昨夜不意に清宮質文の世界に触れたくなって
本年は酉年。なので、鳥に敬意を示すため、好きな鶏のから揚げや焼き鳥など、食べるの控えている。これで二週間、我慢してきたけど、そろそろ限界かもしれない。明日は、どうなる!
← 「また来ん春… 」(中原 中也【詩】・清宮 質文【画】 玲風書房 2002年)
実は冒頭の呟きのあと、夕方、ローソンへ行ってきた。買ったのは、夕食用にラーメンにたこ焼き。明朝用にサケ弁当。レジ近くの陳列には目を背けて、逃げるように帰って来た。誘惑、多いですね。
そうはいっても、いつまで我慢できるやら。根拠のない深読みをすると、鳥インフルエンザが猛威を振るいだしたのは、今年は酉年だよ~~~って、訴えてるんじゃ、なんて。もち、冗談ですよ!
土曜日のこと。夜の九時過ぎより、本日、二度目の除雪。一時間半でめどをつけ、やめた。キリがない。汗びっしょり。シャワーでさっぱり。
今日、日曜日は、夜になった段階では、昨夜半からはそんなに積雪は増えていない。
とはいっても、土曜日に除雪したのが、十センチ弱の雪でコンクリート面は真っ白に。日曜日の夕方、四十分ほど除雪作業。これは、除雪のためもあるけど、運動不足を解消するためという面もある。
今日は、午後から大事な会議があった。組合の存続に関わる。悩ましいところだけれど、何処かで決断しないといけないだろう。みんなを代弁するつもりで、泥をかぶってでも、やるしかないか。
→ 清宮質文 【九月の海辺】1970年 (画像は、「駒井哲郎・清宮質文」より(ホームページ:「大川美術館」))
以下は、拙稿の「「清宮質文展 生誕90年 木版画の詩人」 ! !」(2011/03/24)からの抜粋。
昨夜だったか、不意に清宮質文の木版画の世界に触れたくなって。
叙情性がセンチメンタリズムに陥るぎりぎりのところで静謐な透明性を保っている。それは氏の魂の孤高の故なのだろう。涙で滲んだような揺らいでやまない遠い日々の印象的な場面。その数々が胸のすぐそこクッキリと浮かんでいるのに、手を差し出せば指の隙間から零れ落ちる砂のように掴み所がない。
版画という表現媒体の不思議な魅力に小生が気付いたのは結構、昔のような気がする。ムンクとかルドンとか、日本では長谷川潔とか、あるいは駒井哲郎とか。けれど、清宮の作品の数々に触れて改めて版画の魅力に取りつかれたようだ。特に、今回の展覧会では(小田急新宿店で20日まで)原版が幾つか展示されていて、その必ずしも緻密に細密に彫ったわけではなさそうなのに、刷り上ってみるとそこにはなぜか不思議な澄明感が浮かび上がってくることの不思議さに驚かされる。
小生は一方ではポロックやデ・クーニングのような抽象表現主義とか、あるいはフォートリエ(やデュヴュッフェ、アントニ・タピエス)などのようなアンフォルメルの画家達が好きなのだが、それでいて清宮の静謐なる孤独の世界が大好きなのである。
(そういえば昔、週刊新潮の表紙に谷内六郎の郷愁を駆り立てる素朴な絵が載っていた。彼が御存命の頃は、何処か毛嫌いしていたのに、今は素直に彼の世界に没入できるのは何故だろう…)
← 清宮質文 【深夜の蝋燭】1974年 (画像は、「駒井哲郎・清宮質文」より(ホームページ:「大川美術館」))
それは喧騒の極まる時代の中で、一方ではとことん引き裂かれ歪み苦しむ無数の魂を感じるからであろうけれど、同時に徹底して心の奥底に沈潜して何か純度の高い、時の流れを忘れさせてくれる世界を求めるという、小生の相反する欲求があるからだろう。
それにしても、絵画でも音楽でも彫刻でも陶芸でも、とにかくその世界に没頭できるものを持つ人が羨ましい。もちろん、そうした人々は小生など想像も付かない生みの苦しみに呻吟しているのだろうけれど。
関連する記事:
「「清宮質文展」:図録に始まりパンフレットに終わった一日でした」(2007/11/25)
「素敵な悲しさ 版画家 清宮質文」(NHK 日曜美術館)
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