奥田村における國重知事の住居について
過日、ある調査依頼についての返答の文書を見る機会があった。
← ジャック・ケルアック (著)『孤独な旅人』 (中上 哲夫 (翻訳) 河出文庫) 『オン・ザ・ロード』 (青山 南訳 河出文庫)に、特にその軽快な文体に感激し、本書を読んだ…のだけど、ちょっと違和感を覚えた。
調査というのは、富山県の旧奥田村にあったという、富山県の初代知事(着任当時は県令)である国重正文の住居がどこにあるかという、旧奥田村居住者からの(?)調査依頼であり、返答では、富山県公文書館でも、「國重知事の住居が上新川郡奥田村(現、富山市奥田新町・城北町・永楽町など)の何処で建てられていたかについて調査したが、記録が無く分からなかった」という。
先に進む前に、「国重正文 - Wikipedia」に拠って、同氏について、少々。
「国重 正文(1840年11月30日(天保11年10月15日)- 1901年(明治34年)10月27日)は、幕末の長州藩士、明治期の内務官僚・教育者・神職。官選富山県知事。通称・徳次郎、篤次郎。漢詩・書に堪能で、半山と号した」とか。以下、同サイトを参照願いたい。富山県の治水など、功績があったようである。
國重氏の旧知事邸は、「国重正文氏の住まいとして、明治16年(1883)に建てられ」、「国重氏が転任した後、空き家になっていた建物を黒部の豪農・西田収三氏が買い取って現在の場所に移築」したという:
「明治時代にタイムトラベル! 復元された「松桜閣」|旅の見所|黒部藩」
実は、「松桜閣は3年の歳月をかけて解体・復元され、平成23年(2011)5月に完成」したというニュースは、富山では流れていたので、復元なった松桜閣を見てみたいものだと思っていた。
「越中国は、古代から射水・砺波・婦負・新川の四郡に分けられ、奥田村は新川郡に属した」。
さて、国重氏の居住した当時の「奥田村は、神通川の「八田が瀬」と呼ばれた清流に臨み、一帯の風光は富山藩二代藩主前田利甫の第七子利郷[元禄十六年(一七〇三年)-延享三年(一七四八年)]の「神通八景」の詩に、神通帰帆・八田晴風・西田落雁・牛嶋夜雨と題して詠まれた景勝の地であった」という。
「八田が瀬の右岸沿いに、「奥田村字八田割」と呼ばれた小字があって、瀬の名はこの小字の名をとってつけたものと考えられる」とか。
「神通八景」については:「日本一の神通川船橋」など。
富山県初代知事(着任当時は県令)である国重正文氏の住居の在り場所については、前から関心があって、拙稿(「前田普羅のこと(前編)」参照)の中でも取り上げている。
ちなみに、拙稿である「前田普羅のこと(前編)」は、題名の通り、俳人の前田普羅を扱った草稿なのだが、実は、この前田普羅も、「関東大震災によって家財一切を焼失し、翌年、報知新聞富山支局長として越中立山の麓、富山市外奥田村に移り住む。彼にとって富山は憧れの地であったようで、以来、同地に長く居ることになる。」のだった、などと書いている。
余談だが、ついでに書いておくと、前田普羅は、やがて、昭和24年には富山を離れるのだが、一時、流浪の境涯を経た後、「昭和26年には東京大田区矢口に新居を構えるに至るのだが、小生も、大田区矢口とは遠からぬ大森に居住したことがあった…。別に追っかけをしていたわけではないが。
なるほど、こうなると、旧奥田村は、風光明媚ということもあって、県令や文化人などが他所の地から越してくるに絶好の地だったのかもしれない。
さて、上記したように、国重正文氏が旧奥田村の奈辺に居住したのかは、記録が見つからないとのこと。
思うに、富山で見つからないなら、同氏の出身の地である、長門国阿武郡萩土原(現山口県萩市)の周辺で、同氏についての情報が何か得られるのではなかろうか、郷里の人々などとの手紙のやり取りもなかったわけもないだろうし、などと思ったりする。
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