梯久美子著『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』をこれから
富山ゆかりの作家は、少ないとはいえ、思ったよりはいる。富山が舞台の小説も結構ある。富山の名物やお土産もいろいろある。今、探しているのは、小説(作品)に絡む、ゆかりのお菓子やお土産。
← 梯久美子著『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社)
月世界、抹茶とまでは言わないけど、緑茶が相性がいいな。大野屋の常夏(とこなつ)とか、特に、志乃原の江出の月(えでのつき)が緑茶と合う。鈴木亭の杢目羊羹もいいなー。あと、未だ食べてないけど、五郎丸屋の生菓子『冬ざれ』が気になっている。大野屋の『高岡ラムネ』も最近、話題になっているとか。竹林堂の『甘酒饅頭』は定番過ぎるか。みんな、お茶の友だ。
ある人の呟きで、「小学校3,4年生くらいが、その人らしさが出ると何かの本で読んだことがある」とあった。確かにその頃、変化があった。小学二年生まで、クラスで下から数えて3番をキープしていた。先生も親も何も言わないので、これでいいんだと思っていた。
すると三年の時の担任は、褒める叱るのメリハリがあって、ダメな時は叱ってくれた。吾輩、びっくり。世の中に自分に関心を持ってくれる人がいるんだって。その担任に応えるように、それなりに頑張って、今度はクラスの上から数番目に。親もびっくりしていたなー。
先生って、成績が悪いと、もう、生徒のこと相手にしない。ホント、小学三年であの担任に会わなかったら、ずっと下位でボーとしていた。それなりに居心地がよかったし、誰も何も言わないし。ただ、これは大人になってから聞いたんだけど、小学一年から二年の担任に我が親は、何度も呼び出しをしていたらしい。
お宅のお子さんは、何もやる気がないんですねって。なんだよ、だったら、本人に言えよってことだけど、当時の吾輩だと、何を言われても上の空だったのかなー。
思い出した。小学三年で成績がちょっと上がったからか、三年の終わりころだったか、姉が通っていた算盤塾へ通わされたっけ。お陰で(?)算数は他の学科よりは成績がよくなった。塾は一年もしないうちに勝手に辞めたけど、小学生の終わりころには、算数の本やパズルの本などを読みだしたんだった。変われば変わるもんだ。
これまた思い出したけど、これもあとになってお袋に聴いたんだけど、小学1、2年の頃、吾輩の成績が悪いと担任の先生に言われて(下手すると知恵遅れ…)、お袋は吾輩が早生まれだからって、言い訳していたようだ。最初は意味が分からなかった。
この早生まれの件については、昔、書いたことがある。ホームページに掲載していたけれど、そのホームページはニフティが消してしまった。ただ、幸い、別の場所にメモってあったので、たった今、ブログに載せた:
「早生まれの意味、生きることのなつかしさ」
梯久美子著の『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』を読み始めた。
島尾敏雄と島尾ミホという、稀有な作家と稀有な才能と気質の稀有な美人との稀有な人生。
夫婦ともに妥協を許さない、且つ真っ直ぐな人。特に奥さんのミホさんの真っ直ぐぶりは、息が詰まるほど。微塵の妥協や汚点をも許さない。島尾文学は島尾が書いたことは間違いないのだろうが、特にこの評伝が出た以上は、ミホの存在抜きには島尾文学は語れなくなるのでは、なんて先走ってしまってはいけない。
まだ冒頭の数十頁を読んだばかりなのだし。
ああ……でも、ちょっとだけ蛇足を。
島尾の記録魔ぶりも凄いけど、奥さんのミホさんの強靭な記憶力も圧倒される。何十年も前のちょっとした仕草に潜む陰も抉り出してしまう。『死の棘』は、その奥さんとの夫婦間の攻防のすさまじさをこれでもかと描いている。一読はしたけど、根性ナシの吾輩は、息苦しくて再読は辛くてできない。
読んでいた頃の時間のしんどさやきつさが今もトラウマのように残っている。
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