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2016/11/14

今回も『今昔物語集』 の周辺を巡る

 仕事で着ている服のボタンが取れそうだった。なので、ボタン付け。二つのボタンに30分以上。その大半は、針に糸を通すのに要した時間。ホント、いらいらする!
 老眼の上に、もともと不器用。二重苦?

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← 『今昔物語集』 (角川書店 (編集) 角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 本書からは、つい先日、「月の兎悲話」(2016-11-06 )を書いたよ。

 一昨日は、夜中の二時ころ帰宅。寝たのが四時前か。朝、十時から報恩講。眠かったけど、一年に一度なので、お布施を手にお寺へ。
 浄土真宗の布教師宮木美弥子さんの講話が面白かったよ。
 年のせいか、涙腺が弱くなって、感激のあまりってわけじゃないけど、話の途中、思わず涙が溢れたよ。

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→ 左側の小銭入れが長年の使用で縫製が切れた。小銭が切れ目から零れ落ちるように。そこで右側のほうを今日から使う。どちらも父の遺品。右側も擦り切れている。そうそう、財布も父の遺品。今、帰郷してからのこの8年で三つ目を使用中。

 昨日、仕事が余りに非まで、車中で『今昔物語集』 (角川書店 (編集) 角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)の残りの130頁ほどを読み切った。
『今昔物語集』は、一度は全文を読みたいと思ってきたけど、なかなか手が伸びない。長いし、苦手な古文だし。
 でも、芥川龍之介がここ(特に本朝もの)から小説の題材を得た「ことは、高校時代、教科書などからの情報で知っていた。
 日本人なら、「源氏物語」や「枕草子」「徒然物語」「方丈記」「平家物語」「古事記」などなどと共に、一度は通読しておきたいもの。

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← 富山市には、こうした古びた路地裏、飲み屋街が少ない。そこがちょっと物足りない。空襲で市街地が全焼したから、街づくりが新しいのはやむを得ないけどさ。 歩いていて、思いがけない発見とか意外性とかがないと街歩きは味気ないよね。

 さりながら、今の小生は、ビギナーズ向けに編集された本書を読むのがせいぜい。
 それでも、それなりに、楽しめた。
 改めて、芥川があまりに近代人的に「今昔物語」の中の話を解釈しなおしていると確認した。

「今昔物語」を読めない、でも読みたいという強迫観念(?)は、ずっと続いていて、二年前にも、書店の古典コーナーで偶然発見した、野口武彦著の『「今昔物語」いまむかし』を読んだものである。
 この本はまさに発見もので、実に面白かった。

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→ 野口武彦著『「今昔物語」いまむかし』(文藝春秋) 本書については、拙稿「野暮用に忙殺されるからこそ読書」を参照のこと。本書の挿画は、八木美穂子によるとか。拙稿「イラストレーター八木美穂子ミニ特集」参照。

 商品案内によると、「同じ王朝文学の「源氏物語」の「みやび」「もののあわれ」とは違い、野性味や物質性を大きな特色としています。赤裸々な人間の姿をさらすこの文学に、著者は現代の混沌に通じるものを見て、その勘所をエッセイとしてつづってい」るというものだが、まさにエッセイとして読み応えがあった。

 というわけで、今回も「今昔物語集」の周辺を巡るだけに終わった。いつかは、周回コースの内側へと切り込んでいきたいものである。

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