「好色一代男」で男の夢を想う?
折々、日本の古典を読むようにしている。昨年は、「枕草子」、比較的最近だと、堀田善衛著の「方丈記私記」などなど。井原西鶴についても、昔、「日本永代蔵」を読んだし、この「好色一代男」は、一度ならず。「好色一代女」は、一層の好奇心で読んだ記憶がある。
→ 「日本初のベストセラー作家 井原西鶴の肖像画」 (画像は、「江戸時代のライトノベル?300年前の超人気作家・井原西鶴の魅力 - NAVER まとめ」より)
今回は、車中で読むということで、古文を読む能もなくなっていることだし、吉井勇氏の手になる現代語訳で、楽しむことを優先して本書を選らんだ。
岩波書店の商品説明によると、「愛欲の追求に賭けた男、世之介の一代記。七歳で恋を知り、六〇歳で女護の島を目指し出航、行方知れずとなる、源氏五四帖に見立てた五四年の物語。近世文学の文豪井原西鶴の代表作。〔「現代語訳西鶴好色全集 第1巻 好色一代男」(創元社 1952年刊)の改題〕」とある。
吉井勇氏は、大正・昭和期の歌人で半世紀以上も昔に亡くなられた方なのだが、素養のない小生は(当然ながら)馴染みがない。
たぶん、本ブログでは、同氏を採り上げたことはないはずである。
わずかに、十年以上も昔、「河盛好蔵著『藤村のパリ』」にて、名前に言及しているだけのようだ。
まだ、本書を80頁ほど、読んだだけだが、同氏の本書をはじめとする西鶴文学への思い入れや、古典を自家薬籠中のものとしている、素養の深さが強く感じさせられる。
井原 西鶴は、多くの方が名前だけは知っているだろうが、実際に彼の作品に接した方は少ないのではないか。
「井原西鶴 - Wikipedia」によると、「江戸時代の大坂の浮世草子・人形浄瑠璃作者、俳諧師」とある。
「大坂・生國魂神社で一昼夜1,600句独吟興行」とか、「1684年(貞享元年)には摂津住吉の社前で一昼夜23,500句の独吟、以後時に二万翁と自称」といった話は、彼を語る際には逸することのできない逸話であろう。
→ 井原 西鶴 (著), 『現代語訳好色一代男』 (吉井 勇 (訳) 岩波現代文庫)
「井原西鶴 - Wikipedia」には、「島村抱月は「西鶴の思想は多くの点に於いて却つて近代欧州の文芸に見えたる思想と接邇する。個人性の寂寞、感情の不満、快楽性の悲哀、これ併しながらやみがたき人生の真相である」」といった理解が紹介されているが、この「好色一代男」にしても、世之介の浮世離れした色好み、色遍歴が書かれつつも、このエゴを徹底する生き方には、近代人の生き方につながる、己の感性を何より大事にする自覚が感じられる。この自覚が近代人たる個人の孤独感と裏腹となっていくのかもしれない。
といいつつ、自分のエゴを徹底するってのも、かなり難儀な営為で、実際には夢想を貪るのがせいぜいってことになるのが現実ではないか。
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