パウル・クレー「忘れっぽい天使」
純粋無雑なる時空に一本の線が生まれでた。
まるでそう導かれることが宿命づけられているかのように、迷うことなく、ある曲線を描いていく。
やがて現れ出てきたのは、紛うことなき天使。
← パウル・クレー「忘れっぽい天使」(1939) (画像は、「 名古屋市美術館 ミュージアムショップ」より) クレーについては、「【日本パウル・クレー協会】」など参照。拙稿に、「綱渡り師とオースターとクレーと(前篇) 」などがあります。
外界の喧噪など知らぬ気に、ひたすら内面を見つめる。
見つめている…のではなく、溢れ出てくる悦びを感じているだけなのかもしれない。
優しげで、幸福感に満ちて、そばに寄ると、魂の温みにこちらまで暖められる。
無垢なる魂であるがゆえの、幼子の笑み。
あどけなさ。でも、この突き抜けた明るさはどうだ!
老いも若きも、弱きも強きも、この無垢の魂の輝きには言葉を失う。
単純の極みの美と喜びがここにある。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 大山鳴動して元の木阿弥(2023.05.31)
- 庭木の剪定に汗を流した(2023.05.30)
- 雨の休日らしく過ごす(2023.05.29)
- ナイチンゲールのローズ・ダイアグラム(2023.05.26)
- 蓮でも睡蓮でもなく石蕗です(2023.05.25)
「美術エッセイ」カテゴリの記事
- 今日は本の日、シェイクスピアの誕生日(2023.04.23)
- バンクシーをも呑み込む現実?(2022.10.27)
- 今の時期にタンポポ(2022.10.22)
- 週末は薪ストーブ小屋で?(2022.04.07)
- 切り絵作家 坂下奈美や雪門玄松の周辺(2022.03.31)
「祈りのエッセイ」カテゴリの記事
- 沈湎する日常(2023.02.23)
- 日に何度も夢を見るわけは(2023.02.17)
- 観る前に飛ぶんだ(2022.10.25)
- 月影に謎の女(2019.12.26)
- 赤いシーラカンス(2018.08.30)
コメント