葬儀で涙してくれる人は…
組合関係やら町内会(会長選出のための会合)やら、(家事はむろんのことだが)いろいろ雑用が多くて、連休を取った(後で、休みの多さのゆえに、乏しい給料明細を見てショックを受けるのが必定)!
← 星野博美著『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』( 文藝春秋BOOKS)
そのうえ、今日は、昨日電話があって、親戚の家に不幸が。ということで、今朝、葬儀に参列してきた。
昨日からの寒波が富山も直撃。葬儀の最中に氷雨が霙(みぞれ)に変わっていたようで、葬儀後、車に近づいていったら、ウインドーに雪が。
一番、寒いときに葬儀。なんだか、出来過ぎのような。
葬儀では、亡くなられた方のお孫さん(お嬢さん方二人)が弔辞を読まれた。おじいちゃんへの感謝の気持ちを子供らしく率直新卒に訴えられていた。彼女らは泣きながら読んでいたけど、こっちもついもらい泣きしそうになった。
同時に、自分には、亡くなった際にああして涙を流してくれる人はいないだろうなーと、つくづく。
氷雨や霙の降る、底冷えのする、昼間でも薄暗い街中を車を走らせたり、クリーニングの店に寄ったり、スーパーで買い物をしていて、何もかもが自分一人の世界であり、この世界の中でただの一人も自分に関心を持たれていないことに、今更ながら暗澹たる気持ちに。
そんな自分は、亡くなっても葬儀は求めない。子供などいないし、誰も葬儀をしたいとも思わないだろう。面倒やら手間をかけるだけなのだし。
気持ちを分け合う相手をこの世に一人として作れなかった人間なのである。静かに去っていくのがいいのだ。
友は何も言わない本だけ。あるいは音楽とか美術とか。
ということで、昨夜はV・S・ラマチャンドラン著の『脳のなかの天使』を読了。
面白かった。過日読み終えたスタニスラス・ドゥアンヌ著の『意識と脳―思考はいかにコード化されるか』(高橋 洋【訳】 紀伊国屋書店)共々、脳科学の進展ぶりを改めて認識。こうなると、やはり、オリヴァー・サックスを再読したくなるし、あまりにしばしば随所で目にするので、読んだ気になっている『脳のなかの幽霊』を読まないと。
← V・S・ラマチャンドラン (著)『脳のなかの天使』(山下 篤子 (翻訳) 角川書店)
ついで、テレビを見たりして一服した後、星野博美著の『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』を手に取った。朝日新聞の書評に取り上げられていて、気になったので入手。
「キリシタンは迫害される世に何を思い、どう生きたのか。日本で殉教した外国人の神父たちは、どんな思いで最期を迎えたのか。星野さんは、当時の人々が手にしたリュートをつまびきながら、時代を生き抜いたキリシタンの姿を想い、長崎からスペインまで400年の時空を超えた旅に出ます。その先で見た、歴史に埋もれた真実とは……?」といった本。
設定も面白いが、著者の好奇心溢れる精神と、マイナーに傾く資質に惹かれたようだ。
本書の中で、著者が好きだというJosquin des Prés のリュート曲 "Mille Regretz" を探したが、ボーカルのものしかなくて、訊けず仕舞い。リュートってのがまた、ローカルというかマイナーというか。
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コメント
最近は、日付が変わる頃に妙な電話があります。
もしや、身内の不幸ではないかとドキドキします。
でも、こちらが受話器を取る前に切れてしまう。
どうやら、いたずら電話のようです。
どこの誰が、何の目的でかけているのやら。
お孫さんが弔辞を読むスタイルがあるんですね。
亡くなった方も喜ばれたでしょう。
投稿: 砂希 | 2015/11/28 20:50
こんにちは。
だんだん寒くなってきました。関東の寒さと日本海側の寒さとは全く違うのでしょう。
最近親戚での集まりは葬儀と法事だけです。年々集まる人が少しづつ変わって行きます。昔は若い方だったのですが、最近は年寄りの部類に入る様になってきました。
私は無宗教なので葬儀無しのつもりです。死ぬ時は一生で1回だけ。死んでしまえば何も残らないと思っています。
投稿: シゲ | 2015/11/29 09:38
砂希さん
不穏な電話、いやですね。
小生にもそんな経験があります:
http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/2013/02/post-2aea.html
やはり、電話の意図は分かりませんでした。
あんな葬儀は、初めてです。実に印象的でした。
投稿: やいっち | 2015/11/29 21:30
シゲさん
葬儀の形や意識も変わってきたようですね。
家族葬やら密葬やら。みんな世間が小さくなってきている。
経済的な事情も大きいようです。お金持ちは盛大に、庶民はひっそりと、です。
貧富の差がいよいよ目に余るようになってきている。
アベノミクスは、最悪の経済政策です。金持ちばかりを太らせる。
小生も、死ねば何も残らないと思っています。
父について、誰も問うたり、思い出を語る人もいない。
子供たちがいるのに。
だとしたら、子のない自分については、生前であっても、忘れられている存在ですね。
投稿: やいっち | 2015/11/29 21:33