読書と庭づくりの日々
→ 南天の木の枝葉を潜り抜けると、そこには苧環の小道に。小道の雑草をせっせと毟って、苧環の芽だけは残すようにしている。ま、ただの遊びですが、小さな楽しみなのです。十年ほど前、帰郷して「苧環」が我が家の庭にあるってことに驚きました。東京在住時代に読んだ何かの小説の中で言及されていたのですが、まさか、我が家にあるなんて! せっかくなので、昨年から少しずつ苧環の群生作りを開始。今年もいいけど、来年以降はもっともっと。
今日はプールへ泳ぎに行くつもりでいた。でも、午後になっても起きられない。帰宅は夜半を回った丑三つ時近く。だらだらして三時過ぎには寝るのだが、細切れな睡眠しかできなくて、お昼になっても動く気になれない。ほんの数年前までは、朝方の四時ころに帰宅しても、昼過ぎには庭仕事できたんだが。
ラッキーなのか、アンラッキーなのか。入浴直後にボイラーの灯油が切れた。入浴後、バスを洗っている最中にお湯じゃなく、水のまま出るようになったのだ。そういえば、一昨年末、シャワーを浴びている最中に水になって、死ぬほど寒い思いをしたっけ。
← 南天。放っておくと、すぐこんなふうになっちゃう。人の身長よりは低く刈るべしって言われているんだけど、吾輩としては、これでもいいんじゃないって思うだけど、どんなもんだろう。
「ユリイカ2017年4月臨時増刊号 総特集=縄文 JOMON」を読み始める。
弥生以降にも興味はあるが、長さから云っても縄文時代は日本の人々には大きく土台を成していると思う。縄文思考なんて、腑分けしてこうだとは言いづらいだろう。
ただ、あの火焔土器を見るだけでも、発想の異質さ強靭さ土俗性は想像以上のものがあるだろう。ただし、森や山、川、海、大地と親和して生きていたなどと縄文時代を理想化するのは、違うと思う。
→ 蔵の脇に細長い花壇? いよいよスズランの花壇に。放っておくとドクダミが占領してしまうので、せっせとドクダミを排除。ごめんね、ドクダミさん、匂いが嫌なの。花は可憐でかわいいんだけどさ。
列島にせいぜい数十万の人たちが生きていた時代なんて、自然に慣れ親しむしか生きられるはずがなかったことをもっと強く認識すべきだと思う。地震も噴火も、雨が降れば洪水は当たり前だっただろうし、風土病の類なども、とにかく何もかもが恐怖と畏怖の対象だったはずだ。
生き物は闇の自然の深さの中で、恐れ戦くしかなかっただろう。仲間意識も強烈だったろう。リーダーは男だったのか、母親だったのか分からないが、そういったリーダーには絶対服従だっただろう。祭祀はどのようなものだったのだろう。人が生贄に供されることはなかったのか。
← 「ユリイカ2017年4月臨時増刊号 総特集=縄文 JOMON」 (青土社)
江戸時代どころか、昭和の初期だって、新月の夜の闇の深さは、我々にはもはや想像がつかないほどだったとか。逢魔が時という言葉がある(大禍時とも表記する)。「夕方の薄暗くなる、昼と夜の移り変わる時刻。黄昏どき。魔物に遭遇する、あるいは大きな災禍を蒙ると信じられたことから、このように表記される」という。
日が暮れ始めると跳梁跋扈するのは魔物だけなのだ。まして丑三つ時は、「草木も眠る丑三つ時」という表現もあるほど。生き物さえ鳴りを潜める。これらの言葉は江戸時代に使われた言葉か。遡って縄文時代の闇の深さを思い知るべし。
→ 四時間ほどを費やして、車道沿いの細長い花壇に柵を設置。油断すると雑草の生い茂る花壇なので、柵で目隠しです。
池澤夏樹=個人編集『日本語のために』を二週間ほどを費やして読了した。
アイヌ語やヤマト言葉(なんて一体の言葉があるのか分からないが)、沖縄の言葉。漢語の影響も大きい。縄文の言葉はどうだったのか。朝鮮や大陸からの人々の流入に伴って、彼らの言葉や文化が弥生文化を生み出し、縄文語の古層に溶け込むか、上塗りされていったのだろう。
地名や旧い人名などに縄文語の名残があるのだろう。北海道や東北などの地名に、無理やりヤマト言葉で漢字表記を宛がわれたんだろうなと感じるものがある。
← 池澤夏樹=個人編集『日本語のために』( 日本文学全集 全30巻 河出書房新社)
沖縄では現在進行形で文化が本土の文化に侵されつつあると感じる。
日本は決して単一民族国家などではないが、単一民族志向の強さは感じる。国旗国歌の強制はその象徴だろう。言葉も、標準語という制度がどんどん押し付けられていった。
文化の古層を探るなんて、夢のような話だけれど、自分が哲学や文学を志すなら、無理を押しても探っていきたいと思う。
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