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2015/06/30

本多裕樹の世界へ

 何処かカシニョール風なタッチの女性像。でも、カシニョールの描く女性ほどにアンニュイではなく、夢見る、やや背伸び勝ちの少女風である。
 シャガールほどには奔放な想像力を働かせるわけではなく、ローランサンの描くような、内に秘めたる強い意志を持つ女性たちとも違う。
 
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← 本多裕樹作「 ? 」 自由になり、心がやさしい心情にならないと芸術は降りてこないものです。よく、「愛深き者に神は降りる、芸術が天下ってくる」というが、わたしには愛は語れない。なぜ?、僕自体が人間的に完成していないからです。愛についても学習中です(← 作者談)。

 いい意味で青春の香りが漂う。描き手の若さを感じさせのだ。これはいいことだろう。
 瞑想的であり、思索的たらとしている。

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2015/06/29

富山市の中心部に森と水のゾーンを

 富山市に帰郷して最早8年余り。
 郷里での生活に慣れた…のだろうか。
 でも、無いものねだりとは重々承知しつつも、町に物足りなさを感じてしまう。
 それは、ブラタモリでタモリが度々言うように、坂や段差が少ないから、なのかもしれない。。
 東京暮らしが30年と長すぎたし、その前の仙台暮らしも6年。つまり、郷里を36年も離れていたことになる。
 東京は、23区だけでも、坂(道)が800ほどもある:
坂学会/東京23区の坂
東京23区(の坂道

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2015/06/28

沈黙 それとも 夢魔

 エロティシズムへの欲望は、死をも渇望するほどに、それとも絶望をこそ焦がれるほどに人間の度量を圧倒する凄まじさを持つ。
 快楽を追っているはずなのに、また、快楽の園は目の前にある、それどころか己は既に悦楽の園にドップリと浸っているはずなのに、禁断の木の実ははるかに遠いことを思い知らされる。

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← フュースリー『夢魔 The Nightmare 』(1781年 Oil on canvas  101 x 127 cm) (画像は、「ヨハン・ハインリヒ・フュースリー - Wikipedia」より) これが、「フロイトがウィーンのアパートにそのコピーを飾っていた」(「フュースリー (ロマン派))作品。

 快楽を切望し、性に、水に餓えている。すると、目の前の太平洋より巨大な悦楽の園という海の水が打ち寄せている。手を伸ばせば届く、足を一歩、踏み出せば波打ち際くらいには辿り着ける。

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2015/06/26

蘇鉄の花

 過日、オリヴァー・サックス著の『色のない島へ: 脳神経科医のミクロネシア探訪記』 (ハヤカワ文庫 NF) を詠んだことがあった。サックス本としてはドキュメント風で異色だったが、面白かった。

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→ 「19世紀の浮世絵に描かれたソテツ(広重『東海道五十三次』より赤坂宿)」 (画像は、「ソテツ - Wikipedia」より)
 
 本書については、必ずしも主題ではないのだが、「ソテツの島へ」という後段の章が印象的だった。
 グアムなどの歴史も興味深いのだが、特にソテツの話が何とも忘じがたい。

 上掲書を読む二三か月前に、ピータークレイン著の『イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語』 (矢野 真千子訳 河出書房新社)を読んだばかりだったことも印象を強めたのかもしれない。

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2015/06/24

何とか読書だけは

 どうも、疲れ気味なのか、仕事を早めに切り上げ、夜中の二時前には帰宅しても、三時過ぎには就寝しているのに、午前中は寝たり起きたりで、それが午後も同様で、気がついたら午後の三時ごろ、ようやく動き出しても大丈夫かなと感じられる。

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← ディケンズ (著) 『大いなる遺産(上)』(石塚 裕子 (翻訳) 岩波文庫) 文庫) (画像は、「 Amazon.co.jp」より) 本日読了。

 昨年までは、昼前には起きだして、畑や庭仕事をやり、その後、疲れをとるため、シャワーを浴び、仮眠し、午後の三時前には買い物に出掛ける、といった風だった。
 同じ時間に外出(買い物など)するのだが、昨年までは、二時間ほど、外仕事を既にこなしている。

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2015/06/23

富山県小矢部市のメルヘン建築群

 今日の朝日新聞に、メルヘン建築(富山・小矢部)が特集されていた。久々に(紙上でだが)ご対面させてもらった。
 そうだった、富山にはこんな町がある!

