 紫陽花の花の香りも雨に溶け

 老舎著の『駱駝祥子(らくだのシアンツ)』を読了した。ほとんど車中での待機中に。
 老舎は、一昔前の中国の人気作家だったらしい。名前くらいは知っていたが、「文化大革命で犠牲となった代表的な著名人」なんてことは知らなかった。読むのは初めてである。書店で、見つけ、パラパラ捲って、読みごたえを感じ、ゲットした。

 アメリカで評価されたりする作家で、文化大革命で犠牲になったわけで、中国の権力側(文化大革命当時の)からは、危険視されたようだが、少なくとも、本作を読む限り、実にヒューマンである。美は細部にありではないが、個々の叙述が巧みだし、話をどんどん読ませる卓抜した技術を感じた。

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← 老舎 著『駱駝祥子(らくだのシアンツ)』(立間祥介 訳  岩波文庫) 「筋骨たくましい人力車夫,祥子青年は来る日も来る日も北平(北京)中をひた走りに走る (中略) きっすいの北京っ子老舎(一八九九―一九六六)が,裏町の住人たちの悲喜哀歓を心をこめて描く」とか。

「1920年代の北京を舞台に貧しい人力車夫「祥子」を描いた小説」で、自分のタクシードライバーとしての感懐をもダブらせながら読んでいた。身につまされる思いさえしてしまった。
 というか、本書を買う際にも、稼業などの境遇をまさに感情移入しそうだと思って買うことに決めたのだった。
 主人公の駱駝祥子(らくだのシアンツ)は、体力自慢の若者。怖いもの知らずで、真面目に頑張ればきっと成功すると思っていた。
 が、主人公の根拠のない自信に相違して、ドンドン人生の暗部にはまり込んでいく。結末へは一気に奈落の底に落ちていくようで、救いはない。それでも、単調にならないのは作者の筆力の賜物である。

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→ 南天の花(?)が真っ盛り。 南天や花は地味でも命満つ

 作中、娼婦(少女)との出会いと別れがある。このドラマを読むだけでも本書を手にする意義はある。ある意味、ドストエフスキーの「貧しき人々」や「罪と罰」のソーンやを想わせる。
 しかし、老舎は、ドストエフスキーよりどん底の生活を知っている。娼婦の境涯にも幻想も抱いていない(主人公は夢をしばしば見がちだが)。
 決して安直な感傷に陥らないのである。実に拾いものの作品だった。

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