文学から電子のダンスまで
相変わらず寒い。自宅の風呂場、寒すぎる。余儀なく、銭湯へ。気持ちいい! さて、読書タイムだよ、とは今日(十日)夕方の呟き。
← 『カラー版日本文学全集3 源氏物語 下巻』(与謝野 晶子訳 河出書房新社) 画像は、手元にある蔵書を撮影したもの。
一昨日のブログ日記に、「与謝野版という現代語訳を通じてではあるが、「源氏物語」も今、読みつつあって、後半(下巻)に突入している。人間関係や、誰のことを語っているのかボンヤリしてしまって、頭がくらくらする。日本文学通の方たちは、若いころから読み親しんできたんだと思うと、己の不勉強ぶりに呆れてしまう。ただ、それでも、与謝野晶子の手を借りて、結構、楽しめている」と書いた。
この書き込みに対し、「懐かしい この文学全集 むかしうちにありました」というコメントに端を発して、いろいろやり取りが。以下、自分の発言だけピックアップ:
昔は、豪華な箱入りの文学全集か百科事典などがありましたね。ほとんど読まない、見栄というか教養主義の影響。今では我が家には影も形もなくなっている。
昭和の40年代は、文学全集でなくても、普通の文学書や詩集が箱入りだったりしてました。そんな本が手元にいっぱい残ってます。自分は昭和人間なので、本は本、音楽は仕方なくCDなどを買いますが、昔のLP(SP)の時代が懐かしい。でも、時代はどんどん吾輩のような人間を置き去りにしていく。紙媒体がいいなんて言いながら、ブログなどのネットに頼っている自分がいる。
歴史を大きく見ると、本の存在もせいぜい数百年。日本に限るともっと短い。父などは、篆刻に勤しんでいたこともあって、江戸や明治の頃には当たり前だっただろう、紐綴じの冊子を愛用してました(自分でも作っていた)。遠い昔は、中国や日本では竹べらや木の短冊。あるいは墓石じゃないけど、岩に刻み込むとか。さて、現代では、紙の本から電子ブックへ。この先はどうなるのか。きっと、多くの情報は電子チップへ……どころか、クラウドシステムが当たり前になる。
つまり、各自の手元では、当面の情報操作や確認などに最小限必要な何らかのツールがあるだけで、自分のゲノムも含め、何処かのクラウド(を運用する大元のコンピューター?)にインプットされてしまうのでしょう。情報の量も半端じゃなくなってきていますから、感じ考え悩み想像し創造するその全ての様相だって電子のダンス以外の何物でもなくなるのでしょう。
← オリバー・ストーン/ピーター・カズニック著『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2』 (熊谷 玲美/小坂 恵理/関根 光宏/田沢 恭子/桃井 緑美子 訳 ハヤカワ文庫NF)
本書オリバー・ストーン/ピーター・カズニック著の『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2』 を読むと、アメリカ(軍)には、核兵器がいかに通常兵器との垣根が低いかがわかる。
広島長崎のあとも、成功体験に味を占め、朝鮮戦争にもベトナム戦争にも、ソ連(ロシア)に対しても中国に対しても、キューバ危機でも、核兵器を用意して、使う寸前だった。そんなアメリカを観たら、世界のどの国も核兵器は持たないとやばいとなる。水爆実験も島民や漁民への被害を隠し続け、島民の放射能汚染を悲惨なものにした。
アメリカ軍には、月(宇宙)にも基地を設け、月から核兵器を飛ばそうという意見もあったとか。アメリカだったら、やりかねない。
アメリカ軍は、日本本土などに焼夷弾を使った。これは戦争犯罪。その後も、ベトナム戦争では、もっと威力のある(つまり民間人を殺傷する性能が高められた)ナパーム弾を使った。これは戦争じゃなく、犯罪そのものだろう。
戦後の(戦後に限る必要はないが)アメリカの突出した軍国主義をソ連などが見ると、脅威に感じ、やがて世界が冷戦に、軍備増強競争に走ったのも無理はない。アメリカが(敢えて唯一だとは言わないが)大きな火元だったのは明らか。
ソ連だって、スターリンやフルシチョフは、平和共存のメッセージを発していたのにアメリカのトルーマンもアイゼンハワーも無視してしまった。
以下は、アベノミクスのトリクルダウンの分け前が一般の人びとには届いていないという話についての小生の発言に頂いたコメントに対するレス:
現政権は、意図的に貧富の差を拡大し、貧困層を固定化しようとしていると思います(疑似的な中流階層の縮小)。生活に追われると、憤懣がたまり、読書はもちろん、政治状況や課題をじっくり考えるなんて、できなくなる。それより、欲求不満を弱者苛めなどの形で鬱憤晴らししがちになる。過激で短絡的な言動に走り勝ち。政権に都合のいい情報に簡単に左右される。
マスコミ好みの話題(相撲やレスリング、不倫など)をばらまけばテレビ(ワイドショー)を見る連中は政治など、どうでもよくなる。学生は就職事情さえ良ければ、政権がどんなでもOK。まさに、狙いどうりの状況が生まれているということです。
アメリカ、後を追うように日本も、おカネも権力も一極集中しています。貧富の拡大。中流階層の崩壊。アベノミクスは不幸な状況を加速させる。どの国の保守層やタカ派も、すごい危機感を覚えている。国や民族や宗派が己の集団を死守し自分らを絶対視している。カラの中に閉じこもっている。世界はますます混沌の渦が巻く。この状況に抗するのは、相当にシビアな認識が必要でしょう。今こそ、哲学や思想の出番でしょうね。
世の人が政治に関心が薄くとも、それをいいことに、既得権益層は、好きなように政治を動かし、都合のいいような制度を作り、予算を分捕っていく。軍事力や原発や株主層や輸出企業などが輝くばかり。そうして貧困層が拡大するばかり。
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