永遠と一瞬の美しき目合ひ
夜、仕事の合間などに空の星を眺めることがある。
遠い星。遥かな高みの星。
あの星に人類はいつか、到達するんだろうなって。
← お絵かきチャンピオン 作「不詳」 (ホームページ:「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照)
人類は、月に達し、火星にも近い将来、立つのだろう。
既に地に降り立ったという月の世界すら、小生のようなぼんくらには遥かに遠い世界なのだ。
なのに、いつかは人類は星の煌きにも達してしまうに違いない。
でも、……、そう、立つのは、少なくとも私ではない。
一番近い星ですら、光が何年もかかってやってくる。
たまたま私は地上に立っているから、安定しているかのようだけど、ホントは太陽系の地球というちっぽけな小舟にしがみついているのだ。
私には、あたなの一瞬の沈黙さえ、耐えがたいというのに。光と言う永遠と今という一瞬との美しき目合ひに嫉妬するばかりだ。
一歩、大気圏外に出ると、宇宙の孤独に彷徨うことになる。137億年の孤独の海。
壮大な世界、凍て付いた稀有な時空。
氷さえ、寒さを堪えきれないでいる。
← ジャン・ジュネ 著『花のノートルダム』(鈴木 創士 訳 河出文庫) 『泥棒日記』に続き、本書を読んだ。やはり、すごいとしか言いようがない。エロティシズとかじゃなく、ある種のストイシズム。痛切な天邪鬼、反骨精神なのか、リリシズムが濃厚過ぎる。サルトルの『聖ジュネ』を読みたくなった。
茫漠たる世界に独りぼっちの自分は、目の前のあなたの手すら握れない。
卑小な自分は、星の欠けらですらないなんて ああ!
参考:
「点々は 宇宙を攪拌しないのです」(2010/05/27)
「137億年の孤独の海」(2016/06/26)
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