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2018/01/02

12月の読書メーター

 富山市は昨夜来の雨だ。氷雨。初日の出なんて山の彼方の話。あとほんの1度気温が低ければ雪だったろうし、この本格的な降り方だと、今頃は積雪が50センチは軽く越えていたに違いない。氷雨の元旦は淋しいけれど、この雨で年末に降った雪も溶かし去ってくれたのだし、雪国富山としてみれば恵みの雨と言うべきかもしれない。

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← 高村薫/著『土の記(上)』(新潮社) 書店で探したのは、この本。ところが、この本どころか、同氏の本は単行本も文庫本も一冊も見当たらなかった。

 親戚宅にお邪魔した帰り、書店に立ち寄った。オリバー・ストーンか高村薫さんの本を買いたくて。けれど、結構、大型店なのに、ストーンはともかく、高村さんの本が一冊も見当たらない。念のため、「こうむら」じゃなく、「たかむら」でも物色したけど、ダメ。硬派の本は置いてないのか、人気がないのか。

12月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3778
ナイス数:1524

朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)感想
彼女は、往時の日本を、朝鮮から中国(清、満州)を、さらにはトルコを旅してまわった。
 偉丈夫? とんでもない。「イザベラ・バードからのメッセージ」によると、幼いころから病弱で、脊椎を病み、22歳以降の旅行は、医者の勧めで転地療養の意味もあったとか。
 だが、列車や車などでの移動ではない。馬や船、日本では人力車も多用したというが、いつも利用できたわけではないし、山岳地帯を手探りで分け入ったこともあるし、そもそも脊椎を病む体には、馬だって長時間の乗馬だとつらいものだったろう。
読了日:12月30日 著者:イザベラ・バード
核DNA解析でたどる 日本人の源流: 日本列島人の起源論争は振り出しに戻った…核DNA解析でたどる 日本人の源流: 日本列島人の起源論争は振り出しに戻った…感想
この手の話題の本は、大好物で、よほど専門的なものでない限り、古代史を含め、目につく限り読んできた。ここが本書の要諦だろうか、著者は、「縄文人、弥生人とは異なる第三の集団を想定し、「ヤポネシアへの三段階渡来モデル」を提唱」している。
 ただし、「縄文人のあと弥生人の来る前に第三の集団の渡来があったとする仮説だが、この集団は漁労を主とする「海の民」なのか、考古学の藤尾慎一郎の説く「園耕民」(農耕も行う狩猟採集民)なのか、検証はこれからの課題」なのだという。

読了日:12月28日 著者:斎藤 成也
女系図でみる驚きの日本史 (新潮新書)女系図でみる驚きの日本史 (新潮新書)感想
車中で(つまり仕事での待機中に)読み始めたのだが、題名のごとく、まさに女系図でみる驚きの日本史だった。
 面白いし、驚きの連続で、いっそのこと、仕事を休んで帰宅して家で最後まで読み通そうか、なんて。
 でも、自重した。夜半過ぎに帰宅し、ひと眠りした後、続きを残りの140頁を一気に読み通した。
読了日:12月26日 著者:大塚 ひかり
彼女たちの売春 (新潮文庫)彼女たちの売春 (新潮文庫)感想
同氏は、長年に渡って売春(ワリキリと読む)などに走る女性たちを取材してきた。
 面識のない女性たちにあの手この手でアポを取り、ドタキャンに真っ暗になったりしながらも、東京だけじゃなく地方でも取材を重ねてきた。毎年そ百人以上を十数年、既に通算すると3,000人を超えるという。


 こうした取材を始めるに大きな理由はなく、ある日、「そうだ、取材してみよう」と思い立ったからと、本書(第一章)にはある。

読了日:12月22日 著者:荻上 チキ
徘徊タクシー (新潮文庫)徘徊タクシー (新潮文庫)感想
思いもよらぬ物語。まあ、趣向としては面白い……かもしれない。
 いわゆるタクシーのプロドライバーを念頭に置いての話ではない、その意味で自分の参考にはならないとしても、認知症の老人は(所謂ボケているんじゃなくて)異次元の世界を自分の意志で何かを目指して動いているんだ、という発想は貴重だし、展開の余地は相当にある。
読了日:12月20日 著者:坂口 恭平
数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて感想
「物理学、天文学、数学をもとに、著者は大胆な仮説「数学的宇宙仮説」――私たちの生きる物理的な現実世界は、数学的な構造をしている――そして、究極の多宇宙理論を展開」するという。しかも、数式を使わない、やさしい説明。しかし、書かれた内容は相当なもの。ここまでは、まだ前半部分まで読んでの感想。今日(18日)読了した。
読了日:12月18日 著者:マックス・テグマーク
重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)感想
物理学や天文学に関心があっても、まして重力波を初めて捉えたという偉大な業績に興味津々であっても、小難しい理屈や数式は苦手という方、むしろ歴史的偉業の裏に繰り広げられただろう人間ドラマにこそ興味があるという方には、うってつけの本だろう。

 吾輩などは、著者がジャーナリストではなく、宇宙論などの専門家でもあるのだし、もう少し理論面で突っ込んだ説明もあってほしかった思いもあるが、ないものねだりだろう。

読了日:12月16日 著者:ジャンナ ・レヴィン
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)感想
本作はむしろ、筋書きより、まさに残酷な真実が徐々にさらされていく、その過程にこそ妙味がある。
 医学的には、既にES細胞や山中伸弥教授のiPS細胞研究の発展が代替技術を提供していると言えるだろう。
 その意味で、話自体は現実性が難しいかもしれない。
 健常者たちの生存のために、ただそのためだけに作られた人間もどきの悲劇は、さすがに同氏の筆力もあって、読ませるものがあった。
 ただ、同氏の本の二冊目に自分が手を出すかは今のところ微妙である。
読了日:12月10日 著者:カズオ・イシグロ
ケルト幻想物語 (ちくま文庫)ケルト幻想物語 (ちくま文庫)感想
民俗学者でもあったイエイツが「アイルランド各地方の農民や漁夫など人々の間に口碑として伝わっていた昔話や妖精物語を自ら蒐集し記録した。併せて、他の作家たちが再話した物語も含め選択編纂し何冊かの本を刊行した。本書はその中から更に選択編集したもの。アイルランドには、キリスト教の影響を受けることが遅く、イエイツの生前(特に少年の頃)には農民の間に自然は霊的な力を持つという汎神論、霊魂不滅や・転生を信じる心が伺えたのだろう。イエイツには、彼が言う未開人の心性への親和性が子供のころからあった。

読了日:12月05日 著者:
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1: 2つの世界大戦と原爆投下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1: 2つの世界大戦と原爆投下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
戦争末期、アメリカはロシア(ソ連)より原爆製造、さらには実戦での使用を急いだのだが、ソ連はとっくに開発に着手していた。
 が、ソ連は、アメリカが実際に原爆を投下したことに驚愕する。降伏の意思は示しているし、日本列島の随所を空襲で焼け野原にした以上は、軍事的には原爆投下の意味はないってことは、ソ連もだが、アメリカの多くの軍事当局者も知悉していた。トルーマン大統領に投下はやめるよう進言していた。
 が、人種差別主義者で特に日本人を軽蔑していたトルーマンは聞く耳を持たない。

読了日:12月03日 著者:オリバー・ ストーン,ピーター・ カズニック

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