『精霊たちの家』に感激 (上)
早暁、トイレへ行こうとしたら、何やら音が。もしかして雨? 窓外を覗いたら、しっかり雨。待望の雨。吾輩より、庭木などのほうが喜んでいるはず。今日は野菜への水遣りも不要。外仕事もお休み。
← 今日の収穫。雨が上がったので、畑を見に行ったら、キュウリなどが生っていたよ。夕方、早速、どちらも浅漬けにした。明後日には口にできるよ。楽しみ!
毎年、悔しい思いをさせられる木がある。5月から6月にかけて(毎年)開花するのに、花の撮影に一度も成功したことがない。花の大きさも20センチほど。それは、泰山木。枝葉が生い茂っていて、しかもなぜか高いところに咲くので、葉っぱの隙間から垣間見るしかないのだ。いつか、撮るぞー!
昨夜は、イサベル・アジェンデ著の「精霊たちの家」も読了。毎日読んだわけではないが、二週間を要した。長編を読了した充実感たっぷり。マルケスの「百年の孤独」に劣らない傑作だ。彼女のほかの作品を読みたいと思った。筆力や語りのうまさは、たまたま傑作が生まれたのではのではなく、生まれるべくして生まれたと思わせられたからね。
← イサベル・アジェンデ著『精霊たちの家』 ( 木村 榮一訳 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7)
分厚い本。しかも、初めての作家。かのアジェンデの娘さんだという情報を得ただけ。が、冒頭の数頁どころか、数行も読まないうちに、これは読むべき本と実感。ある程度の水準を保った記述がどの頁を捲っても恵まれる。あの『百年の孤独』を思わせるのは事実だし、一部には模倣が多いという意見もあるらしい。小生に言わせれば、とんでもない! 似て非なる世界を現出させているではないか。マルケスが苦手で描かなかった心霊術の世界、精霊の息づく世界をも、登場人物次第では当たり前の日常として淡々と描いていく。
心霊術と近代科学とが奇妙に混淆する南米。そうした世界だからこそ、マルケスの『百年の孤独』やドノソの『夜のみだらな鳥』や、本書などが生まれるのだろう。日本は明治維新がある意味、一時的に成功しすぎて、廃仏希釈などで古き良き人間性を圧殺してしまった。漱石にしろ鴎外にしろ、西欧近代の小説をどう理解し受容し、日本の独自性を築くかに苦闘した。だが、彼らは僻地や地方に残っていただろう心性には目を向けきれなかった。わずかに、藤村の『夜明け前』などに維新の陰で押し潰されていった、革命の陰に蠢く人物群を描いたばかり。
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