エリオットワールドに微生物ワールド
我が家は築60年以上の農家風な建物。広い座敷や仏間、応接間(いずれも畳部屋)が襖を取ると、広い空間になるように設計されている。昔は、家で葬儀などの法事を行ったのだろう。ただ、その分、柱が少ない。瓦屋根の重みで家が撓みつつある。襖が開かない(開けたら締まらない)。建替えは当面無理。
← ジョージ・エリオット 著『ダニエル・デロンダ1』 (淀川郁子 訳 松籟社) 日曜日の夕方、読了。
開け閉めにそんなに苦労するなら、襖や障子戸を外すという手もある。
ただ、戸を外すのはいいけど、戸がある意味、柱代わりの機能を多少なりとも担っていたこともあるので、一旦、戸を外したなら、猶更、撓みの症状の悪化が促進されそう。何とか早く、柱をはめ込まないとって、内心、焦っています。
そこで今日、ホームセンターへ行った。それぞれの部屋の間に、今は無い柱をはめ込もうかなと。でも、柱なんて売ってないね。角材を適当な長さに切って、はめ込むしかないようだ。うーん、やはり専門家に依頼するしかないか。
さて、今日、ジョージ・エリオット 著『ダニエル・デロンダ1』 を読了した。やや日にちを要した。さすがのエリオットワールド。即、巻2に移る。いよいよ物語は佳境に。
でも、ストーリー展開の面白さもさることながら、叙述自体が読み応えがある。だから、吾輩のように途切れ途切れにしか読めないものも、本を手にすると、一気に物語の世界に引き込んでくれる。
美は細部にあり、ではないが、叙述や登場人物の性格、あるいは時代背景分析など、記述そのものが読み応えがある。19世紀半ばの小説という古さはあっても、ブロンテ姉妹に劣らない力がある。
並行して、近年、微生物の世界に関心が向かっている一環で、いよいよ自分の関心の焦点が定まって来た感がある。
というのも、土壌の微生物世界もだが、人間の微生物環境も、人間(に限らないが)への関わりの深いことを痛感させられている。
過日、読了したデイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー 共著の『土と内臓 微生物がつくる世界 』(片岡 夏実 [訳] 築地書館)の関連本。こちらの本については、拙稿「腸内フローラと土壌フローラのリンク」にて感想を書いている。この『あなたの体は9割が細菌』は、出版社の内容案内によると、「あなたの健康を維持している体内微生物の生態系が破壊され、さまざまな問題を引き起こしている! 最新の科学的知見をもとに、微生物生態系のしくみと健康との関係を解き明かす決定版」だとか。期待値大。
← アランナ・コリン 著『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』(矢野 真千子 訳 河出書房新社)
糖尿病や自閉症、過敏性腸症候群、肥満などは、体内微生物の生態系が破壊された結果ではと説く。
ただ、著者は、進化生物学の博士号を取得していると言うが、学者というよりジャーナリストなのが、やや微妙。内容的には、『土と内臓 微生物がつくる世界 』のほうが充実しているか。なんて、まだ冒頭を読みだしたばかりで、とにかく、読んで、腸内フローラ、もっと広くは人間などと共生している微生物環境への認識を深めたい。
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