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2017/07/31

里山は日本の原風景という幻想

 一昨日、これでもかというくらい、野菜を収穫したのに、今日、畑を観たら、キュウリもナスも、ミニトマトも山盛り。キュウリは、今回は人にあげないで、浅漬け。ミニトマトは、どんぶりに盛って、冷やして、明日にでも食べるかな。ナスは温存。明後日、もっと育ったところで収穫し、人にあげちゃう。

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← 田中淳夫 著『森と日本人の1500年』(平凡社新書 ) 「時とともに変わる風景。今ある緑は、どんな経緯を経て生まれたか。その景観に人はどのように関わってきたか」。

 写真、撮るの忘れてたけど、スイカ、数日前とはまるで違う大きさ。いよいよスイカっぽくなった。さて、いつ収穫するか。
 自宅では、相変わらず、ポール・オースターの自伝と、イサベル・アジェンデのノンフィクション(でも、小説以上に物語だ)を並行して読んでいる。まるで異世界。文学の世界の幅広さを日々、痛感している。

 核のゴミを日本の何処かの地下に埋める。長いと十万年も! 今から十万年前って、縄文時代よりはるか昔。旧石器時代! ああ、我々の遺物は、数万年後の未来の人は見ることがあるのだろうか。誰が安全性を担保する? ホントに真面目に実行する気なのか? そもそも、人類は生き延びられる? 何か別の種が進化して、溜息混じりに対処するのかな……

 スーパーでたまにアイスクリームを買う。困るのは、暑い中、帰宅途上で溶けていくこと。自転車でダッシュ! 知り合いと会っても、手で挨拶。お喋りより、アイスクリーム!

 田中淳夫 著の『森と日本人の1500年』を読了した。この手の本は、ありそうで、少ないので貴重な本。
 日本の国土の3分の2は森林。日本人は古来より森を、木々を大事にしてきた、その結果だ……と思いたい。
 が、実態はまるで違っていた。676年に天武天皇が飛鳥川流域の伐採禁止令を出していたとか、そもそも古墳を作るためには、周辺の木々を相当伐採したのだろうと思える。度重なる都の移転は、いろいろ理由はあったようだが、その一つには、周辺の森の木々を伐採し尽くしたこともあったようだ。

 戦国時代は戦乱の世。各地に城が築かれた。ということは、周辺の木々を乱伐したということを意味する。
 江戸時代の末期には、山林の荒れようは見るも無残だったようだ。

 明治になっても、先覚者の警告や、一部見識ある政治家の林業への取り組みがあったにも関わらず、森は荒れ放題だった。富岡製糸場を作るためにも(動かすためにも)火力が必要になり、乱伐の限りを尽くした。
 樵などがいて、里山が守られてきた……なんてのは、実は夢物語、ただのおとぎ話だったようだ。
 たまたま、日本は、山を禿山にしても、風土が草を木を生やし茂らせてくれたのだ。
 実際、人が手を入れた山より、放置した山林のほうが木々の育ちがよかった地域もあったとか。

 あるいは、木材が商売になると分かると、時には鎮守の森のはずの木々さえ、ドンドン伐採していったとか。
 日本人が森を、木々を、自然を大事にしてきた、なんてのは、冗談にも言えない。

 よく根拠もなしに、日本は縄文時代、自然との共生を大事にしてきた、縄文の生き方に学ばねば、なんて俗説を唱える人がいるが、残念ながら、まるで実際とは違うことは、述べておかないといけない。

 過日、山野井徹著の『日本の土 地質学が明かす黒土と縄文文化』(築地書館)を読んだ:
拙稿「山野井徹著『日本の土 地質学が明かす黒土と縄文文化』に学ぶ

 その主張の要点は、「日本列島を覆う表土の約2割を占める真っ黒な土、クロボク土。火山灰土と考えられてきたこの土は、縄文人が1万年をかけて作り出した文化遺産だった」こと。
 縄文人は、長年に渡って、山焼き、野焼きを繰り返し、クロボク土という人為的な層を作りなしたほどなのである。

 それでも、日本の土壌は回復し、草を生やし木を茂られる、日本の特殊な風土に甘えてきたのである。

 日本の自然への認識の甘さは、今も続いている。木材を海外から輸入して、木造の家を建てたり、建築資材にしているのだが、それは海外の樹林を荒廃にするという犠牲の上に成り立っていることから目をそらしているの。
 樹木の大事さ、森の保全。山林の育成。これらは、日本が相当な覚悟を以てゼロから学びなおす必要がある、それだけは言えそうである。

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← 山野井徹[著]『日本の土 地質学が明かす黒土と縄文文化』(築地書館) 本書の内容案内に、「日本列島を覆う表土の約2割を占める真っ黒な土、クロボク土。火山灰土と考えられてきたこの土は、縄文人が1万年をかけて作り出した文化遺産だった」とある。本書の存在は、『ユリイカ 2017年4月臨時増刊号 総特集◎縄文 JOMON』の中の山野井徹氏著「土からみた縄文文化」で知った。

 そのほか、本書では、戦後、GHQは、天然資源局林業部により、「日本における民有針葉樹林の経営」という論文を作成。日本の民有林業の惨状を把握。日本では間伐をしていないなど未熟さを指摘。
 日本には林野庁もあるんだよね。何してるんだろう。
 とにかく、日本の林業の惨状も、ノウハウの薄さも、分かった。なかなか勉強になった。

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