1月の読書メーター
自分にしては、読んだほう。実際は、正月休みがあったからか。でも、雪搔きで忙しかったことを思うと、なかなかかな。
テレビはニュース番組を含め、昨年の十月から(国会が始まってから)角界の話題で持ち切り。モリ・カケ・スパ問題は無視。政権は救われているなー。
親方連中が理事になるんじゃ、何も変わらない。関取として有能だったからって、組織を管理する能力があるとは限らないのに。
1月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4289
ナイス数:2384
顔面考 (河出文庫)の感想
内容案内によると、「観相学、替え玉妄想、ドッペルゲンガー、生来性犯罪者、醜形恐怖、人面犬・人面疽、整形手術、マンガやミステリに描かれた顔」など、話題が豊富。「博覧強記の精神科医が、比類なき視座から綴ってみせた、前人未到の〈顔〉論にして、世紀の奇書」だとか。
世紀の奇書というのは、やや大げさという気がする。議論が深まらず、話題が多岐に渡り、話が総花的な印象が強い。
感想を改めて書く気になれない。
読了日:01月28日 著者:春日 武彦我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち (ブルーバックス)の感想
本書は、フリーランスの文筆家が、アジア(特にインドネシア)の発掘現場へ取材に赴き、最新の研究の様子を伝えようというもの。特に、監修の海部陽介氏からの、ホットな情報は大きなウエイトを占めている。それだけに、内容は手堅い。やや、取材者の内幕話が過ぎるかなという感はあったが、それも、発掘現場へのアクセスなど研究者の苦労を偲ばせると思うべきか。
読了日:01月24日 著者:川端 裕人日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想
上巻は、呪縛の構図に嵌るに至る、これまでの日本をざっと見渡している。
それなりに日本の歴史を知る者には、時にざっくりし過ぎていると感じるかもしれない。
しかし、天皇陵が公開されないのは、万世一系という建前が、天皇陵を発掘調査研究されることで崩れる恐れがあるからと、率直な指摘を遠慮なくする、そんな口吻が続く点が面白い。
読了日:01月21日 著者:R.ターガート マーフィー走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)の感想
仕事があまりに暇で、残りの130頁ほどを読み終えてしまった。どうする? うちに帰って、別の本と交換してくるか? さすがに本書の感想は、明日。帰宅してからにする。春樹さん、熱心なマラソンランナー、トライアスロンランナーでもあるんだね。墓銘碑に作家でランナー、最後まで歩かなかったと、刻んでほしい、だって。
読了日:01月20日 著者:村上 春樹H(アッシュ) (徳間文庫)の感想
姫野 カオルコの本を読むのは初めて。前から気になる作家だったので(それに、今では死語かもしれないが、女流作家の本を読むのが大好き)、勧められたこともあって、本書を手に取った。タッチ的にはエロ小説っぽい。下手すると、裏ビデオを小説化したのではと誤解されかねない(ちなみに、吾輩はエロ本、春本、大好きである)。そこは、彼女流になのか(ほかの本を読んだことがないので、判断のしようがないが)、ややありふれた男女間の恋愛沙汰を達観したような作家(女)の、同性を見る目の厳しさ、えげつなさもあり退屈はさせない。
読了日:01月19日 著者:姫野 カオルコウンベルト・エーコの小説講座: 若き小説家の告白 (単行本)の感想
本書には、エーコの小説論を分かりやすく過去の例を引きながら説明してくれている。だから、訳者は、敢えて、小説講座としたとか。
納得したところもなくはないが(第三章の「フィクションの登場人物についての考察(アンナ・カレーニナのために泣くということ」など)、一番、違和感を覚えたのは、第四章の「極私的リスト(実務的リストと詩的リスト 列挙の修辞 ほか)」だった。
読了日:01月18日 著者:ウンベルト エーコ世界は細菌にあふれ、人は細菌によって生かされるの感想
細菌学(研究)は、今、科学に関し一番ホットな分野の一つではなかろうか。出産に際し、母から子へマイクロバイオームを移すとか、腸内環境を整えるため、健全な人の糞便を採取し、不調な人の腸に直接移植する、あるいは経口で移すといった、一部で話題になっている研究についても、その研究や治療の現況を丁寧に教えてくれている。
