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2018/06/14

タイルの目地には泡スプレーがいい

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← 富山県水水墨美術館にて、「名都美術館名品展」が開催されている。副題がいい!  「恋する日本画」だって。伝統、様式美のはずの日本画を「恋する日本画」とするセンスが面白い:「名都美術館名品展 恋する日本画| 富山県水水墨美術館」  画像は、会場である「富山県水水墨美術館」の庭園。

 昨日、冷凍庫の材料でシチューを作った……作ろうとしたが、失敗。水加減を間違えたのか、ドロドロの妙なものができた。勿体ないので、完食したけど、先日のカレーといい失敗続きで嫌になる。
 恐らく、水分が足りなかったんだろう。いつも、水加減で失敗する。

 過日、ほんの思い付きで、台所の流しの汚れ落としに折々使っている洗剤(アタックの泡タイプ)をトイレの便器(男子用)に使ってみた。
 すると、驚いたことに長年のうちにこびりついていた垢が綺麗に消えていた。パイプ洗浄剤やらいろいろ使ってきたけど、これほどの効果はなかった。

 で、昨日、風呂場でシャワーを浴びていた際、壁面などのタイルの目地汚れ……いっそのこと、例の泡式の噴射洗剤を使ってみたらと思い立った。
 それまでは、シャワーや入浴の際に、目地などは主に親指の爪を立てて、ガリガリ擦るようにして黒カビを削り落としていた。

 ストレス解消になるし、それなりに落ちるし、爪も削れる、一石三鳥だなんて自嘲気味な自己満足。
 それが、今日、早速、スプレー式の泡洗剤を目地やら床面の緑色の黴などに噴射しておき、数時間後に見てみると、タワシや指の爪なんかじゃ落ちなったのが、すっかり綺麗になっている。
 なんだ、変な風呂用洗剤なんて要らないじゃん、と思ったのだった。これでいいのか?

 昨日(火曜日)、なぜかラジオでベートーヴェンやドビュッシーなどのピアノ曲をよく耳にした。仕事の車中なので、部分的に聴けただけだけど、それでも聞き惚れてしまった。
 せっかくなので(?)、ピアノに絡んだ掌編を幾つか書いてきたので、そのうちのほんの断片を抜粋してみる:
 

 耳には窓から少しだけ姿の見える彼女の指の織り成す音の連なりがあるだけだった。目を閉じると、赤黒いような沈黙の闇の空間に真珠の粒が煌いては消えていった。それとも水晶の欠片にも似た光の粒子が優雅に戯れていた。はるかに高い空から真綿のような雪の花弁が舞い降りてくる。決して地上の世界に落ちきることなく、闇の海に蕩けていく。音の純粋結晶がオレの神経を優しく逆撫でする。
 オレは痺れてしまっていた。
 彼女を知った頃は、腕の先しか見えなかった腕が、夏が近付いた頃にはすっかり覗けて見えた。小さな窓の薄闇に白く蠢く腕。肉体の踊り。自転車を近くの郵便ポストと電信柱の間に収めて、オレは名の知れない樹木の生い茂る空き地に身を潜めて、息も殺して彼女の面影を何処までも追った。
           (掌編「ピアノの音」より)

 眠れる美女の白い肌を転がる氷の欠けら。溶けて流れ伝う水。細く空いた唇から垂れる愛液。胸に滲む汗。額に張り付く髪。
 ピアニッシモの旋律。
 ピアノはオレの琴線を掻き鳴らしている。
 鼓膜を貫いて、オレの脳髄を直に愛撫している。
 オレの孤独な宇宙を真珠の玉で満たそうとしている。
          (掌編「ピアノの音は悪魔の囁き」より)

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