木に寄り添う
大震災は東北で良かった……。基地問題は沖縄で良かったという発想が政権にあるように思える。沖縄も東北も東京からは遠い。
← 雨に打たれている苧環。品のいい紫の花びらが雨に似合う。 苧環の紫の傘の揺れる見ゆ
普天間基地を辺野古に移転させる。全然、撤去じゃない。新しい機能を持った新しい基地を作る口実だ。東北は東京からは遠い。本土からは、沖縄はもっと遠い。本土の人たちの無関心さ。これが日本なんだ。
今日は雨。プールへ行こうと準備して向かった。が、スタートが遅くて、断念。
遅い時間に行くと、水泳教室などをやっていて、混む。初心者には、周りに泳ぐ人が多いとビビるのだ。運動は、外仕事もできないので、雑巾を使って、拭き掃除。モップも何も使わず、中腰になって一時間の作業。汗だくになった。
普段、滅多に掃除しない、特に冬の間は障子を開けることもない、奥座敷の縁側の廊下。拭き掃除していたら、何かの死骸が。見ると、ヤモリのよう。
実は奥の縁側の廊下には謎があった。気が付くと、廊下に鳥の糞が点々と落ちているのである。
廊下の天井かどこかに穴があって、鳥が入り込んでくるのだろうか。それにしては、鳥の気配を感じたことはない。
→ 裏の車道沿いの花壇に数年前に植えた三重カナメ。すくすくと育って、細長い花壇が狭いよーって叫んでるみたい。
この謎は何年も解けなかったが、ある日、某SNSで、それってヤモリの糞じゃないのって指摘された。
疑問は氷塊……と言いたいが、ヤモリが糞をする現場を見たことがない。ヤモリの姿は見たことがあるのだが。
今日、掃除していて密集した糞に混じって、ヤモリの死骸があった。これでほぼ、廊下の糞はヤモリの落とし物だと断定できる、よね。
昨日未明、高田 宏著の『木に会う』を読了した。朝には仕事だというのに、真夜中過ぎに目覚めてしまい、脇のテーブルに置いてあった本書を手に取り、残りの数十頁を読む。
題名がいいし、テーマがいい。書き手ももちろん。
← 母屋の南面する壁面。トタン。ずいぶんと傷んできている。そのトタンにへばりつくようにして、つる性の植物が這い上がってきている。トタンでは壁には覚束ないから、自分たちが取って代わってやるって勢い! 何か人影か何かに見えますね。ポーの黒猫……。
著者は、一昨年、亡くなられていた。うかつにも気づかずにいた。「ゆきのまち幻想文学賞の審査員も務めていた」のだが、小生は一度、応募したことがある! 賞には掠りもしなかったが。
同氏の本といっても、大槻文彦の評伝である『言葉の海へ』と本書を二十数年前、読んだだけ。決していい読者ではない。
当時、どうして本書を手にしたのか、覚えていない。あるいは上記の賞のことがあったのか、当時有名だったPR誌『エナジー』の評判を聞いていたからか。
書庫を物色していて本書を再発見。
帰郷して十年近くになる。家は古いだけあって、庭もあり、庭木も(手入れが悪いせいで)藪のような状態だが、家を取り囲むようにある。
世話とまではいかないが、それでも、日々、草花と共に樹木も目にする。傷んだ木もあれば、隣家の苦情で断ち切った木、あるいは昨年、原因不明で一気に枯れてしまった木(モミ)もある。台風で幹の途中で折れてしまった杉の木事件もあった(半ばは吾輩の不始末のせいなのだが)。
棕櫚や夾竹桃、カエデ、松、杉、サツキなどなど、元気な木もある。
← 高田 宏【著】『木に会う』(新潮文庫) 「樹齢七千年の縄文杉の下で一夜を過ごし、白山のブナ林を歩く。真冬の山里を訪ね、銀座の並木に思いを馳せ、能面師、木工師と対話する。そして、木とともにある文化、木とともにある生活、木とともにある生命とは、どういうことなのか、本書は静かに語りかける」。
柿や梅、ミカンなど、昔からあった果樹もあれば、数年前から積極的に畑に植えてきた、栗、アンズ、ナシ、キュウイなどの果樹もある。いっそのこと、果樹の林にしようか、なんて。
木のことを勉強しているわけではないので、何をどうすればいいのか、分からないままである。
本書を久しぶりに読み返して、少しは木に寄り添いたいと思うばかりである。
ところで、アベ首相は、事あるごとに、被災地の復興は政権の最重要課題だと繰り返す。だが、その言は信じられない。復興大臣に起用されるのは、大臣病患者たち、滞貨一掃のために、その人の資質などまったく頓着しない連中ばかりである。この起用ぶりに、アベ首相の福島など地方への軽視ぶりが歴然と示されている。
被災地に寄り添う、そんな政権を期待するばかりである。
樹木関連拙稿:
「弥一は柴刈りに」
「立山杉の樹齢2000年!」
「NHK特集「巨樹が眠る神秘の森」を観た」
「誰もいない森の中の倒木の音」
「杉の木が倒れた」
「我が家の守り神・杉の木との別れ」
「雪の季節の終わり…庭木の惨状」
「畑をプチ果樹園に」
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