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← 「津沢保育所」 「東京赤坂にあった旧霊南坂協会をモデルにしていて、 正面入口は迎賓館をモデルにしてい」るとか。 〔所在地〕  富山県小矢部市清沢 (情報や画像は、「津沢保育所 - じゃらんnet」より) これが保育所!

 朝日新聞の同記事によると、「小矢部市では1976~92年、大谷中のようい国内外の著名建築を模した学校、保育所などの公共施設が次々につくられた」という。
「建設を推し進めたのは、72~86年に市長を務めた故・松本正雄氏だ」とか。同氏は、一級建築士の資格を持っていた。

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2015/06/21

ピンクの裸婦

 刀身が浮かび上がる。闇を刺し貫くように。
 闇が凍て付き、刃となったのだ。研ぎ澄まされ、やせ細り、スカスカとなって、今じゃガラスの裸身を晒している。

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→ お絵かきチャンピオン 作「おはーーーーーーーーーーーーーな」

 中には何もない。魂さえ、逃げ出そうとしている。
 ビーズ玉たちの乱舞。五弁花の花びらたちの涙のようだ。

 オレは淋しくてならなかった。色が欲しかった。闇だからって、色があって悪いわけがあろうか。
 色。その色は何処にある? 闇の中をまさぐっても、手の平にはザラザラした壁面が感じられるだけ。

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2015/06/19

埒外のオレ

 見たくない、傍に寄って欲しくないってのは、分かるよ。醜いものは観たくない、傍には近づきたくないってのは、正直な気持ちだものね。

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← ディケンズ【作】『大いなる遺産〈上〉』(石塚 裕子【訳】 岩波文庫) (画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より) このところ、啓蒙書の類の読書が続いてきた。久しぶりに小説、それも、大作を読みたくなった。これまた久しぶりにディケンズ! せっかくなので、刊行されて間もない、初めて手にするこれ!

 試食コーナーとか、一定以上の金額のレシートを提示したら、チェックの上、粗品を提供するって場所の店員(明らかにバイト、あるいは新人)は、オレが近づくと、突然、その場を去る、あるいは声を潜める、そうでなかったら、オレにそっぽを向くようにして声を出す。

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2015/06/17

市街地に小説の舞台を求めて

 今日、少々の時間が取れたので、「高志の国文学館」へ足を運んだ。
 仕事ではともかく、中に入るのは初めて。

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→ 神通川の土手(東側)から、夕景の対岸の呉羽山を遠望する。久世光彦氏の小説『早く昔になればいい』の舞台が山の坂道にあるとか……

 目的は、「ギャラリー展「妖怪がひそむ富山の民話」(5/20(水)~7/6(月))」である。
 無論、常設展で、富山県の文學者などの文化人先覚者を展望するのも、忘れない。
 目的をもう少し絞ると、小説を書くネタ乃至モチベーションとなる何かを求めて、となる。

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2015/06/15

夕暮れ時はさびしそう…どころじゃなかった!

 今朝、キュウリを2本、収穫。一昨日、3本収穫し、浅漬けにしたが、もうなくなるところだったので、早速また浅漬けに。明日か明後日には食べごろになるだろう。

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← ロジャー・イーカーチ【著】『失われた夜の歴史』(樋口 幸子/片柳 佐智子/三宅 真砂子【訳】 インターシフト) (画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より) 裁判資料などの文献資料がふんだんに踏まえられている。

 ナスのほうは、一昨日、3個収穫したのだが、今日は未だ生っていない。
 トマトのほうは、黄緑色の実がいっぱい生っている。植物の生長の速さに圧倒される。
 
 数日前から薬を日々飲む人間に変わってしまった。で、気がついたのは、飲み忘れの多いこと。

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2015/06/13

陽に耐えてじっと雨待つホタルブクロ

 庭作りというのは、なかなかに難しい。樹木もだが、花も。
 育て鑑賞したくて買ってきた花の苗。ここぞという場所に植えて開花の時を待つ。

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→ 強日射に白く眩く。小生の偏見かもしれないが、ホタルブクロには雨が似合う気がする:

陽に耐えてじっと雨待つホタルブクロ  (や)

 まあ、一年草だととりあえずその年は開花してくれるが、季節が過ぎれば命果てる。
 買ってきた花(の苗)であっても、翌年以降も咲いてくれる種もある。

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2015/06/11

ジャガイモの花 そして一日一善

 今日は御昼前、病院へ。どうやらかかりつけのお医者さんとなりそうな、個人病院。
 今年の初めごろに会社で行われた健診の結果(数値)がイエローだったのだ。

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 ずっと放置してきたのだが(気持ちの中ではずっと引っかかっていたのだが)、とうとう最近の体調の不具合や、過日受けた生活指導(健康相談)の件もあり、背中を押されるようにして、重い腰を上げて病院へいったのだ。
 一昨日は、血液検査や健診結果票を観ての指導を受け、今日は検査の結果を踏まえての診察結果を告知された。
 血圧手帳をもらった。尿酸値など各種の数値がイエローで、レッドギリギリの中、血圧だけは正常値。ぜん
 あと、快便(一日一善)も、自分の体については数少ない、いい材料と言えそう。

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2015/06/09

紫陽花ばなし?

