俺と死ぬのはどいつだ
NHKスペシャル「原発メルトダウン 危機の88時間」(3月13日(日)午後9時00分~午後10時30分)を録画で見た。
← 事故後の福島県双葉郡大熊町方向。中央の光は事故が発生した福島第一原発。(画像は、「福島第一原子力発電所 - Wikipedia」より)
「5年前、世界最悪レベルの事故を起こした東京電力・福島第一原子力発電所。最前線で人々が何を考え、どう行動していたのか、関係者500人を取材し、全貌に迫る。想像以上に混乱を極めていた原発内部、「東日本壊滅を覚悟した」と吉田昌郎所長が語った過酷な現場…。事態が最も深刻化した“88時間”を徹底再現、水素爆発や巨大津波なども詳細に映像化し、原発という“密室”で、人類史上初めて直面した事態をひも解いていく」というもの。
【出演】は、大杉漣,升毅,西村和彦,利重剛,千葉哲也,石丸謙二郎,中原丈雄,【語り】守本奈実。
「3月16日(水)午前0時10分~午前1時40分」に再放送されるとか。
東日本大震災の復興は道半ばだが、もしも(なんて愚の骨頂だと重々承知で言うのだが)東京電力・福島第一原子力発電所の事故が無かったら、復興復旧はもっともっと早かったに違いないとは言えるだろう。
福島などの産品の風評被害だって、あるはずもなかった。
→ 宮城県小泉海岸に出現する巨大防潮堤のCG=横山勝英氏提供 (画像は、「巨大防潮堤、被災地で反対運動 議論に住民不在 :日本経済新聞」より) 「いのちを守る森の防潮堤」など、他にも方法はあるだろうに、ゼネコンの都合なのかな。
人類がかつて経験したことのない事態に遭遇した最前線の人たち。
「俺と死ぬのはどいつだ」という吉田昌郎所長の発言の重み。
東日本全体に放射能汚染が広まることも覚悟したとも(アメリカは実際に、事故当時、東京からのアメリカ人の避難を呼び掛けていたのは、その頃も話題になったものである。「ともだち作戦」の一方での、こうしたあからさまな行動。
日本の政府などは苦々しくこの報道(行動)を見ていたようだが、事故の最前線にいた人々も東日本全体の汚染という可能性をひしひしと感じていたのだ。
← 2011年3月16日撮影 左から4号機、3号機、2号機、1号機 (画像は、「福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia」より)
一方、「高浜原発3・4号機、運転差し止め 大津地裁が仮処分」(朝日新聞デジタル)というニュースは耳に新しい。
「1~2月に再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)をめぐり、大津地裁の山本善彦裁判長は9日、福井に隣接する滋賀県の住民29人の訴えを認め、稼働中の原発に対しては初めて2基の運転を差し止める仮処分決定を出した。福島原発事故の原因が解明されていない中で、地震・津波への対策や避難計画に疑問が残ると指摘。安全性に関する関電の証明は不十分と判断した」のである。
今夏には参議院選がある。争点は、アベノミクスや憲法違反の安保法などいろいろあろうが、原発政策の行方も争点であっていいはずだ。日本の行く末をも占うものだと信じるからだ。
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