壁の向こうはアンタッチャブル
→ 開花宣言が出たと思ったら、あっという間に満開に。昨日、土曜日は、市街地でチンドンコンクールがあったりとか、人の出が多くて、富山にこんなに人がいたのかと驚くほど。午後には雨が予想されていたのが、天も我々に味方してか、降ったのは、夜半を回ってから。快晴じゃなかったけど、まずますの桜見物日和かな。
プレミアムシネマ「アンタッチャブル」を録画で見た。数十年前の人気ドラマだった、あのアンタッチャブルだと思い込んで。再生したら、87年のあのケビン・コスナー(とショーン・コネリー)の主演作品だった。めったに映画館に足を運ばない自分が映画館で観た映画。
← 映画『アンタッチャブル』(監督:ブライアン・デ・パルマ 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演者:ケヴィン·コスナー、ショーン·コネリー、ロバート·デ·ニーロ、and more)
もっとずっと昔の、テレビドラマのアンタッチャブルだと思い込んで録画していて、見始めて勘違いだったと気づき、即座に消去しようかと思ったが、懐かしさで見始めてしまった。
そうそう、テレビ朝日のアンタッチャブルは、実録風で、のちの仁義なき戦いではないが、アメリカのギャングの情け無用の横暴ぶりも怖かった(ターゲットの車の下に爆弾を仕掛けて、あっさり爆殺してしまう、など)が、ナレーションが卓抜だった。
見始めると、ついつい最後まで見てしまう。助演男優賞のショーン·コネリーの熱演もあるし、何といってもロバート·デ·ニーロの貫禄あるカポネぶりは、見逃せない。
当時、なぜ、この映画を見ようと思ったのか、思い返してみると、デニーロが出ているからだと気づいた。「ワンスアポンアタイム・イン・アメリカ」も映画館で見たが、やはりデニーロ出演だったからだ。
あれからもう30年!
→ 富山市にも桜の名所は各地にあるが、松川沿いが一番、人の出が多いかな。遊覧船もある。しかも、明日(月曜日)までは夜桜クルーズも。
目崎 徳衛著の『百人一首の作者たち』(角川文庫ソフィア)を相変わらず読んでいる。読み進めるうちに、ますます平安の女性たちの活躍ぶりを再認識させられた。中でも、紫式部の傑出ぶりはやはり際立っている。
ある意味、源氏物語を通じて、勅撰の歴史書たらんとし、政治の世界をも微妙に動かそうとする深謀遠慮がある(と著者は語る)。
目崎 徳衛著の『百人一首の作者たち』をようやく読了した。
やはり、従前のありがちな百人一首本と違う。本格的。安直な読みやすいカラフルな本じゃ、和歌に絡む奥深い世界は素通りだなって感じている。その分、ささっとは読み通せなかった。
『応仁の乱』ではないが、自分のような素養のないものには、多くは高名な歌人・公家らなのだろうが、名前が読めない場合が多い(ルビは随所で…党外の人物が扱われた段階で振ってあるのだが、頁を少々捲ると、もう忘れてしまう)。
← 目崎 徳衛著『百人一首の作者たち』 (デザイン: 鈴木正道 角川文庫ソフィア) 「王朝時代を彩る百人百様の作者たち。親子・恋人・ライバル・師弟などが交差する人間模様を、史実や説話をもとに丹念に解きほぐす。歌だけでは窺い知れない作者の心に触れ、王朝文化の魅力に迫るエッセイ」だとか。
が、平安時代の終了とともに、和歌に限らず女性の活躍は逼塞に追い込まれていく。鎌倉時代以降にも才能ある女性が少なからずいただろうに。王朝の世が終わり武家の時代となると、男尊女卑の世になるしかないってことなのか。
思えば、平安時代、王朝の世というのは、一般庶民には手の届かない、雅な世界なのだろう。貴族の館の外には、餓え、あるいは病む人々が犇めき合っていたはずだ。
御簾や塀や紗や香(こう)の香りという壁の相互の世界は、通行不能なアンタッチャブルな世界が広がっていたのだ。
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