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2017/10/16

太陽がいっぱい火山もいっぱい

 パトリシア・ハイスミス 著の『太陽がいっぱい』を読了した。一級の文学作品というわけにはいかないが、サスペンス感に溢れた一級の娯楽作品。

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← パトリシア・ハイスミス 著『太陽がいっぱい』(佐宗 鈴夫 訳 河出文庫) 「息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへと旅立った。息子のディッキーに羨望と友情という二つの交錯する感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画するが…」といった物語。 映画「太陽がいっぱい」の原作。

 映画「太陽がいっぱい」の原作ということで一度は読んでみたいと手に取った。
 ルネ・クレマンの映画はかなり脚色されていることが分かった。小説の細かな細部は生かしきれないが、その代わり哀愁に満ちたサスペンス映画となっている。
 映画のストーリーや、あの印象的な結末は、あくまで映画の話。
 小説では、なんと、犯罪者たる主人公は……(あとはネタバレになるので略す)。

 言えるのは、映画もだが、小説は、イタリアなどの観光地の魅力を存分に生かしているということ。サスペンス小説であり、観光地巡り小説でもある。
 やはり、魅力的な舞台(土地)は、小説に仕立てやすいし、仕立ててみたくなるということだろう。


 石 弘之著の『歴史を変えた火山噴火 自然災害の環境史』を読了した。
 本書によって、「環境史」という学問があることを知った。
 筆者によると、「二〇万年におよぶ人類史のなかで、自然の環境変動や人類による環境改変がどのように発生し、その結果人類はどのような影響を被ったのかを、時間・空間的に追及する学問領域」というのが最大公約数的な定義だとか。

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→ 表通り沿いの庭でひっそりと咲くシュウメイギクの花々。その群生、通りに向かって咲いてくれればいいのに、まるで車道に背を向けるように。花たちは蔵の壁面に向かって咲いている。だから、自分も気が付くのが遅れた。一昨日も本ブログで紹介したが、ネッ友からアップした画像を観たいとリクエストがあったので、今日、早速、どんよりした空のもと、スマホで撮影。花びらの白さが絹よりも細かな糸で縫製されたようで、眩いほど輝いている。

 本書についての感想は、一昨日のブログでも多少のことを書いている:「我が庭に在って自然を想う
 そこにも書いたが、そもそも火山関連の一連の本を読みだしたのは、「古事記」神話と火山との関連について関心を抱き始めたからである:「古事記神話と火山学・地球物理学

 巨大な火山噴火が人類に衣服の発明という結果をもたらしたとか、オゾン層の破壊という事実を人類が知ったのは、やはり巨大な火山噴火の調査のゆえだったとか、九州南部の縄文文化を崩壊させたのは、鬼界カルデラ噴火が自然に与えた打撃の結果だとか、興味深い事実を知ることができた。
 アトランティス伝説とも無縁ではないサントリーニ島火山や、ポンペイ最後の日とも関わるヴェスヴィオス火山の話なども面白い(なんて言っては不謹慎だろうが)。

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← 石 弘之著『歴史を変えた火山噴火 自然災害の環境史』(世界史の鏡 環境1巻 刀水書房) 「火山噴火が人類の歴史に与えた影響を辿る、最新の環境史誕生。七万年前のトバ噴火は甚大な 被害を人類にもたらし、近くはナポレオンのロシア遠征失敗は噴火による“火山の冬”が原因 ・・・等々。終章では、巨大噴火の可能性がある世界各地十一か所の火山(日本は鹿児島姶良カルデラ)を紹介する」といった本。

 西暦五三五年に地球規模の大異変が起きていたことは、世界各地の古文書、年代記、伝承で知られてきた。異常寒波、自然災害、飢饉、疫病が発生し、その結果、政変や文明の崩壊が起きたことはすでに知られていた。
 なんと、過去二〇〇〇年間で最悪の気候だったと言われている。
 原因は諸説あったが、今は超弩級の火山噴火ゆえのだというのが、年輪など様々なデータから定説になりつつある。
 どうやら、インドネシア島とスマトラ島の間のクラカタウ火山での噴火だったとみられている。

 五三五年というとピンとくる人もいるだろう。仏教の伝来(仏教公伝)の年に近い(五三八年や五五二年など。「仏教公伝 - Wikipedia」参照)。
 古くからの国神があるにもかかわらず、外国の神である仏教がなにゆえ政変を超えても百済の聖明王により日本にもたらされたのか。
 その頃、世界的に気象異常が発生し、日本でも飢餓や疫病が深刻になっていたからだった。朝鮮半島は当時、日本以上に異常気象(の齎した洪水などの自然災害)に苦しんでいて、政変があった。
 さらに中国でも火山灰がもたらした寒波(とその結果の飢饉)などに苦しんでいた。
 火山灰は空を覆い、昼間でも闇が深くなった。
(アマテラスの岩戸伝説もこの辺りに淵源があるのかもしれない。)
 従前の国神の権威が揺らいでしまったとも考えられるわけである。

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