点々は 宇宙を攪拌しないのです
我々は攪拌された宇宙に散在する点々なのかもしれない。
星の一つ一つが、誰彼の心の投影なのかもしれない。
道端の石ころや空き缶にしても、誰かの眼差しに晒される。
梅雨の束の間の日の光にジリジリと焼かれて、
つい、本音を洩らしそうになる。
もう、昔のことは忘れちまったとか、
先のことなどどうでもいいだとか。
なのに、日が暮れて、宵闇が訪れると、
今度はまた、違う本音が洩れてくる。
遠いあの日のことが胸を差すとか、
いつの日かの破局を予感するだとか。
わがまま一杯の梅雨の谷間の呟き。
きっと、今夜の雨に呆気なく流されていくんだろうな。
(「点々は 宇宙を攪拌しないのです」(2010/05/27)
| 固定リンク
「駄洒落・戯文・駄文」カテゴリの記事
- <無>を求めて慌てふためく(2025.02.21)
- ナボコフからクンデラへ(2025.02.07)
- 柳 宗悦著『民藝四十年』に学ぶこと多し(2024.11.11)
- 生け垣の補修はしたものの(2024.10.01)
- 「昼行燈2」を夜になって書いた(2023.09.16)
「旧稿を温めます」カテゴリの記事
- 夏の終わりの雨(2024.09.04)
- 休日なのに本が遠い(2024.08.27)
- 菌類が世界を救う ?!(2024.08.26)
- モモやリンゴやシジミにアサリ(2024.08.20)
- 水の流れが変わった!(2024.08.12)
「恋愛・心と体」カテゴリの記事
- 「任那」から「伽耶」へ(2025.05.16)
- 日本古代史ミステリー 「空白の四世紀」に何があったのか?(2025.05.15)
- ミミズの農業改革!(2025.05.12)
- 強風にも負けずに(2025.05.11)
- 北斎や数学からミミズへ(2025.05.09)
「ナンセンス」カテゴリの記事
- ナボコフからクンデラへ(2025.02.07)
- 日蔭ノナクナツタ広島ノ上空ヲトビガ舞ツテヰル(2024.08.06)
- キリスト教の茶の湯への影響…(2024.01.29)
- 数日分は貯えたと思いたい(2024.01.05)
- 「昼行燈2」を夜になって書いた(2023.09.16)
コメント
腹が立つとき、落ち込んだときなどに、とてつもなく大きな宇宙を思い浮かべる人がいました。
どんな出来事も「取るに足らないこと」に見えて心が落ち着くそうです。
まあ、たしかにそうでしょうね。
ちっぽけな人間の、些細な日常なんぞ、宇宙のチリより小さいかもしれません。
そう考えて、気楽に生きていきましょう♪
投稿: 砂希 | 2016/06/12 10:32
砂希さん
夜、仕事の合間などに空の星を眺めることがあります。
遠い星。あの星に人類はいつか、到達するんだろうなって。人類は、月に達し、火星にも近い将来、立つのだろう。
あの月の世界すら、小生のようなぼんくらには遥かに遠い世界です。
星は、近い星ですら、光が何年もかかってやってくる。たまたま地上に立っているから、安定しているかのようだけど、ホントは太陽系の地球というちっぽけな小舟に揺られているだけ。
一歩、大気圏外に出ると、宇宙の孤独に彷徨うことになる。
卑小な自分をつくづく思います。
投稿: やいっち | 2016/06/13 21:43