ダンスと書くことを巡って
ドラッグストアのウエルシアで、過日、冷凍の牛丼の素を買ってきた。今日の昼、食べるものがなかったので、ダメもとでご飯にこれを温めて、牛丼にして食べた。美味かった! 期待していなかっただけに、嬉しかった。で、今日、さっそく、店へ買い出しへ。
→ 休みの日も、畑や庭仕事で疲労困憊。その合間を縫うようにして読書。その意味で、よく読んだほうだと自分を褒めてやりたい。ま、楽しみで読んでるんだけどね。 画像は、トウモロコシの苗を植えた光景。2017年4月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2631ページ ナイス数:2289ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら
今日は雨の予報だったので(出かける直前から日が差してきた)プール通い。14往復。畑仕事も、一息。あと、スイカとジャガイモ(かアスパラガス)の苗を終えたら、しばらく、水遣りくらい。庭仕事は延々と続くけど。久しぶりのプールだったが、外仕事で体力がついていたからか、あまり負荷を感じることもなく。プールのあとのアイスクリームが美味しい。
ポール・ヴァレリー著の『エウパリノス・魂と舞踏・樹についての対話』を読了した。プラトンの手になるソクラテスと弟子たちとの対話に模しているが、実際には対話にはなりきらなくて、むしろ、建築や舞踏、音楽をキーワードのヴァレリーの詩論、散文詩といった趣が強い。最後の一篇も対話形式を装っているが、樹を巡っての散文詩。
← サツキだろうか、一気に満開に。ただ、まだ全く咲く気配のないサツキもあって、ちょっとやきもきしている。一斉に開花とはいかないのね。
情けなくも本書を読んで初めて知ったのだが、ヴァレリーは若いころ、建築に熱中したのだとか。建築は形象化された音楽という理解をする人もいる。ある種の音楽の至上の一瞬を凝縮し形に示すということなのだろうか。
散文詩的な詩論なので(小生の理解も及ばないし)、要約は野暮な試みだろう。むしろ、ヴァレリーの詩を味わうしかない。なんていうと、ヴァレリーに叱られるだろうが。
小生ごときが云々するより、「アル中ハイマーの独り言 エウパリノス・魂と舞踏・樹についての対話 Paul Valéry 著」などを参照願いたい。
あるいは、「『エウパリノス 魂と舞踏 樹についての対話』 ポール・ヴァレリー|とある文学部生の日常」なども参照になる。
これら三篇のいずれも興味深いが、ここでは舞踏を巡っての拙稿から抜粋してみたい。
吾輩がサンバダンサーらの追っかけをしていた時代に書いた一文からである:
肉体は、肉体なのだ。肉体は、我が大地なのである。未開のジャングルより遥かに深いジャングルであり、遥かに見晴るかす草原なのであり、どんなに歩き回り駆け回っても、そのほんの一部を掠めることしか出来ないだろう宇宙なのである。
肉体は闇なのだと思う。その闇に恐怖するから人は言葉を発しつづけるのかもしれない。闇から逃れようと、光明を求め、灯りが見出せないなら我が身を抉っても、脳髄を宇宙と摩擦させても一瞬の閃光を放とうとする。踊るとは、そんな悪足掻きをする小生のような人間への、ある種の救いのメッセージのようにも思える。肉体は闇でもなければ、ただの枷でもなく、生ける宇宙の喜びの表現が、まさに我が身において、我が肉体において、我が肉体そのもので以って可能なのだということの、無言の、しかし雄弁で且つ美しくエロチックでもあるメッセージなのだ。

← ポール・ヴァレリー著『エウパリノス・魂と舞踏・樹についての対話』(清水 徹【訳】 岩波文庫) 「ヴァレリー(1871‐1945)の最も美しいとされる三篇の対話。建築と音楽を手がかりに哲学と芸術の岐路をソクラテスが弟子に語る「エウパリノス」、詩人によるダンス評論の古典「魂と舞踏」、最晩年の「樹についての対話」を収める一冊」。
映像(映画やテレビ)や音声(音楽)。その圧倒的な存在感と現実感。それに伍するには太刀打ちなど思いも寄らない文章。それでも、天邪鬼の小生はこれからも、何事かを綴っていくのだろう。別に言葉が至上だと思っているわけじゃない。でも、これだという一言、言の葉を探したいという思いがある。もしかしたら、決して逆説でもなんでもなく、人間は言葉に尽きるのではないかという思いがある。映像も音声も感触も全て動物だって、分かち持っている。共感する心だって、動物(や植物)は持っていないとは限らない。
唯一、人間が動物と違うのは、言葉だけなのではなかろうか。言葉とは、受肉された現実そのものなのだと思ったりするのは、やっぱり変わり者の思うことなのだろうか。
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