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2015/11/21

千松 信也著『けもの道の歩き方』を読む

 連休だった。大概の人は、今日の土曜日から来週の月曜にかけて連休なのだろうが、普通の人とはやや違うスケジュールの仕事なのである。

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← 千松 信也著『けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然』(リトル・モア)

 連休と言いつつ、のんびりはできなかった。まずは、車検。車検切れに先日、気づいて、大慌てで業者を探し、無理を言って依頼。
 何が無理って、急な…それこそ飛び込みの車検なので、代車がなかなか見つからない。
 なんとか用意はしてくれて、タクシーで業者から自宅へ往復って最悪の事態は避けられた。

 それにしても、自分の心づもりでは車検は来年の一月だったので、カネの用意もしていない。銀行で有り金を叩き、前金で数万円を支払う。
 もち、今日も残金を同じほど。
 実を言うと、車を買い替えるつもりでいた。
 本ブログで何度も書いているように、冬、雪の季節の到来である。仕事柄、夜中に帰宅する。狭く細長い庭なので、車を庭に収めるには、十メートル近くを夜中、帰宅時にせっせと除雪しないといけないってことが、何度もあった。
 真夜中過ぎに疲れた体で雪搔きするなんて、惨めだし、辛い。
 それでも、車を無理やり突っ込んでも、スタッグしてしまう。

 車を一台、入れる分だけ除雪する……というつもりが、つい夢中になり、ムキになってしまい、十分のはずが、小一時間も除雪作業に没頭することになる。
 体は火照って、汗だって滲むほどの作業なのだが、鼻呼吸の苦手は小生は、つい、口で呼吸してしまう。
 すると、作業が終わるころには、喉が痛み出し、気管支が痛み、ついには肺までが苦しくなっている…気が付くと、寝込むほどの咳に苦しめられる……というわけである。

 同じパターンを何度繰り返したことか。せめてマスクをすればいいのだが、最初は十分くらいで止めるつもりなのだが、ムキになってしまう性分は代えられないようである。
 数年前までは、風邪をひいても、せいぜい数日で治っていたのが、昨年などは一週間、今年の二月はとうとう二週間も会社を休む羽目に追い込まれた。
 年々体力が低下しているのだろう。

 今度、風邪を引き込んだら、肺炎ってこともありえる。インフルエンザの注射は、さすがに今年はするつもりでいるが、インフルエンザとは違う、冷たい空気を口から思いっきり吸いこんだことに因る肺炎は、防ぎようがない。
 ということで、対策として、狭く細い庭に、縦に車二台分の車庫を業者に依頼して作ろうってことを考えている。
 そんな話を過日、親戚の家に行った際に口走ったら、親戚のある人が、4WDの車だといいよ。少々の雪だったら、平気で走り抜けられる。

 そうか、そんな手があったか、である。
 中古の軽自動車を買う。もち、4WDの!
 これなら、50センチ位の積雪なら庭に突っ込める。
 一晩、寝入った後で、昼間にでもマスクをして、ゆっくり除雪すればいいのだ。
 
 てなことを考えていた矢先、ひょんなことから車検切れになっていることに気づいたのだった。思わぬ出費で、中古だろうと、軽自動車だろうと、購入(買い替え)なんて論外となったのである。
 惨め。

 さて、連休二日目の今日のメインは、庭仕事。降雪に備え、伸びきっている庭の樹木の枝葉を剪定。
 はらはら舞い散る葉っぱが溝などに落ちたりするので、箒で掃いて、掻きとって庭に。庭の肥やしにする。
 燃えるゴミ置き場から、近所の野良猫が生ごみを漁り、我が家の庭で食い散らかすので、庭中にゴミが散乱する。三週間ほど前にも掃除したが、またまたポリ袋などが散乱しているので、悔しい思いを堪えながら、清掃した。

 ほかに組合関連の書類を作ったりする。これが結構、面倒。誰も代わってやってくれないので、自分がやるしかない。
 ホント、組合の役員なんて、ボランティアである。しかも、文句や愚痴の受け皿になる。

 それでも、時間を搔き削るようにして、読書はする。
 昨日、読み始めた、千松 信也著の『けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然』(リトル・モア)を一晩というか、一日で読み切った。
 こういう生活もあり得たかなと思ったり、自分で殺した動物を自分で捌くなんて、自分には無理かなとか、奥深い山の中を分け入って、自然の中で野生の動物の脅威と向き合って暮らすなんて、やはり、夢の夢だなと感じてしまう。

 以下は、どこかのサイトに、本書を読了後、取り急ぎ書いた感想文:
 

 生活費は運送業で稼ぎ、猟師はあくまで自らの意志で。金が絡むと、生活のため、狩猟することになって、純粋に猟を楽しめない…。食べる肉は、自分で獲った獣を自分で捌いて…。もう、手つかずの自然など日本には(よほど、山奥でもない限り)残っていない。いったん、人間が分け入り関わった以上は、常に試行錯誤しつつ、幻想かもしれない理想の里山や野生の動物や自然との共生を目指すしかない。里山なんて、口で言うほど楽には実現しない。それにしても、猟師こそが絶滅危惧状態にあるってのは、情けない現実。自分がもう少し若ければって思った。

 本書を読んで、いろいろ面白い視点を教えられたが、一番、印象に残ったのは、猟師こそが絶滅危惧状態にあるっていう現実。
 里山とか、自然とか、口に出すのは簡単だけど、手つかずの自然なんて、少なくとも日本にはほとんど残っていない。一旦、人間が関わって手を入れた以上は、とことんどこまでも関わっていくしかないという認識こそ、本書が、著者が教えてくれる一番の教訓なのかもしれない。
 
 そうそう、福島原発事故の話も出てくる。放射能汚染された森(山)は、除染も不可能に近いし、半減期の30年が過ぎるまでは、手つかず。当然、イノシシは放射能に汚染される。汚染の連鎖は何処までも続く。
 人間の自然への関与の重い課題が厳然として横たわっている。

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コメント

雪国での生活は知らないことばかりです。
除雪は大きな課題ですね。
ムキになるあたりは、気持ちが若いんですよ(笑)
私だったら、相当事務的に終わらせちゃうだろうなぁ。
野良猫には困ったものです。
こちらは、庭の芝生にフンをしていく猫がいて、フン慨したことがありました。

投稿: 砂希 | 2015/11/23 20:01

砂希さん

いよいよ雪の季節が間近です。
除雪も大変だけど、その前に庭木の剪定という作業が待っています。
そのあたりを今日の日記に書きました:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2015/11/post-6253.html

一人暮らしだと、一戸建ての家は大変です。畑や庭の世話ができるのが羨ましいって方もいるでしょうけど。
といって、庭木を切り倒して、更地にし、駐車場にするのも、味気ない。
当分は、愚痴を吐きながら、家の内外の作業をちょっとだけよ~とやっていくのでしょう。

投稿: やいっち | 2015/11/23 21:15

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