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2018/01/01

カネのなる木が我が家に

 この日記を書いたのは大晦日の夜。アップされるのは、元旦の正午頃。
 ということで……。
 謹賀新年!

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→ 大晦日の午前、事情があって急遽、親戚宅へ。自作のアンズ酒などを土産に。代わりに、つきたてのお餅や、画像のカネのなる木を貰ってきた。それぞれの家のルーツ話やら健康(体調)の話題やら、雑談をしばし。父母の亡くなった翌年、自宅の玄関脇にあったカネのなる木は、キウイフルーツなどと共に死滅したっけ。キウイフルーツは、一昨年、畑に植え連年、収穫しているが、カネのなる木は不在のままだった。これで、我が家も金運が高まるか。

 大晦日から正月にかけて、休みを取った。読書三昧のつもりで。

 今は、一冊は、D.H.ロレンス【著】『無意識の幻想』(照屋 佳男【訳】 中公文庫)と、もう一冊は、晦日の夜中か夜半過ぎからアダム・ラザフォード著の『ゲノムが語る人類全史』を読み始めている。文学のある意味での究極と、科学の沈着冷静との両極を楽しむ。

 後者は、ある意味、待望の本。つい先日は、斎藤 成也 著『核DNA解析でたどる 日本人の源流』(河出書房新社)を読み、最新の研究成果を踏まえた日本人のルーツを学んだ。
 今度は、もっと大きい括りで、人類の歴史をゲノム研究に基づいて眺めてみたい。

 まだ、読みだしたばかりで感想めいたことは書けない。ただ序章から既に、随所で示される著者の認識に感銘を受ける。
 たとえば、「DNAから生まれた作り話や神話はどっさりある。遺伝学は、誰がもっとも近い親戚だるかを確実に教えることができるし、私たちのはるか遠い過去の多くの謎を明らかにできる。しかし、あなたが思っているより、あなたは祖先との共通性をはるかにわずかしかもっていないし、あなたの家系のなかには、あなたが遺伝子をまったく受け継いでいない人間もいる。したがって、その人とは、系譜学的な意味ではまぎれもなく子孫だとしても、意味のある遺伝学的な結びつきをもたないのである。あなたが何かで読んできたことにかかわらず、遺伝学は、あなたの子どもがどれほど頭がよくなるか、どんなスポーツをするべきか、どんな異性に憧れるか、どんな死に方をするか、あるいは、なぜ一部の人間が凶悪な暴力や殺人を犯すのか、といったことについて、教えてはくれないことを示すつもりである。遺伝学に何が言えるかとまったく同じように、何が言えないかも重要なのである」(p.21)。

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← アダム・ラザフォード著『ゲノムが語る人類全史』(垂水雄二訳 解説 篠田謙一 文藝春秋BOOKS)

 あるいは、「進歩の度合いを測る物差しは存在せず、かつて使われた「高等」あるいは「下等」といった言葉は、もはや科学にとって何の意味ももたない」(p.26)など。

 ゲノム研究であろうと、万能なはずもない。過度な期待も、早計な失望も無用。何と言っても学なのであり、分かったことも少なからずだが、分からないことも山ほどあるのだ。
 まずは、読むだけ。

 内容の全体像だけ見渡してみたい。
 出版社による内容案内によると:

◆考古学ではわからなかった「世界史」の最先端◆

ヒトゲノム計画以降、急速な進化を遂げたDNA解読技術によって、私たちは数万年前の人類のゲノムも抽出・分析できるようになった。それにより、遺骨や遺跡の存在が不可欠だった従来の歴史学は一変。ゲノムの痕跡を辿ることで、骨さえ見つかっていない太古の人類から現在の私たちへと繋がる、祖先の知られざる物語が解き明かされた――

・ホモ・サピエンスはネアンデルタール人と何度も交配していた
・DNAにのみ痕跡を残す、知られざる「幻の人類」が発見された
・狩猟から農耕への移行を加速させたのは、二つの突然変異の出現だった
・現存する全人類の共通祖先は、わずか三五〇〇年前、アジアにいた
・ヨーロッパを二度襲ったペスト菌はどちらも中国からやってきた


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コメント

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
今年は金のなる木が成長してお金が入ってくれればいいですね!

投稿: シゲ | 2018/01/01 19:38

シゲさん

わざわざ年賀の挨拶、ありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
継続は力なり。ブログのほう、今年も継続したいです。

投稿: やいっち | 2018/01/01 21:07

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