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2017/05/06

晴耕雨読 読書と庭仕事の日々

 今日も庭仕事。庭や畑の整地作業。日中、雨降りだったので、プールへ行きたかったけど、土日は混むから敬遠。雨が上がり始めた夕方五時ころから作業開始。

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← マリオ・リヴィオ著『偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか』(千葉 敏生訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 「生命の進化や地球・宇宙の起源、分子生物学、相対性理論の各研究で輝かしい業績を残した偉人たち、ダーウィン、ケルヴィン卿、ポーリング、ホイル、そしてアインシュタインも大きなミスを犯しているのだ」……

 雨合羽を羽織り、お袋が外仕事で使っていたつばの広い帽子を被って、むろん、長靴を履いて。運動不足解消を兼ねて外仕事。車道沿いの細長い花壇に植えてある樹木から車道へ食み出している枝葉を剪定。バラの枝などが道路に出ていると通行人に危ないから、気を使っている。

 マリオ・リヴィオ著の『偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか』を読了した。
 車中の友として仕事の合間に読んできた。この本を読むのを励みに仕事していたような。

 天才たちも失敗する。偉大な人ほど大きな失敗をする。それは偉大なるがゆえに胸に抱くビジョンもスケールが大きい。なので、反論や反証がいくら出てきても、自分の洞察は何時かは真実だとわかるに違いないという信念に生きていくようになる。
 それは頑迷固陋なのか、信念と意志の人として称えられるようになるのかは、冷徹なる歴史が証明するのだ。

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→ 雨宿りする鳩たち。番いなのか二羽。それを一人で見つめる自分です。

 ダーウィンら偉人たちの失敗の中で、アインシュタインの失敗は、紆余曲折の末、現在進行形で評価が定まるかもしれない。何といっても、暗黒エネルギーとの関りが深いからだ。
 ダークマターやダークエネルギーは、近年行われつつある観測の結果待ち。既存の我々が知る物質は、宇宙の中でほんの一部を占めるだけで、圧倒的にはこうした暗黒物質が占め、影響を与えている。
 その未知の物質の観測結果が待たれる。宇宙論も、生物像も(微生物の圧倒的存在感の認識のゆえに)今、大変貌を遂げつつある。

9784334979157

← ローラ・エル・マキ編著『プルーストと過ごす夏』(アントワーヌ・コンパニョン/著 ジュリア・クリステヴァ 他/著 國分俊宏/訳 光文社)

 ローラ・エル・マキ編著の『プルーストと過ごす夏』を読了した。
 感心したのは、本書の編集者ローラ・エル・マキが各章の冒頭に要約というか紹介を付しているのだが、僅か数行の文章が素晴らしいってこと。
 誰が書いているのか、あとがきで編者がローラ・エル・マキであると知ったのだが、これら各断章を読むだけでも面白い。
 むろん、各著者らがプルーストからここはという箇所を引用してくれていて、これらを読むのは言うまでもなく楽しい。
 実に素敵な本である。

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→ お風呂場の洗面所の庇の上で雨宿りするスズメ。一羽だけで。

 池澤夏樹=個人編集の『日本語のために』を 日々、少しずつ読んでいる。
 一気読みする本じゃない。中身が濃い。
 日本語といっても、単一民族じゃあるまいし、アイヌ語や沖縄など、多様だったはず……なのは想像できていたが、ヤマト系にしても、一様にヤマト言葉があったとは言えないかもしれない。

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←  池澤夏樹=個人編集『日本語のために』( 日本文学全集 全30巻 河出書房新社)

 ただ、言えるのは、(英国の政府や企業に後押しされていた)明治維新政府は権力と権威の中央集権化で、廃仏毀釈に象徴されるように、文化思想的には極めて軽佻浮薄な文化を国民に押し付けた(この背景に、日本の仏教を忌避する薩長勢力の思想と、日本の宗教界を混迷の陥れたい英国政府の思惑があったと、小生は憶測している)。
 言葉、特に表記のツールとしての言葉は皮相の一途を辿ってしまった。

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