書類作りの片手間に大和 岩雄著の『日本神話論』など
九月も終わりに近いこの日、秋晴れに恵まれているにも関わらず、家にこもって、書類を書く作業にほぼ終日を費やしている。
← 大和 岩雄【著】『日本神話論』(大和書房) (画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より)
組合の定期大会が迫っているので、議案書の文面を作成しているのである。
議案書など、まして零細な組合の書面など、誰も読まない。
それこそ、組合の役員でも、右から左へ。手渡されても、そのまま、どこか職場か家の片隅に放り出されるのが目に見えている。今までだってそうだったし、たぶん、これからも。
それは、書き手の能力の問題もあるのだろう。読み手に啓発する力がないってことなのだろうから。
だが、だからといって、手を抜くわけにはいかない。
組合は半世紀近い歴史を積み重ねてきている。さまざまな先輩方が関わってこられた。議案書の作成にどんな方々が関係してきたのか、先代の執行部くらいしか、馴染みがない。その先代も、現執行部を去ってしまっている(会社さえ、去ってしまった)のだから、何を聴くわけにもいかない。
昔は、組合の会社側との団体交渉だと、ストを構えるのも当たり前だったようだし、経営者側と丁々発止のギリギリの交渉を重ねたものだったらしい。体調を壊す人も出たとか。
時代は変わり、少なくともわれわれは、おとなしいものである。
組合員の数も減っているし、経営者の組合への姿勢も冷淡極まりない。組合など、ないに越したことはないという発想なので、会社側のムードもその色に染まっている。
組合員の無力感、あるいは、組合(執行部)への不信、乃至は軽視の念もひしひしと感じられる。
組合費の減額が前執行部で行われ、執行部の活動費が乏しくなってしまった。
活動をやればやるほど、ボランティアの色彩が濃くなっている……、なんてことも愚痴にしかならないのだろう。
組合のため、というより、会社のイメージアップのために頑張っても、糠に釘じゃないが、ただ冷淡で硬直した反応でもない返事が返ってくるだけ。
完全歩合制の会社に働く者の気持というのは、普通のサラリーマンには想像も付かないのだろう。
組合があることで、殺伐としたものになりがちな乗務員の空気や関係が、ほんの少しの仲間意識を保てていると自負している。あまりに低い<成果>だろうが、組合はあるとないとじゃ、大違いなのである。
何かの時には、仲間として助け合うことが期待できる、組合とはそんなギリギリの絆の存在。
そして、議案書というのは、一年間の総括である。ほとんど反省ばかりの総括であり、次の一年に向けての抱負、活動方針も、地道な、日常の目線からの問題意識を掘り起こしていくことしかできない。
それでも、僭越ながら、少しでも会社のイメージアップや乗務員を中心とした従業員の生活の向上のため、ささやかでも何がしかの貢献をなしていく、そんな方針を示すつもりでいる。
高邁な活動じゃなく、地道な日常の活動を重視する組合。物足りないと言われそうだが、できることをやるしかないのではなかろうか。
さて、書類作りの合間を縫って、読書も少し。
昨日から、大和 岩雄著の『日本神話論』を読み始めている。
出版社の内容説明によると、「「日本神話」をめぐる十大問題を多くの資料から実証し、皇祖神たる日神・天照大神の本質とは何かを問う」とある。
同氏著の『新版 古事記成立考』を読んで以来のファンなのである。
「大和岩雄・著『新版 古事記成立考』を読む」(2009/06/11)なんて、記事も書いたことがある。
難しい表記がいっぱいで、素養のない小生には読むのが難儀だったりするのだが、でも、古代史には興味津々なのだ。
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