『世界は細菌にあふれ、人は細菌によって生かされる 』 !
← エド・ヨン 著『世界は細菌にあふれ、人は細菌によって生かされる 』(安部 恵子 訳 柏書房) 「微生物たちはどのようにして人や動物に働きかけてきたのか。人が微生物を利用する以上に、微生物もまた人を利用する」!
年末年始、読書はそこそこ。健康面は? 降雪量は少なくて、身体には助かったが、運動量は?? 年賀状は例年と違って早めに出した。三日に出してないところから来て慌てて出したのは一件だけ。食は、雑煮、年越蕎麦は(海老天なしが淋しかったが、貰い物で)食べた。昨秋からのマイブームで、自作のカレーライス食べた。自作の焼きそばも食べたし、トーストも。あとの念願は、お寿司。こればっかりは、ハードルが高い。
あ、ラーメンも、いつもよりちょっと高めのを作って食べた。寿司、喰いたい(昨年、20年から30年ぶりにカウンターで食べたっけ)。今年は寿司が夢。
← デイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー [著] 『土と内臓 微生物がつくる世界 』(片岡 夏実 [訳] 築地書館) 「植物の根と、人の内臓は、豊かな微生物生態圏の中で、同じ働き方をしている」!
エド・ヨン 著『世界は細菌にあふれ、人は細菌によって生かされる 』を読み始めた。
一昨年から昨年にかけて、細菌をテーマの本を立て続けに読んできた。半年余りを置いて、新たに現状を総覧するため、本書を読む。細菌研究は近年、脚光を浴びつつある。ヒト(に限らずほぼあらゆる生き物)は、細菌と共生し、細菌なしでは正常に生きられない。宇宙像が大転換しつつあるように、細菌観も大変貌しつつあるのだ。
AI研究についても、脳の研究だけでは、探求は不十分になる可能性が大きい。なぜなら、ヒトの体(の内外)に共生する細菌群がヒトの心に、あるいは知能にも影響している可能性を探らずには人間像も生命像も不十分だろうからだ。尤も、AI研究者にしたら、細菌なんて、ただの夾雑物、視野の外、余計もの扱いなんだろうけど。といいつつ、これから読むんだけどね。
← アランナ・コリン 著『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』(矢野 真千子 訳 河出書房新社) 「あなたの健康を維持している体内微生物の生態系が破壊され、さまざまな問題を引き起こしている」と、警鐘を鳴らす本。
「細菌からデュ・モーリアへ水滸伝へ」(2017/03/31):
思うのは、マイクロバイオームの研究は緒に就いたばかりだということ。ただし、パラダイムシフトを思わせるような、世界観の転換が迫られるとは思う。人体(動植物)の中に夾雑物として黴菌が生息しているのではなく、むしろ、30億年の歴史を有する細菌の世界に、人間などの多細胞生物たちが生まれ、折り合いを付けながらやっと生き延びてくるのことが出来た、むしろそのことのほうが驚きに感じられるようになってきたこと。
その際、人体の内外の細菌の力なくして生きることはできなかったし、これからもできないだろうということ。
有名なピロリ菌も、一時期、排除することに躍起となっていたが、今は、むしろどう共存するかに<治療>の主眼が置かれている。黴菌としてやっつけるのではなく、ある程度の不具合を忍びつつも適度に残ってもらって共存共生を図る。従来の治療のように、やっつけてお終いではなく、あくまで折り合いを付けるにとどめるのである。
が、それが難しい。手洗いにしても、洗浄剤で殺菌するように洗うのではなく、目立つ汚れをさっと洗うほうがいい場合もある。なぜなら、殺菌してしまうと、体に無害な細菌どころか必要な細菌たちをも滅菌してしまう恐れが大だからだ。細菌の海に辛うじて漂っているのが多細胞生物である人間(などの動植物)なのだ。
「エリオットワールドに微生物ワールド」(2017/01/31)
「ヒトの体の柱である細菌たち」(2017/02/05)
← モイセズ ベラスケス=マノフ著 『寄生虫なき病』(赤根 洋子訳 福岡 伸一解説 文藝春秋) 本書を昨日、読了。本書は、ジャーナリストの著ということで、幾分危惧の念が無きにしも非ずだったが、杞憂だった。本書は決定版といっていい本だと感じたのだが、惜しむらくは、索引がないこと。せっかくの本なのに!
「動植物は微生物の海を泳いでいる」(2017/02/17):
思えば、地球上の生命はほとんどの時間を原核生物、ついで真核生物など、やがて多細胞生物へと複雑さの度合いを増していった。植物もだが、人間を含めた動物は、生命界へのほんの新参者に過ぎないのである。
いうなれば、微生物の海に多細胞生物群が懸命に工夫しながら、生命の大海を溺れないよう泳いでいるのである。
当然ながら、人間の体の内外には寄生虫も含めた微生物群がびっしりと取り巻いている。共生している。というより、むしろ、例えば腸内の微生物の活躍のお零れを戴いてやっと生きさせてもらっていることに見られるように、微生物の中に漂ってやっと生きているといったほうが状況認識として正解に近いかもしれない。
肉類だけじゃなく、野菜を摂ることも大事というが、野菜を消化する能力は腸内(人体)にはないことなど、そうした現実のほんの一端に過ぎないのだろう。
19世紀の終わりころから、微生物の狩人たちの活躍が目立ってきた。多くの悪疫を抗生物質の投与などで撲滅することに成功してきた。そうした成功体験が、やがて過度な清潔(衛生)志向を齎すことになる。あるいは、黴菌をやっつけてくれる抗生物質神話が生まれてしまった。
その成功体験が逆に人間に限らず自然界に微生物相の異変をもたらしつつある、そういった理解が進んできた。アメリカなどは、豚や鳥を丸々と肥えさせるため、抗生物質を使いまくっているとか。そんな食肉、あるいは野菜、ファストフードがアメリカに限らず日本などの食卓を彩っているわけだ。
日本でのアレルギー症状を訴える人の数は、ますます増えていくことは必定だろう。
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