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2015/08/23

「TOYAMAキラリ」での出会い

美と知 新たな殿堂 富山市ガラス美術館/市立図書館 あす開館:」(富山:中日新聞(CHUNICHI Web))といったニュースというか情報は、富山市居住の小生、前々から知っていた。

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← 『ジョージ・エリオット全集(5) ロモラ 』(海老根宏訳  彩流社 ) (画像は、「楽天ブックス」より)

 その名は、「TOYAMAキラリ」で、富山市ガラス美術館と市立図書館本館(ほかに富山第一銀行本店も入っている)。ガラス建築ということで、キラリなのか。

 一般開放は昨日の22日だった。
 仕事の明けの日は腰が重く、動く気になれなかった。
 幸い、今日23日は休み。休養は昨日からたっぷり。なので、午後、勇んで(?)見学に出かけた。

 実は知り合いに今日の映画の券をもらっていたのだが、映画は苦手なので、映画のテーマは気になりつつも、やはり、映画鑑賞は断念。
 でも、新しい私立の図書館(とガラス美術館)の開館となれば、出かけないわけにいかない。

 館内には、随所にガラス作品が展示されている。当然ながら、開館に合わせてガラス関係の美術展も開催されているが、今日はパス。
(といっても、ガラス美術には関心がある。未公表だが、ある長編小説のテーマにもガラス作家がかかわっている。)

 ガラス建築をイメージしただけあって、開放的な建物。一方、県内産の木材も随所に使われていて、木とガラスの建物をも売り物にしている。ただし、小生は、両者の調和がとれているとは感じなかった。

 館内は、開館二日目ということもあって、人の出が多く、ゆっくり眺められなかったことも落ち着いての印象をつかみきれなかったのかもしれない。

 さて、ガラス作品を眺めつつ、目的の一般向け図書の並ぶ4階へ。
 広いし、開放的。明るい。人が多いこともあってか、落ち着かない。館内の案内係員が多かったことも違和感の因の一つだったのか。

 とにかく、今日は視察である。借りるつもりはない。館内をざっと眺めるだ……のつもりだった……のだが、トラブルが発生した。
 ただし、うれしいトラブル。予想外の出来事があったのだ。

 書架を見て回って、文学書のコーナーを見ていたところ、驚くべき本を見つけたのだ。一瞬、目を疑った。
 それは、なんと、小生には94年当時の最大の本との出会いと言って過言ではない、ジョージ・エリオットの『ロモラ』がドーンと鎮座しているではないか。
 だが、なんとなく真新しい。小生が東京在住時代の図書館でたまたま読んだ、世界文学全集の中の一冊とは、大きさからして違う。

 早速、手にとってみた。確かにでかい。奥付を見ると、刊行年は14年とある。昨年。ジョージ・エリオット全集が刊行されつつあったとは、小生、全くの迂闊であった。
 高校一年、小生が15歳の時、たまたま手にしたシャーロッテ・ブロンテの『ジェイン・エア』を読んで、それまで読んできた小説とは次元の違う世界に衝撃を受けた以来の衝撃だった。

 失業時代にメルヴィルの『白鯨』など、いろんな作品を再認識したものだが、最大の出会いは『ロモラ』だった。
 この感激については、本ブログでも何度か取り上げている。

 今日は、館内をざっと見て歩くだけで、書架を隈なく見て回ったわけではない。ただ、文学書などの幾つかのコーナーだけ、棚を段を追ってみてみたら、こんな本に出合ったのである。
 小生の今日の予定はすっかり変わった。
 とにかく、近くの大型書店に立ち寄り、本書を探す。なければ、予約すると心は決まっていたのである。
 館内の見物は、そのあとあわただしさを増し、急ぎ足で紀伊国屋書店へ。

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→ 「TOYAMAキラリ」 市ガラス美術館と市立図書館本館(ほかに富山第一銀行本店も入っている) (画像は、「富山市ガラス美術館の開館について | 共同通信PRワイヤー」より)

 案の定、本書『ジョージ・エリオット全集(5) ロモラ 』(海老根宏訳  彩流社 )はなかった。今はまだ日本では再評価されていない。というより、昔だって、どれほど評価されていたものか(でも、世界文学全集の一冊に加わるほどには高かったはずだが)。
 本書、税抜きで9000円! でも、古本でもいいから入手したいと思っていただけに、躊躇うことなく予約したのである。

 それにしても、『ジョージ・エリオット全集 』(彩流社 )の刊行に気づかなかったとは、我ながら情けない。
 でも、こうして妙な形であれ、出合えたのだ。今日の「TOYAMAキラリ」は成果が大きかったと思うばかりである。


ジョージ・エリオット関連拙稿:
ジョージ・エリオット著『サイラス・マーナー』
「ジョージ・エリオット」解説
「ジョージ・エリオット」作品について

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コメント

運命の出会いですね(笑)
義務感で出かけたら、思いの外収穫が得られたという経験は多いです。
どこで何が待っているのか、行ってみないとわかりません。
偶然ではなく、必然なんでしょうね。
ところで、映画が苦手なんですか。
私は大好きなので、ちょっと残念です~。

投稿: 砂希 | 2015/08/24 13:44

砂希さん

ほんと、予想外の出来事でした。
このようにして、誰かと出会えたら……まあ、自分を啓発したり、そこまでいかなくとも、ブログのネタを拾えたらなって、思います。

映画は、嫌いじゃないけど、映画館がね(理由については、本ブログで詳しく書いたので、略しますね)。

投稿: やいっち | 2015/08/25 21:38

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