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2015/12/10

雪舟から蕪村へ ! ?  

 やや慌ただしい中、高階 秀爾 著の 『日本人にとって美しさとは何か』(筑摩書房)を読了。

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↑ 伝 雪舟「富士清見寺図」(16世紀 永青文庫所蔵) (画像は、「清水・三保羽衣村」より) 上掲書を読んでいて知った作品。「永青文庫美術館」によると、「
この作品は、画面右上に「雪舟筆」の署名と「等楊」の印があるものの、筆使いの遅滞などから、雪舟自身が描いた原画ではなく、雪舟の活躍期に近い室町時代に写された模本」だとか。

 自宅でゆっくり読もうかとも思ったが、途中から車中で読み、そして眺めた。
 文中に掲げられる数々の絵を眺めているだけでも、楽しい。

 車中では過日から、堀田善衛著の『定家明月記私抄 続篇』 (ちくま学芸文庫)を読んできていたのだが、本書は車中で読むには、古文もあって、ややつらい。
 なので、途中からだが、今日からは家でゆっくり読むことにする。

 本書の商品説明によると、「源平争闘の中に青春期を持った彼は、後半生でもまた未曾有の乱世に身をおかねばならない。和歌を通して交渉のあった源実朝の暗殺、パトロンであり同時に最大のライヴァルでもあった後鳥羽院の、承久の乱による隠岐配流。定家の実像を生き生きと描きつつ、中世動乱の全容を甦らせる名著」などと。

 当時は平安(貴族)の世から武士の世への大転換の真っただ中。「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」と、和歌を家芸として生き尽くすってのも、大変だったろう。これほどのエゴイスト(?)もいない?

 さて、現代は、世界が大動乱の予感を漂わせている。その中で、日本は争いの地からやや離れていて、テロを恐れつつも、他人事というか、傍観視している気味も。
 しかし、アベ総理は、昨年末、アラブで対イラク国のために多額の資金を拠出すると表明し、実質、宣戦布告してしまった。わざわざ火中の栗を拾いに…あるいは、テロを日本人に引き寄せてしまった。愚かそのもの。
 もっと、事の本質を冷静に捉えなおす目が欲しいが、ないものねだりか。

Snowclad_houses_in_the_night

↑ 与謝蕪村「夜色楼台図」(国宝) (画像は、「与謝蕪村 - Wikipedia」より) 「KIRIN~美の巨人たち~」によると、この雪の京都の町並みを描いたこの作品は、「日本で最初に描かれたパノラマの夜景図」であり、「牡蠣やホタテなどの貝殻から作られる白い顔料「胡粉」が下塗りされている」とか。掻き立てられる郷愁。上掲の雪舟の絵(の一部)を見ていたら、ふと連想してしまった。

 そんな中、COP21の議長国であるフランスのオランド大統領は、「我々はテロと地球温暖化という2つの戦いに打ち勝たねばならない」と力説していた:
<COP21>対テロ 首脳「連帯」 パリで演説 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 環境問題とテロとは、同根の問題だという認識は、それですべてが理解できるかどうかは別にして、重要な指摘だと思われる。
 アラブには、イスラム教の人々がどんどん増えている(産児制限をしないこともある)。
 が、砂漠化が進んだりして、人が住める環境がどんどん失われつつある。水、資源、食料、平和を求めて、人口爆発するイスラム圏の人々の生存競争が世界規模で始まっているのだ。

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