何よりも苧環の小道
中上健次作品については、若いころ読もうとしたが、圧倒的に濃密な世界に息苦しくなって、中途で放棄してしまった(何を読もうとしたか、覚えていない。確か、『地の果て 至上の時』だったような)。
四半世紀を経て、改めて挑戦した。男女のやるせなく、生々しい世界。もう少しで、マルケスの世界も見えていたかも、なんて。
今日(日曜日)、本書を読了した。「『枯木灘』『地の果て 至上の時』と展開して中上世界の最高峰をなす三部作の第一章に当たる」ということなので、続けて「枯木灘」を読む。これが胸にズシンと来たら、『地の果て 至上の時』を読まねばなるまい。
さて、どうだろう。
ま、焦る必要も逸ることも不要。彼の世界は、私を待ち受けているはずだ。
← 中上健次著『岬』(文春文庫) 「郷里・紀州を舞台に、逃れがたい血のしがらみに閉じ込められた一人の青年の、癒せぬ渇望、愛と憎しみを鮮烈な文体で描いた芥川賞受賞作」だとか。
相変わらず、数十頁ずつ、池澤夏樹=個人編集の『日本語のために』( 日本文学全集 全30巻 河出書房新社)を読み続けている。
今日は、ハムレットの日本語訳各種を読んで楽しんだ。その感想など書こうと思ったが、その後に読んだ、「大日本帝国憲法」や「憲法発布勅語」、さらには「終戦の詔書」などに感じるものがあった。
「詔書(大東亜戦争終結ニ関スル詔勅) 昭和天皇」などで全文を読むことができる。
一読して感じるのは、国体の護持に何より重きを置いていた心情である。天皇制が第一。あとは、「堪えがたきを堪え忍びがたきを忍」ぶべしってことなのだろう。
しかし、吾輩は、国体より苧環の小道こそ大事と思う。
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