苧環や糸繰る娘の浴衣かも
さて、苧環 (おだまき)の花は、名前が変わっている。糸繰草(いとくりそう)という別名もあるらしい。
そもそも苧環 (おだまき)という名前はどうしてついたのか。
「「苧(お)」という繊維を、中を空洞にして丸く巻き付けたもの(苧玉(おだま))に花の形が似ているところから。”苧(お)、玉(たま)、巻き(まき)”が「苧環」という漢字で「おだまき」と呼ばれるようになった」という(「季節の花 300」より)。
→ 昨年だったか、それまで濃い青色の花のほかに、突如、清楚な白い花も咲くようになった。
小生がこの花に気付くようになったのは、6年前、帰郷し、父母に代わって庭などの世話役を担うようになってから。その頃は未だ、我が家の庭には実に多彩な植物があちこちに季節ごとに現れてくれていた。
その大半は、齢を重ねるごとに我が家の庭から姿を消していった。
大概は、春先からの除草作業の過程で、まだ青々とした草のうちに、雑草と共に毟り取ってしまったり、あるいは除草剤を不用意に散布して、死滅させたりしたせいに違いない。
その中でも生き残っている僅かな種類の植物は、察せられるように、小生の無神経な行為にも関わらず生き延びたわけで、強かだったり、丈夫だったりするのだろう。
我が家の庭で植物が育ち生き延びるには、よほど強かでないと難しい。
← 白い花の苧環 (おだまき)の群生。
ドクダミやムラサキツユクサは、数年前はそんなに蔓延っていなかった。ジャーマンアイリスも庭のほんの一角だけのはずだった。今では方々に群生している。水仙も、数年前、苗を数株買ってきて庭の隅に植えたのだが、今ではあちこちに群生してくれる。
この苧環 (おだまき)も、誰も気づかないような庭の片隅にひっそりと咲いている。表から裏庭への通り道のすぐ傍。通り道には植物は植えないから、砂利をものともせず育ってくるのは雑草以外にない。
除草剤も一昨年まではどしどし散布していた。苧環 (おだまき)は、除草剤を撒く、すぐ傍で生き延びてきたのだ。
→ 庭の方々に一輪ずつのジャーマンアイリスが咲いている。我が家の庭に生き延びている数少ない花。世話もしていないのだけど。
昨年からは可能な限り、除草剤を撒かないようにしている。
代わりに防草シートや砂利を多用している。
だからだろうか、例年なら一輪(一株)の苧環 (おだまき)がしぶとく育ち開花するはずが、今年はその一株の周辺に群生するように少なからぬ苧環 (おだまき)の芽が芽吹いてきている。来年は、花も群れとなって咲いてくれるやもしれない。
除草剤を使わないためには、砂利や防草シートは、まだまだ必要で費用が嵩むばかりだが、除草剤だってばかにならなかったことを思えば(毎年春と秋に数瓶ずつ散布する)、砂利などは数年は持つだろうから、結果的にはコストダウンになるだろうし、何より庭木や植物に優しいはずなのである。
← 表の庭の隅っこに一昨年、植えた薔薇の苗木。昨年は開花しなかったけど、今年は一輪、咲いてくれた。放っておくと咲くのね。なのにもう何年も昔から育っている裏庭の薔薇の木。昨年は立派に咲いたけど、今年はまだ蕾の状態。数多い蕾が一斉に開花すると、壮観のはずなのだが。
苧環の花は、晩春の季語らしい。
ただ、目立つ花ではないからか、句に詠まれることは少ないようだ。
苧環や風に清楚の花紡ぐ (や)
☆ 今日の本文は、旧稿である「苧環や風に清楚の花紡ぐ」の転記。「苧環」を巡っては、他に以下がある:
「庭の片隅の苧環」
「一輪の苧環をめぐって」
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コメント
手入れをしなくても、キレイな花を咲かせてくれるものなんですね。
放任主義でいいのかも(笑)
手をかけないと、枯れてしまう植物もあるようですが。
できる範囲でいいんですよ。
苧環の青と白、コントラストがステキです。
春は庭がにぎやかになりますね。
投稿: 砂希 | 2015/05/16 20:33
砂希さん
丹精込めて育てた花が開花するのも嬉しいけど、ちょっと目を離すとダメになってしまう。
一方、放置し(下手に除草剤を撒くなどの余計な事をしない)ておくと、その時期が来ると開花する花には関心する。
ジャーマンアイリス、ムラサキツユクサ、スイセン、ツキヌキニンドウ、タンポポなどなどは生命力が強い。
ところで、不思議なのは、我が家のツツジ。ほとんど咲いてくれない。近所のツツジがあれほど見事なのに、悔しいです。
投稿: やいっち | 2015/05/16 22:06