ロレンスの『無意識の幻想』に当惑幻惑
親戚宅を訪れた際、あれこれ四方山話に花が咲いたが、やはり健康問題が多かった。頻尿の話やら歯の話やら。聞くところによると、通っていた歯医者さんへ久しぶりに行ったら、閉院していて、何処へ行くか、新しい歯科医院で一からこれまでの経過を説明したとか。その中で、カルテが話題になった。医院を閉じるのはいいけど、カルテはどうなるのか。自分はカルテを廃棄するはずないって主張したけど、どうなんだろう?
事件や大規模事故あるいは災害で、身元を確認する免許証などがない場合、頼りになるのは(現場に歯型の取れる物証がある限りは)歯型。刑事ものドラマなどで、歯科医院に歯型を確認しろっていう場面が折々ある。仮に、歯科医院が閉院でカルテが廃棄となったら、困るはず。恐らくは何年かはカルテを保存するはず。医師には退職してもカルテだけは保存する義務があるのではなかろうか。
→ 長く降り続く雨で、雪に埋もれていた花々が姿を現した。山茶花だろうか、雪が降ろうとお構いなしに咲き続ける。いつもながら、なぜ、虫も鳥もあまり活発じゃない冬に咲くのだろう?
チューリップテレビの「ゴミノヒカリ~未来を照らすアルミゴミ発電~」を再放送(でも)観た。今、知ったのだが、2017年度の「科学放送高柳賞」の優秀賞を受賞したということもあって、再放送された(と推測する)。
この番組は、「アルハイテック株式会社(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:綿貫勝介)は、リサイクルが困難と言われていたアルミ系廃棄物からアルミを分離し水素を発生させ、発電に利用する画期的なシステムを独自に開発したもの。これは、「nedoアルミ系廃棄物から水素を抽出し発電に利用するシステムの検証に着手」された。
開発者の方の、これからという時の重い病との闘病もあって、なかなか感動的だった。
ビートルズのLP「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(」の制作過程を映した番組を観た。いかに先進的だったか改めて痛感。「フールオンザヒル」とか「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」など。
D.H.ロレンス著の『無意識の幻想』を読了した。
いや、読んだとは到底言えない。ロレンスの世界にまるでついていけない。入っていけないのだ。
彼の小説は好きで、前にも書いたが、若いころ、(ほとんど)助兵衛心というか、好奇心で伊藤 整訳の『チャタレー夫人の恋人』を読んだ。何年かして、完訳版で再読し、その前後には、『息子と恋人(息子たちと恋人たち)』も読んだ。
← D.H.ロレンス【著】『無意識の幻想』(照屋 佳男【訳】 中公文庫)
高名な作家でも、小説も評論も面白いとは限らない。代表的なのは、ドストエフスキーで、彼の小説は全作品を最低でも3回は読んだが、彼の作家の日記だけは読み浸れなかった。主義主張を始めると、途端に詰まらなくなるのはどうしたものだろう。
ロレンスのパセティックな文章。強烈な思いがあるのは鈍感な自分にも感じられる。
主張は、原初の意識、つまりは「生」が大事で、その解放が政治であれどんな世界であれ、先決である、というものだろう。
アンリ=ルイ・ベルクソン風の生の躍動とも違う。といって、ショーペンハウエルの生の哲学、つまり、生への盲目的意志こそが宇宙の根源だというのとも違う。
理解不能。
自分は高校時代からのショーペンハウエル派。どこまで理解しているかは別にして、彼の主著はそれぞれ違う人の役で4回読み通したほど。ロレンスのこの著作にはフロイトは出てくるが、ショーペンハウエルは登場しない。
ロレンスがショーペンハウエルの主著を一度でも読んでいたらと思うのだが、残念である。
拙稿「弦の音共鳴するは宇宙かも」を参照願いたい。
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