読めないけど読みたい本の数々
「読書家の資質」(2016/08/2)において、以下のように書いている。抜粋して示す:
フィクションの楽しみは何処にある……という議論は別にして、資質の違う立花氏の本を読む値打ちは何処にあるか、というと、興味はあってもなかなか手の出ない情報系(ノンフィクション系)の本の情報をまとめて得られるという点にあろう。
← 立花 隆著『読書脳 ぼくの深読み300冊の記録』(文春文庫)
さらに小生は以下のように書いている:
立花氏は、書評として採り上げるに値する、人に紹介するに値する本を選んでいるとか。今回、本書を読んでショックだったのは、それなりに平均よりは読書好きのはずの小生なのに、本書で採り上げてある本で、自分が読んだことのある本が数えるほどしかないということ。
能力や才能の違いはあるにしても、あまりの読書力の違いに呆然としてしまう。
本書で採り上げてある本で、かなりの本……というより、大半の本はいずれ読みたいと感じさせられたが、現実的には、既に積読の本も溜まっているし、今後も手が出ないに違いないのだろうと思うと、淋しい気がする。
……せめて、読めないだろう、でも、読めるなら読みたい本の一部だけでも挙げておく。
← 矢澤高太郎著『天皇陵の謎』(文春新書)
天皇陵の発掘調査及び保存を久しく訴えてきたが、関連する本ということで、以下のような内容:
「古代天皇陵四十基のうち陵名の天皇が眠るのはわずか数基!? 古代天皇陵で陵名の天皇が本当にそこに葬られている例はほとんどない。では、誰がそこに眠っているのか? 古代史最大の謎に挑む。中には古墳であること自体が怪しまれている陵もあるくらいです。では、そこに眠っているのは本当は誰なのか?」だって。
← バーゴ・パートリッジ著『乱交の文化史』(山本 規雄【訳】 作品社)
バーゴ・パートリッジ著の『乱交の文化史』は、ひたすら趣味というか嗜好というか、好奇心というか、まあ、そんな具合で手にした本である。
本書の内容説明は、「ローマ法王からパリの淑女までが愛した“博愛的行為”の図説・文化史」と、至ってシンプルである。
人間には、どんな取り澄ました人にも、汗と泥に塗れるような、乱行願望があるのではなかろうか。
乱行のうちの、やや性に傾斜した営為が乱交なのだろう。
といいつつ、本書だけは小生、読んでいる。さすがにH系な本には手が早い!
← 鈴木 邦男/北芝 健【著】『右翼の掟 公安警察の真実―日本のタブー、二大組織の謎を解く』(日本文芸社)
「新右翼の重鎮と元刑事が明かす右翼と公安、その攻防の最前線!右翼組織の謎、公安捜査官の覚悟…命を懸けた者たちの暗闘の実態が明かされる」とか。
立花 隆著の『読書脳 ぼくの深読み300冊の記録』によると、「右翼と公安警察という、世間の目から一番隠された部分が、これほどあからさまにされた本は前代未聞。組織へのスパイの入れ方から、尾行、張り込み、盗聴のテクニックなど、エッと思う話が沢山出てくる。中でも秘密にすべき部分は伏せ字にされている」とか。
← 須田 慎一郎(著) 『ブラックマネー―「20兆円闇経済」が日本を蝕む―』(新潮文庫)
パナマの法律事務所モサック・フォンセカから大量の文書や電子メールが流出したパナマ文書で、タックスヘイブン(租税回避地)が一時期話題に上ったが、(少なくとも日本においては)報道は下火になっている。忘れやすい日本人の資質なのか。でも、一貫してアンダーマネー問題を追求しているひともいる:
「総額20兆円-アングラマネーが、この国の暗部で蠢き肥大化をつづけている。「不況」でさえもビジネスチャンスにしてしまう貪婪な「ヤクザ資本主義」の正体とは何か。不動産の地上げから証券市場を舞台にしたインサイダー取引や仕手戦、巧妙に偽装されたフロント企業の「シノギ」、そして彼らは、最先端の金融技術まで手に入れていた!地下経済の深層を抉り出した驚愕のリポート」だって。興味津々である。
← ニコラス・シャクソン[著]『タックスヘイブンの闇』(藤井清美訳 朝日新聞出版)
「タックスヘイブンの闇 [著]N・シャクソン - 森健(ジャーナリスト) - ビジネス BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト」によると、「タックスヘイブン(租税回避地)が利用されているため、「国際通貨基金(IMF)は少なくとも島嶼(とうしょ)部の金融センターだけで18兆ドル、世界総生産の3分の1になると推定している。逆にいえば、その税金は支払われておらず、つけは庶民の税金に上乗せされている」。
さらに、「タックスヘイブンの歴史でその中心にいるのは英国の金融街シティーとイングランド銀行だ。本書で思い知らされるのは英国の底知れぬしたたかさだ」って。イギリスのEU離脱も、広い視野で見ないといけないのかもしれない。
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