ポラーニョから「日本列島人の歴史」へ
ロベルト・ポラーニョ著の『2666』を本日、読了。
← 斎藤 成也【著】『日本列島人の歴史』(岩波ジュニア新書) (画像は、「紀伊國屋書店BookWeb」より)
いや、すごい小説だった。著者の遺著だが、生前に公表されていたら、ノーベル賞級の作品だと言える。
あまりの大作に、全貌を一読で把握できたとはとても言えない。
本書のあとがきにもあるように、再読の要あり。
だが、容易には再読ができそうにない。
思えば、メルヴィルの『白鯨』もマンの『魔の山』も、マルケスの『百年の孤独』も、二度目に読んだとき、いずれも、まさに世界文学の最高峰だと実感したものだった。
初読で本書の凄みを感じることができた……のはいいが、やはり、初回は物語や叙述の妙に呆れ圧倒され続けていたというのが正直なところ。
訳者もいうように、著者の詩人らしい叙述の詩情に、あるいは、図抜けた表現力に、時に卓抜なるユーモアに牽引されるように読み続けることができた。
さて、今日からは、打って変わって、斎藤 成也氏著の『日本列島人の歴史』を読み始めた。
小生、世界の歴史もだが、日本の歴史にも興味がある。日本人の形成や由来など。
特に、近年、遺伝子学の発達もあって、これまでの遺跡や発掘された遺物や骨格だけじゃなく、DNA解析に基づく、従来は不可能だった探求が、日本人の形成論に新展開をもたらしてくれている。
数年前、 崎谷 満氏著の『DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?』を読んだりしたものだが、ようやく待望の関連書が出たということで、早速入手し、今日から読み始める!
『DNAでたどる日本人10万年の旅』の著者の崎谷満氏によると、「有史以前からのヒト集団の住む列島に大陸の政変などがあって、北から半島から南の海から、次々にヒト集団がやってきても、既存の集団を圧倒し去るのではなく、多少は玉突き的に先行集団が僻地へ追いやられることはあっても、なんとか共存を果たしてきたという事実が読み取れるという」。
← 崎谷 満【著】『DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?』(昭和堂(京都)) (画像は、「紀伊國屋書店BookWeb」より)
一方、本書の内容説明によると、「日本列島人4万年の雄大な歴史を、現代から旧石器時代へとさかのぼりながら、たどります。人々の移動を引き起こす政治的中心地の変遷と、古今の列島人や近隣地域の人々のゲノム解析を軸に、人口や身長、人骨や土器など、様々なデータを参照し、列島に住んできた人々の暮らしぶりや地域差を明らかにし、列島人の起源へと迫ります」とある。
この数年の研究成果を確かめるのが楽しみだ。
それにしても、本書は「岩波ジュニア新書」とある。
主な読者層は、中学生から高校生だとか。自分が中学生だったら、あるいは高校生になっていたとしても、やや難解で手が出なかったかも。
関連拙稿:
「
『旅する遺伝子』で人類の歴史を旅する」
「『ここまでわかってきた日本人の起源』をどう読むか」
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