セザンヌは苦手
今日は休み。といっても、仕事から帰宅したのは、未明の二時を過ぎていて、ようやく起き出したのは、昼過ぎだった。
← ロジャー・フライ【著】『セザンヌ論―その発展の研究 (新装版)』(二見 史郎【解説】/辻井 忠男【訳】 みすず書房)
遅い昼食(朝食?)を取って、一休みしたあと、作業着に着替えて、炎天下、庭仕事。汗だくになって。
作業を始める前、畑で野菜を収穫。ナス、キュウリ、トマト。これらは、知り合いにあげた。
ただし、スイカは、冷蔵庫に。冷えたら食べるよ!
昼食(朝食)後、軽く読書。先日来、読み続けてきた、ロジャー・フライ著の『セザンヌ論―その発展の研究』を読了した。
本書は、「ブルームズベリー・グループの美術評論家が、ロマン主義的な表現からプッサン流の古典主義への深化をたどる」といった内容。
ロジャー・フライは、「ブルームズベリ・グループの一員としても活躍。講演や制作・執筆のかたわら、1905‐10年にはニューヨークのメトロポリタン美術館に勤めたり、1910年にはイギリスにおいて画期的な“マネと後期印象派展”を組織したりした。また装飾芸術を扱う“オメガ工房”を企てた」という。
まあ、そんなことより、実を言うと、本書に手を出したのは、『ある作家の日記』を読んで、作家ヴァージニア・ウルフが彼の評伝を書いていることを知って、フライに興味を抱いたのである。ウルフほどの人物が伝記を書くほどの人物なのか、というやや俗物根性的な関心である。
生活のため、売れる本ということで、伝記を書いたという事情もあったような。
偶然、今年、『ある作家の日記』を読んだその前の年(つまり昨年)、本書が新装版として刊行されているという幸運にも恵まれた。
(偶然と言えば、ウルフつながりとなるが、ウルフという愛称で親しまれた、往年の大横綱・千代の富士(九重親方)がな亡くなったというニュースが、本書の読了と相前後してテレビで流れてきた。)
さて、本書に手を出した、もっと正直な理由を言うと、実のところ、未だに小生はセザンヌの魅力や凄さが全く理解できないでいるからだ。その周辺の画家たちは、それなりに鑑賞し楽しめるのに、セザンヌは幾度挑戦しても、楽しめない。
← 『聖アントワーヌの誘惑』1870年頃。油彩、キャンバス、52 × 73 cm。ビュールレ・コレクション。 (「ポール・セザンヌ - Wikipedia」より) 本書の中でも本作品が扱われる。
中学の頃から、美術鑑賞は好きで、特に上京した昭和53年以降は、国立西洋美術館を皮切りに、相当に美術館巡りをしてきたのである。芸術関連の本も読み漁って来た。カタログも何百冊と集めてきたし、家の中は、複製画ではあるが、絵が一杯、額に入れて飾ってある。
ゴッホやシーレ、ムンク、ポロック、クレー、フロイド、フリードリッヒ、ヴォルス、などなど、際物的画家たちに魅入られる小生の偏った性向が、本格的な画家へ向き合うことを阻むのか。
さて、本書において、フライは、セザンヌの絵について、縷々特徴を語ってくれるのだが、なんといっても色の選択に個性が見られるという。なのだが、白黒の写真が豊富なのはありがたいが、肝心の色の具合が分からない。
幸い、ネットで(パソコン画面上で)絵を鑑賞することはできるのだが、やはり、隔靴掻痒の感はぬぐえないのである。
本物の絵を鑑賞する機会にはなかなか恵まれそうにないし、カラーのカタログを買って、再度、鑑賞するしかないか。
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