« <夜>を喪失して数十年 | トップページ | 今井美樹「野性の風」に再会 »

2018/03/21

「源氏物語」は白鳥の歌?

1521593584986526

→ 南側の外壁、塗装がかなり剥げてきている。それをいいことに(?)、蔦が這い上がってきた。いっそのこと、壁を覆ってもらうか。「左:きつねが教える。 右:うさぎが盆踊りを教わってるように・・・見える(笑)」というコメントを頂いた。なるほど!

風土記 上 現代語訳付き』を読了した。
 先月上旬から、与謝野版「源氏物語」を読んでいる。「古事記」や「万葉集」を始め、日本の古典を読むのは、歴史や古代史への関心もあるが、日本語の形成や語彙、語感、音韻、表現、和歌などに見られる、五七五七七という音の連なり、人々の繋がりに係わる歌謡の要素、素養のない小生だと駄洒落になりかねない「掛詞」という遊びなど、味わうべき要素は多岐に渡るからでもある。

 この「風土記」にしても、上巻の解説によると、風土記の里の記事のほとんどは地名起源説話であり、吾輩のような教養のないものには、かなり苦しい、強引な駄洒落に思えそうなものが多い。
 恐らくは、その地域に伝わる地名を大和政権が強引にヤマト文化へ引き込むため、音韻だけは多少は残さざるを得ないとしても、表記は大和言葉の漢字二文字表記によって上書きしていったと思われる。
 国を地域を他の勢力から奪い、我がものとしていこうとする争いの表れの一端が地名表記の上書きに示されているようだ。

1521593920664670

← ここ数日で庭の草木が一気に開花してきた。蔦の這うのに負けずに、白い小花の木(?)も主張し始めてきた。名前、忘れた。今日中に思い出したい。なんて呟いたら、雪柳だというコメントを頂いた。「季節の花300 雪柳(ユキヤナギ)」によると、雪柳の別名として、「小米花(こごめばな)」と書いてあり、白い小花を米に見立てたとか。なんと、吾輩の誕生花でした。驚き。南面する車道沿いの細長い花壇に雪柳を植えたのは、近所の公園で見かけて気に入ったから。まさか、誕生花だとは。花言葉は、「愛敬」だとか。微妙。

 相変わらず与謝野晶子版「源氏物語」を読んでいる。今日は、浮舟の帖。第三部「宇治十帖」後半の最重要人物の一人に絡む物語。身分や立場の強みを笠に着る男らの思惑や欲望に翻弄される女たちの悲劇。
 吾輩は敢えて光源氏や薫などの特権階級の意識に乗っかって読もうとしてきたが、やはり、うんざりする。己に従わない女たちを素養のない、躾も嗜みもない女と見下す心理に感情移入するのは無理である。
 時代が違うってことは分かり切っているのだが。

1521594394712624

→ 開花に今朝、気が付いた。馬酔木だったかな。二ヶ月ほどは、鈴蘭のような、可愛い提灯にも似た小花が咲き続けてくれる。我が家の庭には、開花の時期こそ違うが、形も大きさ色も似た草木が三種ある。この馬酔木、鈴蘭、満天星(灯台)躑躅である。いろいろコメントを頂き、「名前の馬酔木も毒の成分があることに由来しているというし、「葉を煎じたものは殺虫剤としても使われている」とか。我が家のは花が白いですが、淡い紫の花もあるらしい。実物を見たいな。そういえば、我が家の庭には、この馬酔木の他に、鈴蘭、夾竹桃、水仙もあります。美しいものには毒があるってことかな」とレスした。

 それにしても、平安時代によくぞこんな作品が生み出されたものだ。書かれた理由や動機はいろいろあろうが、紫式部という天才が居たからこそなのは当然として、道長や式部の活躍した時代は、藤原一族の最盛期であり平安時代の絶頂であり、白鳥の歌だったのだろうか。

200802000341

← 『風土記 上 現代語訳付き』(監修・訳注 中村 啓信  角川ソフィア文庫) 「8世紀、元明天皇の詔により諸国の産物、伝説、地名の由来などを撰進させた地誌。 (中略) 漢文体の本文も掲載する。上巻には、常陸国・出雲国、播磨国風土記を収録」。

 余談だが、道長も源氏物語を愛読していたとか。式部は道長を含め、男性貴族らに受ける物語に仕立てることで(つまり、バカな男どもの愛顧を得るようにして)、平安貴族の生活の奥義を極めたのではないか。

|

« <夜>を喪失して数十年 | トップページ | 今井美樹「野性の風」に再会 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

写真日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「源氏物語」は白鳥の歌?:

« <夜>を喪失して数十年 | トップページ | 今井美樹「野性の風」に再会 »