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2018/05/04

夢心地で音楽を聴きたい

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→ 表の庭から裏庭へ続く苧環の小道。雨上りで、いっそう花の色が鮮やかに。品のいい色あい。

 久しく積読状態だった、ジェイソン・マーティヌー 著の『音楽の美しい宇宙  和声、旋律、リズム』を読了した。
 装丁の好ましさに似合わぬ内容の充実ぶり(吾輩のような音楽音痴が内容について評価するなんて、僭越だと自覚しているよ)。音楽をあくまで音を楽しむだけで済ませている自分には、やや理解が難しい。音楽の奥深さを教えられると同時に、自らの学習や演奏活動に生かせられる人が羨ましいと感じた。

Music

← ジェイソン・マーティヌー 著『音楽の美しい宇宙  和声、旋律、リズム』(山田 美明 訳 アルケミスト双書 創元社) 

 出版社による内容紹介によると、「音楽理論――音楽という芸術の論理構成を知らなくとも、その美しさを心から感じることはできる。しかし、その初歩を理解すれば、なぜ人があれほど音楽に感動し心を揺さぶれられるのか、その美しさの構造がよりはっきりと理解できる」という。
 但し、「本書で紹介する音楽理論の大半は、18世紀初頭に基礎が形成された西洋クラシック音楽の伝統に基づくもの」だそうな。吾輩には、ほとんど初耳だけど。

 いつものことながら、よく夢を見る。十歳の頃からの業病で、細切れ寝で浅い眠り。ほとんど睡眠(時間帯に身に溜まる)の疲労を日中、ぼんやり過ごすことで、眠気を誤魔化し、疲労を癒す。
 なので、夢はほとんど寝起きの度に見ている(らしい)。ただ、大半は目覚めた瞬間に瞬時に崩壊(溶解)するようにして忘れるし、覚えていてもバラバラの断片だったりする。

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→ ジャーマンアイリスが開花していた。檻の向こうで、もっと自由を!って叫んでる? そのうち、誰かを見習って脱走する?

 今朝も、何度も夢を見たが、そのうちの二つを、手元にあったスマホを使って、不完全ながらメモしてみた:
 夢1:我が家。ふと目覚めた。いつもの部屋、いつものベッド。なのに、何か違和感を覚えた。窓外から聞き慣れない音が(そもそも、ここからして変だ。寝室には窓がないはずなのだ)。何か重機が動いている。工事? 外の様子を伺うと、驚きの光景が。隣家との境の小道がすっかり変貌している(隣家はもともとは我が家の土地をただで提供したもの)。我が家の台所の脇の杉並木の大半が取っ払われ、綺麗に整地されつつある。ほんの数本の杉が点々と街路樹風に残るだけ。

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← 蔵の脇の鈴蘭の花壇。毎年、ドクダミと競り合うのだが、申し訳なくも、ドクダミは発見次第、摘み取ってしまう。間もなく、白い可憐な花を咲かせるはず。

(続き)台所の脇の(もとの)小道を抜けた南面の車道は我が家の土地を削って拡幅されている。台所や茶の間の北面も、今まさに更地になりつつある。慌てて外に飛び出した。一体、何事なんだ? すると、そこには父(亡くなったはずなのに)がいて、工事を見守っている(陣頭指揮している?)。父に詰め寄った。父は右手に、折り畳まれた、何やら古びた新聞紙大の紙を持っている。見るとそれは、何と我が家の土地の権利書ではないか。権利書は、自分が持っている。ってことは、用心深い父は、本物を隠し持っていたということなのか。

 土地が削られ家さえマッチ箱のようになり、父母さえ他人行儀になって、私は居場所を失ってしまった気分だった。私の全く関知しないうちに全ては予定通りに進められていたなんて。私は絶望的になり、現実から逃避したくなった。目を背けたくなった。変わり果てた家にすごすごと戻り、屋根裏の寝室のベッドに潜り込んだ。布団を引っ被って、全ては夢であって欲しいと願うばかりだった。

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→ 近々植える予定の野菜などの苗。花(?)はヒマワリだけ。今年はスイカもメロンもカボチャも植えない。下の草は、玉龍。庭の隅っこに土が流れ落ちないように、縁取りとして植える。

 夢2:何処かの海岸通をドライブしている。日差しがコンクリートの陸橋や路面を白く目映くさせている。運転中、ふと気が遠くなった。が、すぐに意識を取り戻した。すると、何故か自分の車が無くなっていることに気付いた。慌てて探すと、車体色も車種もまるで違う車がそこにある。一世代前のセダン。茶褐色。たった今まで乗っていた愛車はハッチバック風のスポーツカー。急いで走らせる。

 私が違う車に乗っていることに気付いたのか、あるいは、何か投棄しに来ようと思ったことに感づいたのか。二人の若い男らは、私のそばに寄り添うように、私を気遣うように静かに着いてくる。やがて、意を決したか、顔見知りの男がやんわりと話し掛けてきた(もう一人は彼を案内してきた)。私は検査結果を無視し続けてきたから、わざわざ彼等のほうからやって来てくれたのだ。

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← 今年も紫露草の季節が始まった。秋まで続く。

 彼は医者らしい。検査の結果を伝えます。申し訳なさそうに、でも決然と、且つ厳粛に彼は冷静に話した。お知らせします、あなたは、●×◻☆*£肉腫です。医者ならぬ私には全く初耳の病名でほとんど聞き取れない。ただ、最後の肉腫だけ分かった。やはり、そうだったのか。冷静に受け止めるばかり。覚悟はしていたのだ。あたら無為な人生だった。未練がないと言えば嘘になるけど、さりとて今の自分に何の展望もない。この世を去っても、悲しむ人はただの一人もいない。もういいんだと、悲しくとも納得するしかないじゃないか。

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