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2017/04/30

『日本列島100万年史』を読んだのは

Japan

← 山崎晴雄/久保純子著『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』(講談社ブルーバックス) 「1500万年前、ユーラシア大陸の東の端から分かれて生まれた日本列島」について、「おもに100万年前以降を中心に、複雑な地形に富んだ列島の成り立ちを解き明か」すとのこと。「日本列島100万年史|ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部」(本書のまえがき)を参照のこと。 

 東日本大震災もあったし、その余波というか、近いうちに連動して大地震があるのではという根拠のない(?)予感めいた怯えもあって本書を手にした。1858年4月9日(安政5年2月26日)、飛越地震が富山・岐阜県境で発生した。北陸地方や飛騨国を中心に大きな被害をもたらした。

 安政飛越地震とも呼ばれる。この3年前、江戸などで有名な「安政の大地震」が発生している。前年には安政東海地震、安政南海地震、飛越地震に続いては、さらには安政八戸沖地震、伊賀上野地震などが発生している。

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→ 「立山大鳶山抜図」(画像は、「日本地震学会:なゐふる:vol.29 (5-8) 絵図から情報を汲む 第4回 飛越地震と大鳶崩れ」より)

 これらは連続して発生しており、総称して「安政の大地震」と呼ぶこともある。だからこそ、東日本大震災ほどの巨大地震となると、連動する地震が全国各地で発生してもおかしくないと予感するのだろう。
 日本列島は、複数のプレートの境界上にある。東西の日本はフォッサマグナで分断されてるし、中央構造線もある。
 東南海地震が発生する確率が高まっていることなどが、本書を読んで、日本の地形を俯瞰してみたいと思ったゆえんである。本書には、地域ごとの説明があるのだが、肝心の我が富山など北陸地方の説明がない。
 沖縄などの説明がないのも残念である。

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← 富山県郷土史会 (著) 『復刻版 越中安政大地震見聞録 立山大鳶崩れの記』(ケイエヌビィ・イー)

 立山でも上記したように、立山でも過去に大地震があったし、近年、立山で火山性微動も観測されていた。ちなみにだが、江戸時代末期のこの全国で連発した「安政の大地震」が民衆に不安心理を掻き立て、幕政への不信感を抱かさせ、幕府に危機感を覚えさせ、幕末そして維新へ至るエネルギー源になったという説もある。

 なお、「1858 飛越地震」については、「報告書(1858 飛越地震) 防災情報のページ - 内閣府」もある。
 巨大プレートのぶつかり合いで生まれた日本列島であり、地震や火山(噴火)と背中合わせ、どころかその上に辛うじて生きている我々。逃げるのも嫌だし、可能な限り正しい認識の上に立って、工夫と知恵で生き延びるしかない。と言いつつ、自分に何ができるのか、分からないままなのが悲しい。

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→ 裏庭へ続く小道沿いに苧環(おだまき)の群生が。紫の花びら。その紫に白い帯が入っている。なんて品のいい色合いなのか。

 復刻版 越中安政大地震見聞録 >> 平成19年に刊行された復刻版である。富山(越中)もかの地震で立山大鳶崩れがあったりなど、大災害を被った。当時の土砂(岩石)の一部は山に溜まったまま。崩壊が起きないよう、今も砂防工事は続いている。
 この災害の激甚さについては、ここを覗いてほしい:
【第四章】立山の異変 常願寺川 農人の記憶―山をも流した河 Jyouganji-River Memory of the Farmers 富山(常願寺川/立山カルデラ) 水土の礎


関連拙稿:「飛越地震から150年

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