紫陽花ばなし?

 何故かこの頃、また沈丁花の花のことが気掛かりでならない。つい先日、「沈 丁花」というタイトルの掌編を書いた。沈丁花に絡むエッセイを書こうと思った ら、春先の花で、季節外れだということに気づき、書くのはやめたのだけど、何 かしら花に絡む幾許かを書かないと気が済まない。
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 それで、江戸の敵を長崎での伝で、エッセイがダメなら掌編だ、というわけで ある。その時には、春四月にタイトルも同じ「沈丁花」という掌編を書いている ことなど、すっかり忘れている。コメントを寄せてくれた方の指摘で気が着く始 末だった。

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2015/06/08

明晰なる世界から天地晦冥の世界へ

 今日の午前は、庭木の選定。といっても、表の道路に面する庭木が食み出しているので、カットする作業。
 同時に、笹がやたらと育ってしまって、生け垣を圧倒し、壁面の石垣の隙間を縫い、せっかく植えた、寒菊や雪柳などを呑み付くすような状態になっているので、笹の藪を退治。

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← ロジャー・イーカーチ【著】『失われた夜の歴史』(樋口 幸子/片柳 佐智子/三宅 真砂子【訳】 インターシフト) (画像は、「紀伊國屋書店ウェブストア」より)

 といっても、背丈十センチほどにカットしただけなので、すぐに元の状態に戻るのだろう。いつかは、徹底的に除去しないと、家の土台が浸食されそう。
 寝不足のままに作業したので、その後はすぐに眠りたかったが、シャワーを浴びたら、一時的に眠気が去り、余儀なく遅い食事を摂った。

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2015/06/06

一期一会の鵺

 分厚く高い壁。
 苔生すような壁面が闇に潜んでいる。
 昼間の眩いばかりの純白の豪邸とはまるで違う。

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→ 画像は、「鬱勃の闇に葬らん」より。

 遠い昔、深海に沈んだ遺跡。
 なのに、暖かさをひけらかすように窓に照明が。深海魚の眼。
 外の世界に漏らすまいと、完璧に密封された空間の中でオレンジ色の光が静かに舞っている。

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2015/06/04

遥かな星

 時に星空を眺め上げる。遥かな遥かな星。

 あの星に、いつかは人間が行く。人間はいつかは実現させてしまうんだろうなー。海の底、地の底、宇宙の彼方。人間の究極。

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← 「大気光と夏の天の川」 (画像は、「大気光と夏の天の川 星空の珊瑚礁-ウェブリブログ」より)

 星々は何も語らず、ただ天にあり、地にある。

 天の底、地の果てにあって、輝きを放ち続けている。
 無辺大の凍て付く時空を光で満たそうと、懸命の、しかし儚い試みを続けている。

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2015/06/02

奇妙な停電騒動

 過日のこと、御昼前、遅い朝食(兼ねる昼食)を摂ろうと、(庭仕事で疲れ)重い腰を上げて台所へ。
 冷蔵庫の残り物などを取り出し、ヒジキの煮物やら揚げ物を電子レンジへ。
 電子レンジで温めている間に、納豆やら漬物などをお盆に載せようとしていた。

 と、電子レンジを稼働させて十秒も経たないうちに、不穏な兆候。音が突然、止んでしまった。
 えっ、もう、温め終わった? いくらなんでも、そんなはずはない。
 そんなことはあってほしくないと思いつつ、電子レンジの前に立つと、動いている様子はない。
 停電か断線(あるいはコンセントが外れた)! 

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2015/06/01

アガパンサスは愛の花

 乾いている。飢えているといってもいいほどに。
 ただ、何に餓えているのか、分からない。

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→ 草露 (画像は、「草露 日々是電脳写真」より)

 ひもじいわけじゃない。食べたいものを食べているわけじゃないけど、腹だけは満たすことができる。
 会いたい人に会えない…。そうなのかもしれない。
 でも、会いたい人が誰なのか、分からない。

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