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2018/03/02

2月の読書メーター

 2月の読書は、冊数こそ少ないが、結構充実していると(我ながら)思う。
 28日と日にちが少ないのはともかく、何と言ってもメインは、与謝野晶子訳による「カラー版日本文学全集2 源氏物語 上巻」である。読みだしたのは当月の上旬で二月中の読了を目指した。
 末には、数か月棚ざらしし読了させた、一休宗純の「狂雲集 (中公クラシックス)」や、圧巻は、今福龍太著の「ハーフ・ブリード」も、感銘深い。パスカルの「パンセ」などの古典も読み返したい。
 しかも、ここ数年なかった積雪で、除雪の日夜が続いたのだ。そのうえでの10冊。自分としては頑張ったほうだと思いたいのだ。

2月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:4081
ナイス数:1979

狂雲集 (中公クラシックス)狂雲集 (中公クラシックス)感想
本夕になって、本文は読了し、注釈に突入。素養のない人間(自分のことである)には、敷居の高い本。詳細丁寧な注釈をいちいち参照していたら、とてもじゃないが、先へ進めないと、本文のみまず読み切ることに専念してきた。
 それでも、数か月を要した(休み休み…長い中断をはさみつつ)。

 そうはいっても、座右に置いてから、あまりに長すぎる。この一週間、集中的に読んだ。読んだと言える自信はなくて、字面を眺めただけ。それでも、一休禅師の痛棒を受ける思いでいただけでも、本書に対面し続けた意義はあったと思いたい。
読了日:02月28日
著者:一休 宗純

カラー版日本文学全集2 源氏物語 上巻カラー版日本文学全集2 源氏物語 上巻感想
読みだした当初、現代の常識人の感覚で読んで、源氏らの言動に辟易もし、とんでもない奴だと憤ったりもした。が、読み友のアドバイスもあり、平安時代の物語なのであり、その世界に没入することが大事と、自分の窮屈な倫理道徳観ではなく、当時の宮中のど真ん中で生きる人たちのドラマであり、心の絵巻物として読むようにしたら、やはり、さすがの作品だと実感するようになった。感想めいたことなど、吾輩ごときには書けない。まずは、下巻へ突入である。
読了日:02月28日
著者:与謝野 晶子

日本の土偶 (講談社学術文庫)日本の土偶 (講談社学術文庫)感想
1990年の本で、情報は古いかもしれないが、写真が豊富で、読むのもだが、多種多様な土偶を見るのが楽しかった。出産という営為は、昔は(今もかもしれないが)命懸けのことだった。出産で命を失う女性も多かったようだし、子供が無事に生まれるかも神(や仏)に祈るしかない。
 もっとも当時は仏さまはいなかっただろうが。
読了日:02月27日
著者:江坂 輝彌

ある島の可能性 (河出文庫)ある島の可能性 (河出文庫)感想
ウエルベックは、SF的な舞台で極端な状況を設定することで、極限状況での人間性を露わにしようとする。

 本書では、、カルト教団だからこそのカネに糸目をつけな研究施設で遺伝子が保存されることで、原理的には人は永遠の命を得る、という設定。

 カルト教団の教祖が猿山のボスのような存在になることで、ネオ・ヒューマンたちの集団はユーモアや性愛の失われた世界で生き続ける。教祖(ボス)だけは、集団を率いるための虚構を保ち続けなければならないし、性愛を一手に引き受けて子をなしていかないと集団が成り立たなくなる。
読了日:02月21日 著者:ミシェル ウエルベック

昭和天皇の戦争――「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと昭和天皇の戦争――「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと感想
本書「あとがき」の最後で、著者は、「当時の天皇を頂点とする仕組みは、大戦争を行うにはあまりにもキャパシティーに乏しく、刻一刻変化する戦況に対応するにはあまりにも風通しの悪い硬直したものであった。「実録」を読みながら、システムとして状況に対応できない日本のあり方が改めて浮き彫りになったといえよう」とする。
 的確な結論かもしれないが、やや穏当すぎるような気もする。あと、「実録」には、写真が一枚も載っていないとか。これは変だし、せっかくの機会なのに、勿体ない。
読了日:02月15日
著者:山田 朗

パンセ (中公文庫)パンセ (中公文庫)感想
久しぶりに読んだ。とんでもない科学の天才。が、彼には科学や思想より宗教にのめりこむ。病と闘いながら宗教や信仰を極める。痛みを忘れるため数学に集中したりしつつ、神への信仰の絶対性を説く。そこまで説くというのは、神を絶対的に信じているのだろうし、神の絶対性が揺らぐ事態への危機感があったのだろう。その背景には、神なき世への不安があるのだろう。際限のない宇宙と、どこまでも終わりのない微細な世界。人間は常にその中間で揺らぎ続ける。悪と善、神と不信、美と醜。そう、何処まで行っても人間は中間者なのだ。
読了日:02月12日
著者:パスカル

地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史 (ブルーバックス)地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史 (ブルーバックス)感想
水の惑星・地球についての最新の研究成果が(理科系乃至理科好きの)高校生レベルの知識があれば理解できるよう、数式を用いず解き明かしてくれている。
 分かってきたかなりの知識と、解明を待っている課題も併せ、丁寧に説いてくれていることに(文科系の大学に進んだ)小生は好感を抱いた。

 地球は水の惑星と言いつつ、水(水分)の大半は海水であり、真水は実は乏しい、なんて俗説くらいは小生も持っていたが、実は、地殻の下に広がるマントル層や核の部分にも水が少なくとも海水に匹敵する量の水が(数倍とも)含まれるという。
読了日:02月10日
著者:唐戸 俊一郎

文明に抗した弥生の人びと (歴史文化ライブラリー)文明に抗した弥生の人びと (歴史文化ライブラリー)感想
本書が示すのは、「弥生時代研究は百花繚乱のさまを呈している」とか、「弥生時代のはじまりについての議論の範囲を紀元前10世紀にまでさかのぼ」っていること、「弥生時代の最初の数百年間は、金属器のない時代、すなわち世界的な時代区分でいうと新石器時代に属する可能性がきわめて高くなった」ことなどである。
 さらに「従来の「日本で食糧生産を基礎とする生活が開始された時代」という弥生時代の定義に対して、さまざまな異論がもたれはじめている」というのだ。
読了日:02月06日
著者:寺前 直人

ハーフ・ブリードハーフ・ブリード感想
本書についての感想は、気軽には書けない。実に重い本だった。著者の本を読むのは初めてなのだが、前から気になっていた方。ようやく手にすることができた。
 感想というより、学ぶべきことが多かった気がする。
 トランプ大統領の出現で、メキシコとの国境の壁がホットな話題になった。アメリカとメキシコとの国境は、長い諍いの歴史がある。
 そもそも、米墨戦争で、国家が疲弊していたメキシコは、圧倒的な火力を持つアメリカに勝ち目はなかった。米墨戦争は、アメリカの侵略戦争の歴史の大きな一頁だったわけである。
読了日:02月05日
著者:今福龍太

日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
実に読むに値する本だと、上巻共々実感させられた。
 日本人には、特に既得権益に固執する政治指導者層には耳が痛い意見も多々含まれる。それでも、心ある人には読んでほしいと思う。
 下手な感想など要らない。
 過日、本書からほんの一部を抜粋して示した: http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2018/01/post-aa62.html 
読了日:02月02日
著者:R. ターガート マーフィー


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