『ネアンデルタール人は私たちと交配した』を読み始めた
今日も秋晴れの一日。そして今日も、悲しくも庭仕事。
今日のメインは、泰山木の剪定である。
→ スヴァンテ・ペーボ【著】『ネアンデルタール人は私たちと交配した』(野中 香方子【訳】 文藝春秋) (画像は、「紀伊国屋書店」より)
剪定といっても、剪定ハサミでチョキチョキではない。
チェーンソーで十メートル近く育ってしまった泰山木の天辺を数メートルほどカットする。
やや大きめの脚立を持ち出し、生い茂る庭の奥に入り込み、脚立の位置を定め…と、結構、大げさな作業である。
泰山木は、ただ大きく育ちすぎたからカットするわけではない。秋の深まりと共に、葉っぱの落葉が相次ぐこともさることながら、葉っぱが隣家へ落ちることが困る。
さらに、天辺の枝葉が降雪に折れ曲がって、隣家の屋根や壁面へ寄りかかっていくことが怖い。
まだ、十月にもなっていないのだが、庭木で手入れする樹木がたくさんあるので、今のうちに、という思いである。
季節が来たら、泰山木は大きな酒杯のような白い花を咲かせる。けれど、開花をこの目で見たのは、一度だけ。
それも、数年前、落ち葉の掃除をしていた際、近所のお屋敷の塀際から垣間見える泰山木の木に白い花の咲いていることにふと、気づいたことだった。
ってことは、我が家の泰山木だって、花が咲いているに違いない! と、急いで我が家の泰山木のもとへ。
庭木の奥に杉や松、柘植、モミジ、棕櫚などの樹木の影になっている泰山木を眺め挙げてみると、なんと、ちゃんと咲いているではないか。
あまりに樹木の奥、しかも、泰山木の茂る枝葉の影になっていて、ちょっと見るだけでは気づくのが難しかったのである。
庭の奥、樹木や草の奥とて、脚立の位置決めも難しい。足場が悪いのである。脚立の四つの足を安定させるのは、土の上ではなかなか難しい。しかも、あまりに泰山木に近すぎると、泰山木の枝葉で視野を遮られて、カットしたい幹が見えない。まして、チェーンソーを片手にポイントを探し出して切るなんて、至難のわざである。
脚立の天辺に立ち、泰山木の枝に左手を付き(あるいは支え)、右手(時には左手)一本でチェーンソーを持って泰山木の幹を切る。腕を伸ばしてチェーンソーを持つので、幹も斜めに切るはめになる。
脚立の天辺に立ち、腕を伸ばして、やっとのことで切る作業で、恐々の、思ったよりも重労働となった。時間も案外と要してしまった。幹を直角に切るなら、あっさりと切れるが、斜めに切ると、力が入らないし、切る面が大きくなってしまう。
天に向かって三本ほど伸びている長い幹を、天辺の数メートル分を何とかカット。残った木は、それでも、四から五メートルほどは残っているが、降雪でも、隣家に寄りかかる心配はなくなったと思いたい。
畑の野菜つくりの店じまい作業もやりたかったが、ほんの少ししか手を付けられなかった。まあ、十一月までやればいいのだし、定期大会が済んだら、それなりに時間もとれるだろう(と期待する)。
そんな小生にとっての、息抜きの時間、癒しの時間は本を読むことだけ。
だれか素敵な人がいれば、癒しの時が持てるのだろうが、それは夢のまた夢である。
今、自宅で読みだしている本は、スヴァンテ・ペーボ著の『ネアンデルタール人は私たちと交配した』である。
過日、「「イブ仮説」が崩れつつある ! ?」なんて記事を書いたけど、本書を読むと、イブ仮説は今のところ、ますます盤石の仮説…というより理論となってきていると、著者は語っている。
一方、「琥珀の中に封じ込められた何万年、何千万年、あるいやそれ以上昔の昆虫類から遺伝子配列を読み取るなんて、ほぼ不可能」なことだと著者は語る。
「映画「ジュラシックパーク」のように、恐竜の血を吸ったかもしれない昆虫が琥珀こはくの中に閉じ込められていて、さらにその昆虫の胃から恐竜の血液を取りだせる可能性」は、著者は皆無だとも。
DNAは非常に壊れやすい物質なのである。
そんな困難を知り尽くした著者が、『ネアンデルタール人は私たちと交配した』ことを証明したからこそ、この研究に意義があるのだ……と言いつつ、本書を読みだしたばかりなので、まずは当事者の語るドラマを楽しみたい。
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