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2018/01/04

『ゲノムが語る人類全史』に感銘

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→ 正月三日の朝。大晦日から昨日まで、氷雨はあっても(もしかして一時の霙も?)、雪は降らなかった。今朝ようやく。待望していたわけでは決してないが、降らないとこれはこれでなんだか落ち着かない。

 ウーマンラッシュアワーの風刺コントが実に面白い。日本の人気コメディアンは、面白くはあるが、政治については、タブー視しているのか、たわいもないコントばかり。
 アメリカのコメディアンを見よ。政治も当然のごとく平気で風刺する。大統領だろうと、遠慮もない。
 これは、能力の差ではない。勝手に忖度して政治をテーマにしない、そのほうが無難という風潮。
 つまり、日常の中で、喫茶で居酒屋で仲間同士、家族の間で、政治を語りあい、意見をぶつけ合う風土がないってことなのだ。民主主義の根幹・土壌がないってこと。

 昨年秋からカレーライスを自作している。今日も久しぶりに。大成功。初めて、人にも勧められるかもって(← 自信過剰)。いつも2食分をまとめて作っているのだが、水加減が手探りだった。今まではドロッとした感じ。今回は、必要十分な感じ。ただ、コンソメなどは入れたけど、ブロッコリーを入れるの、忘れたよ。

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← 藤井一二 著『大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯』(中公新書) 「大伴家持(七一八頃~七八五)は、天平文化を代表する歌人であり、『万葉集』の編纂にも関わったとされる。 (中略) 本書は、残された資料と各所で詠んだ歌から、謎の多い彼の全生涯を描き出す」とか。

 藤井一二 著の『大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯』を読み始めた。
 古代史や万葉集に関心があるし、なんと言っても大伴家持は越中国司として赴任し、越中滞在中、万葉集に収められている家持の歌、約470首のうちの半数を作った。但し、我輩の一番好きな万葉歌人は、柿本人麿。

 東京(関東)で地震があったらしい。この読書メーターでも呟きが散見される。東京在住時代も一人暮らしだったけど、ドアか窓に気配を感じたら、地震かなと。でも、富山ではめったに地震がない。なので、一人暮らしの部屋でぐらッと来たら、侵入者かと、まず思う。東京都とは違う意味で不審な揺れは怖い。

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→ うっすらとした雪化粧。雪国に生きると、雪は時に疎ましいものだが、薄化粧なら風情がある。表の庭から裏庭への小道。床しい? 覗かないほうが賢明かもね。


 アダム・ラザフォード著の『ゲノムが語る人類全史』を元旦に読み始め、今日三日、読了した。
 本書について、読み始めた当初、以下のように書いた:
 ある意味、待望の本。つい先日は、斎藤 成也 著『核DNA解析でたどる 日本人の源流』(河出書房新社)を読み、最新の研究成果を踏まえた日本人のルーツを学んだ。
 今度は、もっと大きい括りで、人類の歴史をゲノム研究に基づいて眺めてみたい。

 まだ、読みだしたばかりで感想めいたことは書けない。ただ序章から既に、随所で示される著者の認識に感銘を受ける。
 たとえば、「DNAから生まれた作り話や神話はどっさりある。遺伝学は、誰がもっとも近い親戚だるかを確実に教えることができるし、私たちのはるか遠い過去の多くの謎を明らかにできる。しかし、あなたが思っているより、あなたは祖先との共通性をはるかにわずかしかもっていないし、あなたの家系のなかには、あなたが遺伝子をまったく受け継いでいない人間もいる。したがって、その人とは、系譜学的な意味ではまぎれもなく子孫だとしても、意味のある遺伝学的な結びつきをもたないのである。あなたが何かで読んできたことにかかわらず、遺伝学は、あなたの子どもがどれほど頭がよくなるか、どんなスポーツをするべきか、どんな異性に憧れるか、どんな死に方をするか、あるいは、なぜ一部の人間が凶悪な暴力や殺人を犯すのか、といったことについて、教えてはくれないことを示すつもりである。遺伝学に何が言えるかとまったく同じように、何が言えないかも重要なのである」(p.21)。

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← アダム・ラザフォード著『ゲノムが語る人類全史』(垂水雄二訳 解説 篠田謙一 文藝春秋BOOKS)

 あるいは、「進歩の度合いを測る物差しは存在せず、かつて使われた「高等」あるいは「下等」といった言葉は、もはや科学にとって何の意味ももたない」(p.26)など。

 ゲノム研究であろうと、万能なはずもない。過度な期待も、早計な失望も無用。何と言っても学なのであり、分かったことも少なからずだが、分からないことも山ほどあるのだ。
 まずは、読むだけ。

 ……と書いたが、読めば読むほど、ゲノム研究から見えるものへの期待と、過大な期待への戒めを感じた。
 本書の末尾に、篠田謙一氏の日本に焦点を置いた説明が載っている。
 ある意味、つい先日読了した斎藤成也著の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』に纏められているような話。
 同時に、篠田謙一氏は解説で、欧米に比べ日本のゲノム研究の体制の遅まきぶりや弱体ぶりをも強調されていた。

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