取材の幅広さ、ホットさ、丁寧さは、エド・ヨン氏ならではのものだろう。
読了日:01月14日 著者:エド ヨンペストの記憶 (英国十八世紀文学叢書[第3巻 カタストロフィ])の感想
ドキュメントタッチの作風になっている。語り手は虚構の人物らしく、イニシャルが示されるだけだが、どうやらデフォーの伯父から少年時代に聴いた話らしく、語り手も伯父を想定できるようだ。
本書は、ロンドンでのペストの大流行の悲惨な状況を伯父から聞いて知悉していた。 実際に書かれたのは(刊行されたのは)、1722年。
実は、ロンドンには飛び火しなかったものの、ヨーロッパ大陸でペストが大流行し、危機感を覚えたデフォーが、ロンドンの人びとに警鐘を鳴らす意味で、大急ぎで本書が書いたという。
読了日:01月11日 著者:ダニエル・デフォー宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)の感想
宇宙論の世界では、ビッグバンはもちろんだが、インフレーション理論も既に、データや観測で強固に裏付けられ、仮説の段階は脱している。
それだけではなく、一旦、インフレーション理論を事実として認めると、インシュレーションが一回限り発生したと考えること自体、不自然であり、沸騰するお湯に泡が無数に湧くように、インフレーションする宇宙が無数に生まれたと考えるしかないという(そう考えるのが自然なのだとか)。
読了日:01月10日 著者:ローレンス クラウス大伴家持 - 波乱にみちた万葉歌人の生涯 (中公新書)の感想
古代史や万葉集に関心があるし、なんと言っても大伴家持は越中国司として赴任し、越中滞在中、万葉集に収められている家持の歌、約470首のうちの半数を作った。但し、我輩の一番好きな万葉歌人は、柿本人麿。
ただ、著者が富山県(立山町)の出身者であるということ、何と言っても、扱われている人物が大伴家持であるだけに、手に取るしかなかった。
これまでも、柿本人麻呂関連ほどではないにしても、大伴家持や万葉集を巡る本を読んできた。
読了日:01月08日 著者:藤井 一二読書のすすめ (岩波文庫)の感想
現役の方もいるけれど、多くは一昔前の作家、学者、評論家など。さすがに読書への考えも独特だし、早熟だったり。自分が本を読み始めたのは、かなり遅まき。高校生の頃、勉強より読書に溺れていった。世界の名著(中央公論)が刊行され始め、これがグッドタイミング。出る順に読んでいった。大学生になって、英語のほか、ドイツ語、ラテン語を学んだ。でも、実に付かなかった。哲学を専攻していて、原書を読む重要性を痛感していたのだが。日本はもちろん、ロシアなどを含む欧米の書を読んでいったけど、原書には手が出なかった。それが悔い。
読了日:01月06日 著者:ゲノムが語る人類全史の感想
実に堅実な内容だった。ゲノム研究であろうと、万能なはずもない。過度な期待も、早計な失望も無用。何と言っても学なのであり、分かったことも少なからずだが、分からないことも山ほどあるのだ。読めば読むほど、ゲノム研究から見えるものへの期待と、過大な期待への戒めを感じた。
本書の末尾に、篠田謙一氏の日本に焦点を置いた説明が載っていて理解に資する。ただ、同じ同時に、篠田謙一氏は欧米に比べ、日本のゲノム研究の体制の遅まきぶりや弱体ぶりをも強調されていた。
読了日:01月03日 著者:アダム ラザフォード,篠田 謙一無意識の幻想 (中公文庫)の感想
読んだとは到底言えない。ロレンスの世界にまるで入っていけないのだ。彼の小説は好きで、若いころ、(ほとんど)助兵衛心というか、好奇心で伊藤 整訳の『チャタレー夫人の恋人』を読んだ。何年かして、完訳版で再読し、その前後には、『息子と恋人(息子たちと恋人たち)』も読んだ。高名な作家でも、小説も評論も面白いとは限らない。代表的なのは、ドストエフスキーで、彼の小説は全作品を最低でも3回は読んだが、彼の作家の日記だけは読み浸れなかった。小説じゃなく、素の言葉で政治などの主義主張を始めると、途端に詰まらなくなるのはどうしたものだろう。
読了日:01月02日 著者:D・H・ロレンス
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