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2017/02/17

動植物は微生物の海を泳いでいる

 最近、柿の種とキムチのマイブーム。塩分も甘いものも、炭水化物(の食品)も、脂っこいものも控えろって言われているけど、なんだか無性に食べたくて。いいのか? でも、やめられない。

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← モイセズ ベラスケス=マノフ著 『寄生虫なき病』(赤根 洋子訳 福岡 伸一解説 文藝春秋) 本書を昨日、読了。本書は、ジャーナリストの著ということで、幾分危惧の念が無きにしも非ずだったが、杞憂だった。本書は決定版といっていい本だと感じたのだが、惜しむらくは、索引がないこと。せっかくの本なのに!

 今日もプールへ。8年ぶりだし、運動不足なので、まだまだアイドリング段階。最低3ヶ月を掛けて、徐々に泳ぐ距離を伸ばしていくつもり。夏には体型も変わるか! とにかく、継続あるのみである。
 泳ぎながら、体の運動にもなるけど、お腹の中の腸などにもいい刺激になっているだろうと、つい期待してしまう。

 一月に一度は襲ってくる、自分で作る焼きそば食べたい衝動。昨日、そして今朝と、その衝動に身を任せてしまった。 いつも、焼きそばの生麺三人前パックを買うので、三度に分けるのは、日持ちからしてきついし、三度も連続して食べる気になれないので、二度に分けて。
 豚肉は一回につき100グラムあまり。ミックス野菜のパックを二回ともまるまる。
 なので、日頃野菜を食べない自分には、野菜の纏め摂りの機会でもあるのだ。

 本書 『寄生虫なき病』の内容案内によると、「寄生虫、細菌、ウイルス。彼らを駆逐する公衆衛生の向上によって、確かに感染症は激減した。しかし、一部の科学者たちは、まるでそれと反比例するように新たな病が増えていることに気づいていた。花粉症、喘息、アレルギー、そして自己免疫疾患。これらの病は、果たして「寄生者不在」によるバランスの乱れが原因なのだろうか?自らも自己免疫疾患を患う著者は、あらゆるジャンルの膨大な研究とインタビューから、「寄生者不在の病」の全貌に迫ってゆく。そして、ついには自ら寄生虫を腸内に感染させる治療法に挑んだ。果たしてその結末は? 」といった内容。

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→ アランナ・コリン 著『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』(矢野 真千子 訳 河出書房新社) 「あなたの健康を維持している体内微生物の生態系が破壊され、さまざまな問題を引き起こしている」と、警鐘を鳴らす本。

 人間は体内に必ず多くの寄生虫、細菌、ウイルスを持っていた。だが近代、公衆衛生は劇的に向上し、それらは駆逐され、感染症は激減した。しかし、一部の科学者はそれに反比例するように花粉症、喘息、アレルギー、クローン病、多発性硬化症、中には自閉症のような精神的疾患と見なされていた症状、そして自己免疫疾患といった新たな病が増えていることに気づいていた、そういった事態について、解説の福岡 伸一も書いているが、現時点での決定版的解説書だというのは、僭越ながら自分も同感共感である。

 小生は、アランナ・コリン 著『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』(矢野 真千子 訳 河出書房新社)で、腸内に限らない人体と共生する微生物の生態系の異変という事態、デイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー 共著の 『土と内臓 微生物がつくる世界 』(片岡 夏実 [訳] 築地書館)では、腸内フローラのみならず土壌フローラへの視野を得てきた。今度、本書モイセズ ベラスケス=マノフ著の『寄生虫なき病』では、更に寄生虫をも含めた視野を得ることが出来た。

 思えば、地球上の生命はほとんどの時間を原核生物、ついで真核生物など、やがて多細胞生物へと複雑さの度合いを増していった。植物もだが、人間を含めた動物は、生命界へのほんの新参者に過ぎないのである。
 いうなれば、微生物の海に多細胞生物群が懸命に工夫しながら、生命の大海を溺れないよう泳いでいるのである。

 当然ながら、人間の体の内外には寄生虫も含めた微生物群がびっしりと取り巻いている。共生している。というより、むしろ、例えば腸内の微生物の活躍のお零れを戴いてやっと生きさせてもらっていることに見られるように、微生物の中に漂ってやっと生きているといったほうが状況認識として正解に近いかもしれない。
 肉類だけじゃなく、野菜を摂ることも大事というが、野菜を消化する能力は腸内(人体)にはないことなど、そうした現実のほんの一端に過ぎないのだろう。

 19世紀の終わりころから、微生物の狩人たちの活躍が目立ってきた。多くの悪疫を抗生物質の投与などで撲滅することに成功してきた。そうした成功体験が、やがて過度な清潔(衛生)志向を齎すことになる。あるいは、黴菌をやっつけてくれる抗生物質神話が生まれてしまった。

 その成功体験が逆に人間に限らず自然界に微生物相の異変をもたらしつつある、そういった理解が進んできた。アメリカなどは、豚や鳥を丸々と肥えさせるため、抗生物質を使いまくっているとか。そんな食肉、あるいは野菜、ファストフードがアメリカに限らず日本などの食卓を彩っているわけだ。
 日本でのアレルギー症状を訴える人の数は、ますます増えていくことは必定だろう。

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← デイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー [著] 『土と内臓 微生物がつくる世界 』(片岡 夏実 [訳] 築地書館) 「植物の根と、人の内臓は、豊かな微生物生態圏の中で、同じ働き方をしている」!

 上掲の諸著で、人体の内外の微生物や寄生虫への理解・研究への必要性が理解されつつあるが、当然ながらここにさらにウイルスへの理解も必要という認識が含まれているに違いない。
 人類が腸内環境のみならず、畑や田圃、川、海などの微生物にとっての自然環境をも壊変させつつある一方でさて、理想的な微生物の棲息環境の復元など可能なのだろうか。

 研究はようやく緒に就いたばかり。これからどんな研究成果が齎されるのか、期待したいが、迂遠な道が続いていることは明らかだろうと本書を読んでつくづく感じさせられた。

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