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2017/05/19

『岬』も濃いが『枯木灘』も

 今日(水曜日)も富山は晴れ。ただ、立山連峰の勇姿は雲で全く見えず。晴れなのに見えないってことは、天気、ヤバイのかなって思ってたら、ほんとに夕方になって、平野部にも雨。畑に植えたばかりの野菜の苗たちには、恵みの雨かも。

9784309413396

← 中上健次 著『枯木灘 新装新版』(河出文庫) 「熊野を舞台に繰り広げられる業深き血のサーガ」とか。

 中上健次著の『枯木灘』を読了した。『岬』もよかったが、本書もなかなかの本。正直、若いころの自分には濃厚すぎて読めとおせなかったのも無理はないと痛感した。

『岬』もだが、『枯木灘』も、同じように一族のある男を中心にした、濃厚な血(欲)を巡る話。
 筋違いとは思いつつも、(軽薄な理解のされ方の意味での、リチャード・ドーキンス曰く「利己的な遺伝子」説を連想してしまったり。つまり、「あたかも遺伝子自体が意志をもって利己的に振る舞うかのごとくイメージ」である。登場する人物の誰もが、我がままでエゴの塊のような男に振り回される。

 この男には女は血を伝える道具に過ぎない。己の欲のエキスをその場その場で気に入った(目に入った)女にそそぐ。同時に複数の女に種を宿させることも厭わない。
 だが、その子供や妻らは複雑に入り交じり交錯する血縁関係と血の毒々しさに、あるものは自死に追いやられ、殺人に駆られ、気の狂った娘として生まれ、しかも、その娘を近隣の誰彼どころか、一族のものまでが犯して、さらには死に追いやってしまうのである。

 一粒の麦死して無数の麦が地を覆いつくす。しかも、一族の麦たちが血で以て塗り尽くそうとする。
 熊野の地の森の深さは、血の濃さでもある。古代の王権を巡って鎬を削りあった聖なる連中を、千数百年の時を超えて、この熊野の地で、土地にへばりついて生きる連中、俗の極みといった連中がポジに対するネガのように、因果し陰画するのだ。

 スマホから誰でも簡単に売り買いが楽しめるフリマアプリのメルカリでの初めての発送のため、コンビニに行ってきた。手続する機械を見つけるのもドキドキ。画面やスマホを見ながら、たどたどしくも手続きを行っていた。隣は雑誌コーナー。しかも、機械の隣はエロ本のコーナー。冷や汗をかきながら手続していると、館内放送が。

 当店では雑誌(だけならいいが、写真雑誌)の立ち読みはお断りしています、と。店員のいるカウンターからだと、吾輩がエロ本を捲っているように見えた? エロ雑誌、嫌いじゃない(好きです)。でも、今はそれどころじゃないって。なんとか、続きを済ませてチケットを持ってカウンターへ。どうだ、俺はH雑誌なんて見てなかったんだぞーと、チケットを店員に提示。

 今日(木曜日)も庭仕事。畑では、植えた苗たちに水遣りをしただけ。蔵の一階には、練炭などが何袋も。コンロやら火鉢が何個も。二階に上ってみたら、立派(だっただろう)箱に入った什器がたくさん。お袋が元気なころは、折々漆器の類は磨いていたらしいが、半身不随になってからは放置。埃をかぶるだけ。漆も汚れて…。

 虫が食っていたが、桐箪笥もあった。中を覗くと、衣服(多くは和服)が詰まってる。あまりに古すぎて、父の若いころの服か、祖父の服なのか不明。女物の衣料も。さらに、何かの証文らしい古文書も……と思ったが、昭和の二十年代前半なので、古文書というのは、大げさだ。

 我が家は(正確には富山市の市街地は)、アメリカ軍による激しい空襲で全焼した。母屋も納屋も蔵も。なので、どんな文書だろうと、あったとしても、戦後のものしか存在しないのだ。実際、菩提寺であるはずのお寺も全勝したので、過去帳の類は建物と共に消滅したのである。
(「富山大空襲 - Wikipedia」や、拙稿「富山大空襲と母のこと」などを参照のこと)

 父母の七回忌も昨年、済んだし、蔵の中身も徐々に捨てていく。什器の類は使い物にならないし、長持ちも覗いてみたが、誰のものともしれない衣服があるばかり。捨てても誰も文句は言わないだろう。供養と思って葬ることにする。
[誰かのコメントを受けて]そうですね。どこかで誰かが思い切って処分するしかないですね。ただ、父が凝っていた俳句の冊子類、亡くなる直前まで執念を燃やしていた篆刻関係の遺物、母の民謡関連の遺物や写真類だけは残したいです。

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