苧環の小道を一人
← そんな寂しい小道を少しでも賑わせてくれる躑躅の赤紫の花々。
『新版 平家物語(一) 全訳注』(杉本 圭三郎訳 講談社学術文庫)と並行する形で、莫言作の『豊乳肥臀 上』 を一昨日から読み始めている(主に日本の古典と、日本に限らない現代(近代)の文学作品を並行するようにして読む方針でいる)。
出版社による内容紹介によると、「抗日運動、内戦、中華人民共和国誕生、文革、改革・開放、姦通、駆け落ち、死姦、身売り―激動の現代中国史を背景に繰り広げられる、八歳まで母乳しか受けつけずに育った混血男児・上官金童とその母、そして八人の姉たちの数奇・摩訶不思議な運命模様」とか。
さすがに莫言自身がこれが一番と云う作品。マルケスやドノソ、フォークナーなどの匂いがプンプンするけど、野獣的なエネルギーに満ち溢れている。「赤い高粱」も面白かったけど、それ以上の作品だ。
← 莫言著『豊乳肥臀 上』 (平凡社ライブラリー)
読んだのは、上巻の300頁ほどで、まだ感想を云々する段階ではない。
ここでは、ネットで見つけた優れた批評を:「CiNii 論文 - 莫言の作品『豊乳肥臀』における「母親像」分析」
その中から一部を転記して示す:
作品の中で、上官魯氏は9人の子どもを抱え、波瀾万丈な子育て人生を送っている。私は、人生の全てを子どもに捧げて逞しく生きていく上官魯氏の生命力溢れる姿に、そして、時代や世代を超えて母親が子どもに注ぐ普遍的な母性を感じ取ったのである。莫言は、作品の中で上官魯氏にいくつかの特色を持たせた。それは、閉鎖的な社会に対する反抗心、粘り強い精神力、強烈な感受性、道徳・倫理をも破る大胆な行動力などである。 (中略) しかし、莫言はこの作品を通して、封建社会に反抗し、大胆な行動を以て強い生命力を子どもに注ぐ「母親像」をリアルに描き出したのである。
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