『パウラ 水泡(みなわ)なすもろき命』と相模原事件
→ 「雨晴海岸」は、西から海越えに立山連峰を眺めると絶景。でも、今日は逆に。これはこれでいいもんだ、と思っておこう。ちなみに、吾輩が撮影している足場は、「国分浜海水浴場」。「雨晴海岸」は、海辺に浮かぶ小島(岩場=男岩)の向こう側。
【カフェで本読むの好きな人に質問】とあったけど、返答はできなかった。というのも、帰郷して約十年。郷里の富山にはもう、かつてあったような喫茶店はなくなった。まさに、あるのはカフェ。そういう店は嫌い。昔ながらの喫茶店が恋しい。東京在住時代、よく、多摩川沿いのある喫茶とか行ったっけ。学生時代も好きなスナックがあった。どこへ行くにも本を片手に、だったので、読めるような店を選ぶ。もう、落ち着いた雰囲気の店はない、いや、知らないってことか。
富山はまだ梅雨明け宣言が出ていない。でも、夏の暑さはすでに日々。そんな中でも食欲があって、美味しいものを食べたいと思う。ただ、不幸なのは貧乏なので、もう、十年以上、寿司屋さんで寿司を食べたことがない。美味しい焼き肉を食べたい。でも、高くて敷居が高い。そもそも、炭水化物ダイエットを栄養士さんに言われ、ご飯も麺類もダメだって。こっそり、ご飯などは食べるが、パックもの。炊飯器でご飯を炊かなくなって一年以上になる。ああ、炊き立てのご飯を食べたい!
そうそう、先日、姉が訪ねていきました。いろいろお喋りした中で、ご飯の話も。炊飯器で炊かなくなって久しいというと、炊き立てを小分けしラップ、冷凍するといい。なんなら、作ってやろうかとも。うーむ。炭水化物の摂取は控えろと栄養士さんらに言われているんだけど、どうする? 堂々と……いや、こっそり、もらっちゃおうかなー。
NHKラジオでの夏休みこども相談室(やや不正確かも)。子供らの素朴な質問に専門家が答える。何が難しいって、子供にわかるように説明すること自体。ところで、ある子供が昆虫はどうして体が三つに分かれているんですか、と質問した。これは、相手が大人だったら、体が頭部・胸部・腹部の三つに分かれている動物を昆虫と定義していると返答してお茶を濁す。でも、そもそも、どうして三つに分かれているか自体は、今も謎のままなのだとか。先生も、今もわかっていないのですと、正直に答えていた。
← イサベル・アジェンデ 著『パウラ 水泡(みなわ)なすもろき命』(菅啓次郎 訳 国書刊行会)
イサベル・アジェンデ 著の『パウラ 水泡(みなわ)なすもろき命』を読み続けている。
出版社の内容案内によると、「遺伝性の代謝異常で病床についた最愛の娘パウラ、意識の戻らぬ彼女にあてて、看病の合間に綴った手紙は、一人の母親の感動的で鮮烈な苦悩の記録として読者の心を打つ。天性の語り部によるノン・フィクション」だとか。
ゆっくりじっくり読んでいる。読みごたえがある。作者の娘さんが結婚して間もなくポルフィリン症で意識を失い眠り続ける。母(も周りの誰もが)意識の回復を祈るが叶わない。チリのアジェンデ政権の転覆とその後の軍部による戒厳令下の混乱を背景にした、ドキュメント性もあるノンフィクション。だが、作家の作品は並のノンフィクションにとどまるはずがない。
読みながら、相模原での不幸な事件をどうしても連想してしまう。知的障害者を扱う本ではないので、性格は違うが、意識障害で自らの意思を表現できない。あるいは、医師らの言うように、本人に意識も意志すらも皆無なのか。だが、母(作家)も含め、何が何でも娘を直すのだ、見捨てることはしない、施設に預けず自分らで世話をする……。相模原での不幸な事件をどうしても連想しないわけにいかない:
「相模原障害者施設殺傷事件 - Wikipedia」
犯人は障碍者は周りに不幸をもたらすばかりだと主張しているとか。この事件が衝撃を以て受け止められているのは、犯人の身勝手な主張を断固非難しても、障碍者を抱える家族や関係者の厳しい現実をいささかも緩和できないことだ。警察も(関係者の意見なのか)被害者らの氏名を公表していない。なぜ。ほかの事件での被害者と扱いを変えるのは、配慮なのか、差別ではないのか。あるいは、この事件を前にしての我々の戸惑いを如実に表しているとも考えられる。あまりに現実は厳しい。
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