アルチンボルドという不可思議
アルチンボルドという面白い画家が16世紀のイタリアにいた。
← アルチンボルド『冬』(1573)、ルーヴル美術館、パリ ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo, 1527年 - 1593年)は、イタリア・ミラノ出身の画家。マニエリスムを代表する画家の1人とされる。(画像は、「ジュゼッペ・アルチンボルド - Wikipedia」より)
マニエリスムを代表する画家の1人とされるが、そんな専門的な蘊蓄など、この際はいい。
寄せ絵の数々など、時代を突き抜けた、才能あふれる画家だった。
その作品は、どれも、絵画史の流れなどに関係なく、自らの関心に専心した成果と思える。
日本でも、下に掲げた、19世紀の前半の歌川国芳の寄せ絵のような奇抜な絵はあるが、アルチンボルドの傑出ぶりは、ただただ凄い。
→ 『司書』(1566)、Skokloster Castle、スウェーデン (画像は、「ジュゼッペ・アルチンボルド - Wikipedia」より)
素人目には、精神の破綻を示しているのではと感じないではないが、専門家はそんな詮索は見当外れとみているようだ。むしろ、画家がとことん楽しんでいる、あるいはパトロンを楽しませている作品なのかもしれない。
アルチンボルドの四季作品も面白いが、それより、ここに掲げた『司書』(1566)がすごい作品だと感じる。
← 歌川国芳(1798ー1861)による「寄せ絵」 (画像は、「歌川国芳 - Wikipedia」より)
この作品こそ、時代を突き抜け、未来派をも あるいはいずれかの現代作家の画風を予感させる。
関連拙稿:
「ピエト・モンドリアン(前篇)」(2008/01/09)
「ピエト・モンドリアン(後篇:抽象性に宇宙を見る)」(2008/01/11)
「ピエト・モンドリアン(承前)」(2008/01/10)
「ヴォルス…彷徨う線刻の美」(2006/06/18)
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