土偶に籠めた安産の祈り
← 土偶 青森県亀ヶ岡遺跡出土(通称:遮光器土偶) 「土偶は、人間(特に女性)を模して、あるいは精霊を表現して作られたと考えられる土製品で、日本では、縄文時代に沖縄県を除く地域で製作された。(中略)故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多い」。 (画像および情報は、「土偶 - Wikipedia」より)
江坂輝彌著の今となっては古典と呼ぶに相応しい、『日本の土偶』を読んだ。ほとんど、昨日の仕事(待機)中に。
1990年の本で、情報は古いかもしれないが、写真が豊富で、読むのもだが、多種多様な土偶を見るのが楽しかった。
土偶は、「農作物の豊饒を祈る地母神崇拝のための人形と解釈されることが多い」ようだ(以下、情報は、「土偶 - Wikipedia」より)。
→ 土偶(縄文の女神) 山形県西ノ前遺跡 実にユニークなデザインだ。現代作家なら真似るのは容易だろうが、匹敵するほどに斬新な造形を生み出すのは難しいだろう。 (画像は、「土偶 - Wikipedia」より)
「現在までに出土している土偶は大半が何らかの形で破損しており、故意に壊したと思われるものも多い。特に、脚部の一方のみを故意に壊した例が多い。そのため、祭祀などの際に破壊し、災厄などをはらうことを目的に製造されたという説がある。また、大半の土偶は人体を大きくデフォルメして表し、特に女性の生殖機能を強調していることから、多産、安産などを祈る意味合いがあったものと推定する説もある」という。
← お昼過ぎ、溝浚いしてきた。雪掻きで、溝に雪を突っ込んだ際に、庭の土や砂利も紛れ込んで、溜まっていた。除雪するたび、庭の土が磨り減っていく。南天の陰に隠れて見えないミカンの木。根元から倒れて……生きているのやら。起こそうとしたけど、ぐったりしている。雪が少なくなったら、添え木をして、再生を図るか。
出産という営為は、昔は(今もかもしれないが)命懸けのことだった。出産で命を失う女性も多かったようだし、子供が無事に生まれるかも神(や仏)に祈るしかない。
もっとも当時は仏さまはいなかっただろうが。
→ 山茶花は今冬も大雪にめげずにずっと咲き続けてくれた。今度は椿の出番だぞ。数本の椿たちよ、我が庭に春を! それにしても、あれだけ、のし掛かっていた雪が融け消え去ったら、常緑の木々が艶々した緑の葉っぱたちが何事もなかったように顔を見せる。雪が被っていても、陽光は届いていたの?
無事に生まれますように、女性が無事でありますように、無事に生まれたなら、感謝の意味を込めて邪気を払う意味でも壊して埋めた(という説もある)。
玩具っぽい、笑ったような表情の土偶もある。玩具と解する説もあるが、当時に在っては高価(手間暇を要した)だったろうし、むしろ、これは冥途の旅へのお土産だったのではと思えたりする。
← 江坂 輝彌著『日本の土偶』(講談社学術文庫) 「土偶のかたちは時代・地域により大きくちがう。本書は300点以上の図版とともに、形態・特徴・出土状況などを体系的、立体的に解説。さらに縄文時代の文化と信仰を探り、土偶の起源を探究する。 土偶はどこから来て、どのように変化したのか」?
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